報告の多い教員は要らない

社会人になると、初めに必ずと言っていいほど
「報告、連絡、相談(ホウ、レン、ソウ)が大事だ」と言われる。
組織の一員として、報告、連絡、相談はとても大切であることは言うまでもない。

しかし、この3つは等しく価値のあるものだろうか。
これについて教えてくれる人は少ない。

なぜなら、この3つが大切だと言う人間の多くは
報告と連絡と相談の違いを理解していないからだ。
おそらく「大事なことはちゃんと報告してくれよ!」
ぐらいの感じで言っているのではないだろうか。

この三つの違いを簡単に説明するならば、
報告は過去のことについての話、
連絡は現在のことについての話、
相談は未来のことについての話である。

そして、この三つの中のどれが一番大切かを考えて欲しい。
どれが1番大切かというのは、
教育活動において、教員たちはどれに1番時間を投入すべきかということである。

これは学校に限った話ではないのかもしれないが、学校には報告に膨大な時間をかけている人が多い。

学級で何か問題が起きた場合
学年主任に報告し、管理職に報告し、保護者に報告し、職員会議で報告し、書面で報告し、
と何度も何度も同じ内容を話さなければならない。

報告が大切なのは間違いないが、
これでは問題が起きる度に疲弊してしまう。

さらに、この報告はリスクヘッジのためだけであって、ほとんど現場にとってはさほど意味のない場合が多い。
はっきり言って、他のクラスでどんな問題が起きていようが他人ごとであり、報告を聞いても報告書を読んでも、「大変だね〜」ぐらいなものだ。

学校ではこのようなコスパの悪い時間の使い方を半ば強制している。
働くのが嫌になって当然だ。

だから必ずこの『報告•連絡•相談』に使う時間の比重を決め、組織全体で意識を統一しておく必要があるのだ。

そして、もっと相談することに時間を割くべきなのである。
もっと未来のことについて意見を交わし、討論していかなければならないのだ。

この何十年間、日本の教育が変わらないことの原因はここにあるのではないだろうか。

リスクヘッジや外観を整えるためのくだらない業務に翻弄されて、教育や子どもたちの未来について考える時間がなくなってしまったのだ。

さらに言えば、最近では寧ろ教員は相談を避けているようにすら感じる。

理由はおそらく時間がないということだけでなく、
相談してもベテランから潰される。
相談しても反対されたら気分が悪い。
とかそんな所だろう。

だが、そんなことを言っている場合ではない。
新しい考えをどんどんぶつけ合って
新しい道を見つけなければ、
日本の教育は変わることはない。

そのことに沢山の時間を費やすべきだ。

行政に任せたふりをして諦めるのはもうやめて、教員一人ひとりが当事者として行動を変えていかなければならないのだ。

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