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恋心が報われないときの行動はふたつにひとつ [王女未央]

人に恋心を寄せると、自分を好きになってほしいと思うのはごく自然なことだろう。
しかし、「両想いは奇跡だ」という言葉からわかるように、世の中の片想いがすべて叶うはずはない。
告白して玉砕、あるいは想いも伝えられずに結末を知ることもある。
そんな時、することは大体ふたつにひとつだ。
それを王女未央という中国ドラマで考えさせられたのだ。

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王女未央は、人気なドラマとまでは言えない。
ヒロインは復讐を誓っているはずなのに途中で目的忘れてるんじゃ…?ってくらいラブシーンが多め。
悪女のほうが演技が鳥肌が立つ。

(軽く悪女の恋心を紹介)
李常茹は傲慢な李長楽にいびられながらも長年想い続けてきた南安王の正妃になる事を夢見てなんとか耐えてる事ができた。
李長楽は高陽王と幼馴染みである事を理由に一方的な婚約者面をしている。しかし、何をしても想い人に振り向いてもらう事はなく、さらに未央が二人の心を掴み皇帝と太子妃にも認められるようになり、お互いの心情に変化が。

李常茹は二姐と日々呼んでいた未央に暗中刀を剥き自身を姉妹と見なす未央を裏切ってでも、南安王の婚約者を殺めて彼の子どもを身籠りいくら南安王にまで嫌われても自身の愛を貫き通そうとする。
李長楽は李常茹と手を組み高陽王に嫁ぎ次期皇后になるのと高陽王を手に入れるのと願望が叶ったことで気持ちが晴れたかと思いきゃ、未央の安否のために娶られたという事実を知り、高陽王への愛が恨みに変わる。

結局二人とも愛されずに死を迎えるが、どちらとも悪女にふさわしい最期ではなかった事からモヤモヤを感じた。

思えば二人と南安王は機能不全家族育ちだから健全な愛が分からなかっただけなのかもしれない。
李長楽は母方の後ろ盾があった事で何をしても父は看過することしかできず自身が都で一番の美女だという賞賛に溺れ逆に批判されると激しく動揺する心の脆さを見るに、父にもっと教育されてたらどんな女性に育ったんだろうか。

南安王も養母に厳しすぎる罰を与えられ父皇に寵愛されないがゆえ権力を欲するようになり、唯一未央の賢さと優しさが彼の心を暖め、彼女を手に入れるために皇帝になろうとする様子を見ると、温もりが欲しかっただけだと思った。

にしても李常茹がどのようにしてああいう残酷な人間になったのか理解できない。あの李長楽ですら人殺しは好きじゃないものだから、そう言ったら“李長楽と李常茹どっちのほうが悪女”討論に決着がつく。
***

もはやドラマ感想文だが(失敬)、報われない恋だと知ったあとの行動はこれでわかるだろう。

李長楽は自尊心を選び相手を恨み、
李常茹は相手を諦めきれず想い続けた。

どちらの道を選ぶかは人それぞれだが、
愛してるから、は
人を傷つけていい理由にはならない。




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