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2021年7月の記事一覧

『スーパーノヴァ』を観て

二日続けて、カラスが蝉を捕食する瞬間に遭遇する。ワシワシした声が急に変調して、ジジジとなって消え去るのってひとつのホラーです。

映画『スーパーノヴァ』を観ました。コリン・ファースとスタンリー・トゥッチのカップルが愛の素晴らしさを音楽のように全身で奏でます。ときに激しく、優しく、哀しさをもって。愛する人のためにできることとは何なのでしょう。答えはなかなか出そうにないけれど、年を重ねたらまた観たいと

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『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て

『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て

親友を傷つけた昔の同級生を断罪し、復讐をする物語。元医大生で現在はカフェ店員の主人公をキャリー・マリガンが演じます。彼女といえば『わたしを離さないで』『未来を花束にして』といった社会性のある映画が印象深いところ。聞いたところによると脚本を吟味して出演作を選ぶことで知られているそうです。そうと聞いたらますます放っておけませんよね。

映画は最初から度肝を抜かれます。キャリー・マリガン演じるキャシーは

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7月某日

昨夜はジャーナリストの江川紹子さんとノンフィクションライターの石戸諭さんの対談を視聴した。短い休憩を挟んで3時間、ほぼぶっ通しの濃密な時間であった。ともに新聞記者出身であり、今の報道に憂いをもつお二人である。首相会見や数々の取材現場に置かれる記者の現状について、思うところを自由に言い合っていた。報道の現在地を少し垣間見れたように思う。

もっとも興味をひかれたのは、二人の意見が交差しなかったところ

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7月某日

運転免許証の更新に行く。1時間ほどの講習を受けた。運転は決して上手といえない身分なので、ありがたい。交通安全と一言ではいうが範囲は広い。講師は1時間という短い間に、最近の傾向から地域の特例、近年改定された道路交通法について、コンパクトに伝えてくださった。前のめりなほどに早口で、かつマスクをしているので語尾が聞き取りづらいのではあるが、重要性はひしひしと伝わってくる。間に10分の動画も挟みながら、な

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7月某日

子どもが2歳ぐらいの頃。先生との連絡ツールであるお帳面にこう書かれた。「靴を揃えていました。物を大切にする心が育ってきていますね」。保育士の先生のご指導をありがたく感じると同時に、生き物っていうのはそういう力を少しずつ身につけながら人間になっていくのかと感心した。物を大事にするのは人として基本でもある。よし、よし、ふふふと思ったものだ。
 
あれから数年。子どもの机は物であふれている。椅子の下にも

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7月某日

扇風機を買いました。デザイン性と機能性に優れたあのカッコいいの、と言いたいところだけど、予算の都合もあってそちらは泣く泣く見送りました。

あまりにも暑いので今晩使いたくて、家電店で買うことに。ピンキリな扇風機がずらーりと並んでおりました。両サイド2列が2つあったのでざっと40台はあったでしょう。どこがどう違うのか、素人目からするともう選ぶ基準が価格しかなくて、困っちゃって困っちゃって。

でもし

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7月某日

昨夜、布団に入ると子どもから「生まれてきたときどうだった?」と尋ねられた。産んだときの話だろうと思って、「えっとあのときはね_と伝えたのだけど聞きたかった質問はそうじゃなかったらしい。私が生まれたときどんな気持ちだったか?だそうだ。覚えているわけないんだけど、子どもって面白い。

就職活動中の友人がオンライン面接を初めて受けるというので、微力ながら少しだけ準備のお手伝いをしている。彼はズーム未体験

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7月某日

川沿いのいつもの散歩道を行くと、ちょっと前までたくさんの花をつけていたツツジがしょんぼりしていた。もうすぐ恵みの雨が来るだろうか。

新聞、週刊誌、月刊誌に発表された書評を再録し、本好きにとってはたまらないであろうサイト『ALL REVIEWS』(https://allreviews.jp)。実はこちらのメルマガの巻頭言を1年ほど前から書かせていただいている。現在は5人で週替りで、本にまつわる話な

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6月某日

梅雨という言葉を聞いてから随分経つけれど、雨らしい雨が降らない。田植えを終えたばかりの田んぼは大丈夫なのだろうか。大きめの入稿を終えて、ほっとひと息の今日、夕方の散歩が終わって自宅に帰ると玄関に、かたつむりのような形状で、うごめくも茶色の何かが転がっていた。虫博士の子どもの出番である。「たぶん、蝉。抜け殻に似てるもん」。地べたに転がっていたので、今土から出てきてこれから木に上るところなのだろうか、

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