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天才のいない漫画

お疲れさまです。

「THIRD RATE」でデザインを担当しています、きにわです。


今回は、僕の大好きな漫画について書きたいと思います。


漫画の主人公って、

生まれながらして、特別な才能に恵まれていることがほとんどですよね。


父親が伝説の勇者だったり・・・

ずば抜けた運動神経があったり・・・

父親がホムンクルスだったり・・・

イケメンじゃないのにモテまくったり・・・

父親が火影だったり・・・

足がめちゃくちゃ速かったり・・・

父親が魔神だったり・・・


物語を進める上で、

主人公補正というものが備わっているものです。

じゃないと展開に行き詰まるし、当たり前だと思います。


しかし、

僕が大好きな漫画の中に天才が出てこない漫画が唯一あります。


それは、

「キャプテン」

作者:ちばあきお  による野球漫画です。

1972年2月号から1979年3月号まで『月刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されていました。


父がこの漫画が好きで、

物心ついた頃には、キャプテンが実家に全巻揃っていました。


今考えると、初めて読んだ漫画が「キャプテン」だったのかもしれません。


当時は、ANIMAXでアニメも放送していて、

キャプテンにどっぷりハマっていたのを覚えています。


影響されて野球も始めましたし、

一番好きな漫画を聞かれたときには、 「キャプテン」と答えるほどです。


なぜそんなに面白いのか?

天才がいないってどういうこと?成り立つの?


って思う方、いるかと思いますが、

簡単に物語を説明しますと・・・


魔球などの非現実的な技を活用する熱血野球漫画と違い、(ドカベンや巨人の星)※ちなみに大好きです!

欠点を持ち合わせた等身大のキャラクターが、

仲間と一緒に努力しながら成長していく過程を描くのが、芯としてあり、

あらすじだと、

野球の名門青葉学院から墨谷二中に転校してきた主人公・谷口タカオは、野球部へ入部するためにグラウンドを訪れ、練習に参加しようと青葉時代のユニフォームに着替えた。そのユニフォームに気付いた野球部員は、勝手に谷口を名門青葉のレギュラー選手だったと思いこんでしまう。しかし実際は、谷口は2軍の補欠でレギュラーにはほど遠い選手だった。そのことを気が弱くて言い出せない谷口は一度は諦めかけるが、大工を営む父の叱咤激励を受けて周囲の期待に応えるべく陰ですさまじい努力を続ける。やがてそれらを見抜いていた先代キャプテンに見込まれてキャプテンに選ばれるまでになり、試行錯誤しながらチームを引っ張っていく。

という物語になります。


等身大のキャラクターというのは、

墨谷二中は、県立の普通の中学生が集まる学校でして、

主人公の谷口を始め、みんな体格がよくありません。(下町で貧乏な家庭が多い)

あと、坊主です。全員。

野球部としては、当たり前なのかもしれませんが、漫画としては異形ですよね。なんせキャラクターが立ちません。

ドカベンこそ、山田太郎は坊主ですが、他のメンバーに坊主なんていませんし、星 飛雄馬でさえモサモサしてます。


そんな谷口タカオが、

努力に努力を重ねて、チームを引っ張り、全国大会へとチームを導くサクセスストーリーなのですが、

いや、サクセスストーリーなんて美しいモノではなく、泥臭い血と汗が入り混じった結晶の欠片といった感じですね。


ちばあきお先生は、

ここまで普遍的な物語をなぜこんなに面白くできるのか、

なぜ特長のない登場人物に魅かれるのか、

このチームで全国大会に出れるくらい強くなれたのは、なぜなのか、


「キャプテン」

少しでも興味を持ってくれたら、嬉しいです。



いま改めて、読んでみて思うのは、



この漫画で唯一の天才は、

ちばあきお先生だったのかもしれません。。。










ちばあきお先生は、

キャプテンの続編、「プレイボール」を完結させることなく、亡くなってしまったのですが、


『グランドジャンプ』2017年9号より、コージィ城倉によって『プレイボール2』の連載が開始されました。

ちばあきお原案の続編として絵柄を踏襲し、本編最終回からの続きを描いています。


よかったら、グランドジャンプ、手に取ってみてください!











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