ワガママを加速させる教員は要らない

子供に指導する際には、その指導について子供を納得させなければならないとされている。
なぜ指導されたのか、
なぜ指導された通りに行動を変えないならないのか、
子供が納得しなければ、その指導は良い指導とは言えない。

しかし、これは本当にそうだろうか。

そもそも、子供が納得しているという状態はどういう状態だろうか。
整理整頓についての指導を例に考えてみる。

子どもの中には、整理整頓について指導の必要な子とそうでない子がいる。
指導の必要がない子とは、日頃から身の回りの整理整頓ができている子である。
では、すでに日頃から整理整頓ができている子はなぜそれができているのだろう。

それは、整理整頓することが自分にとってメリットがあると認識しているからだ。
であれば、その子どもたちが考えるメリットとはなんだろう。

物の出し入れがしやすい。
物を紛失しなくなる。
清潔に気持ちよく生活ができる。

このような、整理整頓の本来の効果をメリットとして考えているだろうか。
そういう子もいるかもしれないが
ほとんどの子供はこのように考えている、

整理整頓していないと怒られる。
整理整頓ができないと周囲の人から軽蔑される。
整理整頓ができると褒められる。
整理整頓ができると周囲の人から好感をもたれる。

つまり、整理整頓の効果より、整理整頓することによる周囲からの評価のが大切であるということだ。
これは子供だけでなく大人のほとんどもそうなのではないだろうか。
これが実態である。

このことを踏まえて、整理整頓について指導が必要な子について考える。

整理整頓をしない子どもは、その行動にも周囲からの評価にも価値を感じない程に、社会性も知能も低い状態である。

だから、根本的な解決方法は、社会性を高めること又は知能を高めることであり、その行動のメリットを伝えることではない。

メリットを感じられるだけの社会性や知能が足りていないのだから仕方がないのである。

3歳児に対して、その行動の意味を納得するまで説明することはないであろう。

だから、幼児並みの社会性や知能の人間に対しては強制的にその行動を強いる他ないのだ。

時間をかけてそのような子の話を聞いたり、懇々と指導の意図を説明することは効果的ではない。

それはその子に寄り添っているとは言えない。

むしろ、そのように時間をかけて指導することで、その子は「ワガママに振る舞うこと」を成功体験としてインプットし、その後も自分の気に入らないことが起きる度に周囲の大人を振り回すようになる。

今回は整理整頓を例として挙げたが、このことはそれ以外の問題行動に対する指導の全てに言えることだ。

しかし、昨今の教育現場では、このような説明し過ぎる教員たちによって、多様性という名のワガママをエスカレートさせている。

テンプレ的指導ではなく、一人一人の能力をしっかり把握して、指導にあたっていただきたい。

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