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リフタ / Lifta プールのその先にあったもの

子供達の水と戯れる歓声を背に細い道を進む。緑が茂り小川とも言えないほどの小さな水の流れを越えていく。

わたしの鼻がいいのか、食いしん坊なのか、はたまた野生化して強い香りを放っているのか、無花果の匂いを感じた。
やっぱり!
ふと横を見回すと無花果の木がある。無花果の森だ。食べ頃まではあと2ヶ月はかかるであろう小さな小さな無花果の実がなっているのを見つけた。よく見ると小さな実がたくさんある。まだまだ小さく硬いそれらはまるで水玉模様。たくさんの背の高い無花果の木のおかげで太陽が遮られているので心なしか涼しい。そしていい香り。

少し進むと急に太陽がわたしを照らす。無花果の森を抜けるとうちわサボテンがわたしを迎えてくれる。サボテンの薄い緑色。はちみつ色した石造りの建物らしき残骸、その石と石の間からは草が生えている。何も知らなかったわたしは疑いもなく、こう思った。

ここは何かの遺跡ね!あとで調べよう。この地はどこを掘っても遺跡が出るし、放置されてるかもしれないけど。

そんなことを考えていた。今となっては無知な自分が恥ずかしい。荒れ果てていたのは遺跡が放置されていたのではなかった。

放置されている遺跡だとオメデタイ頭になっているわたしは、何か探検家にでもなったような気分で比較的足元が安全そうな建物の中に入って探索することにした。
石造りのたてものは室内を少しだけ冷やし体感温度で2度は低かった。薄暗いその中に入ると天井部分は大きな穴があり、壁には窓らしき穴がある。そしてスプレーで描かれた落書き。風が抜け汗ばんだからだはひやっとする。

窓から外を見るとわたしが降りてきた傾斜のその横はオリーブの森と他にも石造りの建物群があった。

遺跡にしては建物が沢山ありすぎるし復元したにしては荒れすぎている。

この不自然な気持ちは間違っていなかったのは帰国してわかることになる。





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