一大観光地エルサレムにあるスラム

もう一つのゲートを降りる。そこから左の細い道へと進む。普段見慣れない外国人であるわたしを見かけると4、5歳の子供たちが笑顔で駆け寄ってくる。カメラ・カメラと言っている。写真を撮って欲しいようだ。日本だと勝手によその子の写真を撮ると犯罪になりかねないのでDylaに聞いてみることにした。

わたし・写真撮ってもいいのかな?

Dyla・もちろんよ、撮ってあげて。

子供たちはそれぞれにモデルばりのポーズを決めファインダーに収まっていく。その姿をDylaは自分の孫でも見るかのように優しく微笑んで見守っている。

Dyla・ここはね、エルサレムのスラム街よ。この辺だと一番貧しい地域なの。だから、普通の観光客はここには来ないわ。

どうりで。雰囲気が少し違う感じがしていた。かといって、殺気があるわけでもない。空気が違うとしか言いようがないのだが何かが違っていた。他と比べて道にゴミが散乱しているわけでもなく、ただ少し他の通りより人が少なく、少しだけ明るさが足りないような場所だった。

子供たちは写真に撮られるのが楽しいらしく、辞めさせてくれない。写真を撮っては見せて見せてとせがんで、そしてまた撮って撮ってとせがんでくる。東南アジアでもそんな場面を経験したことを思い出す。

どの国でも子供は同じ遊びを飽きるまでし続ける。この写真撮影も遊びの一環で飽きるまでやり続けたいらしい。

するとDylaが子供達に”今日は十分撮ったでしょ?また今度ね。また今度遊びましょう”

そう言って切り上げ、先を急いだ。


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