オワリはじまり24 「認知症介護の経験を通して視点が変わった1つの歌と1つの番組の存在」

11月29日の午後、僕は業務の一環で社用車に乗っていた。
僕は仕事がある日は必ず9時台と3時台の2回社用車を運転している。

僕が働き始めてからずっと社用車では同じ電波数のラジオがかかっており、いつも同じラジオ番組が流れている。午後の運転時にはいつもその週にリクエスト用に時代問わず人気歌手(グループ)が選ばれ、1日2曲ほどリクエストソングが流れている。

今週に関しては、熱狂的ファンとまではいかないものの、何曲かお気に入りの歌がありスマホの音楽再生アプリにダウンロードしている人気男性歌手がリクエスト対象である。ちなみに今日流れたリクエスト曲の1つが、タイトルにある視点が変わった歌である。

その歌の歌詞を要約すると、以下の感じである。

老人が若者に話しかけ「残りの寿命を買い取りたい」と言った。
その老人は若者から買い取った寿命でたくさんやりたいことがあり、人生をやり直したいとのこと。若者は提示された金額と自分の人生の価値(恋愛や友情)を比較した結果、自分に残された命や時間の価値はプライスレス(値段がつけられない)と気づき、老人からの要求を断る。

きっと僕と同世代の人や学生なら、この要約で誰の何の歌かわかると思う。
それほどこの歌は有名かつ人気のある歌である。

正直書くと、僕はその歌のことが嫌いだった。
この歌のことを初めて知ったのは、まだ僕が祖母の介護をしているだった。
音楽を聴くのが好きで、どちらかというと曲のテンポよりも歌詞を重視している僕は、介護が原因で私生活が全てうまく行ってなく、とにかく疲れていた。

そこでインターネットで「元気が出る歌」みたいな感じで調べ、とあるサイトの上位にこの歌の名前があったので聞いてみたが、歌詞が全く響かなかった。

僕が初めてこの歌を聴いた時に抱いた感想は、

「何が『今生きている時間は〇〇億以上の価値がある』だ!俺がその若者だったら、寿命と引き換えにお金をもらうわ。」

「全然響かないわ。なんか人生を美化している気がする。」

「今介護で生活が無茶苦茶なのに介護は無給なんだぞ!自分が強制的に無給でやってるこの介護の時間=プライスレスだと?馬鹿らしい。」

など、酷いものであった。
僕はその後もその歌をショッピングセンターなどでも聴くことがあったが、その都度同じ感想を抱いていた。

ちなみにネットでこの歌の歌詞の批評を調べたことがあったが、そこに書いてあった批評は僕が抱いていたものと同じようなものだった。

しかし、現在の僕は違う。
今この記事を書いている時も、勉強をしている時も、僕はこの歌を聴きながら作業をしている。理由は自身の将来に何かいい影響と信じ1日、1週間、1ヶ月と日々充実した生活を歩んでいるからこそ、この歌の歌詞が響いているんだと思う。

これまでの人生で音楽をたくさん聴いてきたが、ここまで歌詞の意味が変わる経験はこれまでしたことがない。

思った以上に記事が長くなってしまった。
タイトルにある番組については後日改めて書こうと思う。




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