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全てが水の泡?

日本の受験は世界でもかなり有名。
アニメのお陰もあって塾(juku)といった単語も通じるようになってきた。
ただ今でも英語ではcram schoolというのが一般的。
直訳は、詰め込み学校だね。

学校に行った後、塾でまた勉強をする。
日本だったり韓国や中国ではそういった受験勉強が普通とされる。

最近ノルウェーの友達に言われてショックだったことがある。
「そんなに勉強しても結局行きつくところは一緒でしょ?」といった言葉だった。
うーん返す言葉が見つからなかった。

確かに東大に行ったからと言って、就活で特段大きなメリットがあったかというと僕は分からない
それは僕が知らず知らずのうちに恩恵にあやかっているからなのかな?

ノルウェーの受験システムは結構簡単。
日本でいうAO入試だったり、指定校推薦に近い。
学校の成績がそのまま大学の振り分けに使われる。
ノルウェーに限らずこういった入試形態を採択している大学は多かったりする。

ノルウェー人って結構ぬるい
競争社会とは程遠い。
生徒も教授も定時に帰るし、言ってしまえば刺激があまりない。
平日はそれなりに頑張って週末は実家に帰る。
大きな変化は少ないし、なんだか平凡な毎日。
そんなイメージ。

別にネガティブキャンペーンって訳じゃない。
お陰で自分も思う存分羽を伸ばせている。
けれど、そんなぬるま湯に浸かった人間に、僕や僕の周りの努力を嘲笑われたような気がして腹が立った。

というか、その言葉を言われてから今もずっと腹が立っている。
それはきっと自分の努力って国が変わればそこまで求められるものじゃなかったのかもしれないと思ってしまったから。
彼の言った言葉に反論できなかったから。

日本という競争社会で生き抜いていくために、入試という競争がある。
ノルウェーはきっと逆。
競争社会じゃないから、別に入試でもそこまでの努力を求められない。
その努力が必要ない。

いや確かに、勉強したら行きつくところは違うのかもしれない。
でもそれって日本の中だけの話
ぬるっと生きてきたノルウェー人と、競争社会に身を投じてきた日本人が最終的に同じような賃金に行きつくのでは?
寧ろ、幸福度の高いノルウェー人のことだ、日本人よりも幸せを感じるんだろう。知らんけど。

受験に膨大な時間を割いて、努力をしてきたはずなのに、国が違えばそれは要求されない。
何のために頑張ったのかよく分からなくなってしまった。
一年浪人したんだけどなぁ。
最近、自分が頑張れないのってここにあるんだと今日ようやく気付いた。

きっとノルウェー人も自分の見てないところで勉強をしてたんだと思う。
してるんだろうね、多分。
そう思い込みたくて昨日は筆を執った。
だけど彼らのぬるい性格を見ていると、僕ほどのプレッシャーの中で勉強をしていたような気がどうしてもしない。
そんなプレッシャーで勉強することが異常なのか?

分からない。
自分が大事にしてきたもの。
当たり前だと思っていたもの。
自信があったもの。
それをたった一言で「無駄だったね」と一笑に付された気がする。

「日本人は自分で頭を使わない。」
これは世界の日本人への見方だ。
自分で思考することを放棄し、ルールに則っていれさえすればいい。
彼らはそう本気で日本人を見ている。

放課後の教育をCramされるように、ルールをただ詰め込んでいるだけ。
都心デパートの駐車場にある回転灯と、本来必要のない誘導員。
回転灯とアラーム音だけでいいじゃないか。
コロナが終わってもマスクを外さない。
なんならコロナ中、一人でいるときでも外さない。
日本人は思考しない人間だと本気で思われている。

こんなふざけたイメージが日本にはついている。
電車内で静かにしてるのも多分そう映ってるんだろう。
僕はそれが腹立たしく悲しい。

同時に、今まで受験戦争に身を置いてきた自分も結局は思考してなかったからなのかな、と思わされた。
日本が居心地が良かったから日本の大学を受けると決めた。
でも海外大の選択肢をもっと深刻に考えてもよかったんじゃないのか。

受験で学んだことは多かった。
自分の性格だったりとか、好みだったりとか。
興味を学んだのも受験だった。
あのしんどさがあったからこれから何があっても大丈夫と思えたのも事実。

だけどあのしんどさも、これから来るしんどさも、日本じゃなかったら無かったのかな?
そんなに頑張らず自分のできるボチボチを繰り返して、高望みもせず、平凡な毎日を繰り返していく。
僕がノルウェー人を”ぬるい”と切り捨てたのは、日本という環境で生活していたからなのか。

今まで生きてきて自分が幸せであることを信じて疑わなかった。
努力もしてきたし、満足のいく成果も得られてきた。

ただそれは全て”日本という環境”から見た幻影だったのかもしれない。
自分にとって何が本当の幸せなのか。
それを根本から問われている。
このぐっちゃぐちゃの感情と思考を得られただけでも留学生活は大金星なんだろう。

怒りと哀しみとやるせなさ、そういった感情が僕の中で渦巻く。


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