後輩に無関心になる教員は要らない

学校という現場は、とても厳しい現場である。
それは単純に業務内容についてだけではない。

昨今では周知の事実であるが、学校の仕事は激務であることが多く
教員は疲弊しきっていて、余裕の全くない教員がほとんどだ。
そんな中、目の前に現れた新規採用教員や
2・3年目の後輩教員に対する扱いは非常に厳しい。

まず先輩教員は、後輩教員に対して期待した素振りをする。
これはあくまで素振りだけで、内心は「足手まとい」と思っている。
期待は素振りだけですので、丁寧に業務を教えることはなく
質問されない限りは最低限の指示をするのみである。

慣れない仕事への不安だけでなく、
このような「このくらいできて当たり前」的なプレッシャーの中で、
普通の精神力の教員はミスを連発する。
(精神力の弱い教員でなく、普通の精神力をもった教員です。)

何度か、先輩教員の期待を裏切ると
その先輩教員は、その新規採用教員には期待しなくなる。
そして、期待しなくなると同時に、一番恐ろしい「無関心」になるのだ。
これは教員だけに関わらないであろうが
この「期待しない」と「無関心」とに同時になってしまうことが問題だ。

先輩教員がこのような状態に陥ると
引き続き最低限の指示はするのだが、その後輩が何をしていても
注意したり、助言したりすることはなくなる。
そして、大きめのミスをした時だけ
「それみたことか」という雰囲気で後始末だけする。

ここまでくると、もう後輩教員は先輩教員に怯えながら
毎日、ミスをしないことを目的として仕事をするようになり
もはや1ミリも子どものことを考えている余裕はない
子どものことを考えられなければ、また問題が起きて
先輩の手をわずらわせるという
負のスパイラルに陥り、精神を病んで
病気休暇に入るか、退職することになる。

これは少し極端な例かもしれないが、
実際に、この「期待しない」と「無関心」とに同時になることは
よくあるのではないでしょうか。

私は、後輩に対して過度な期待はしないようにしている。
期待はプレッシャーになることが多いからだ。
しかし、けして無関心になることはない。
どんな授業をしていても
どんな学級経営をしていても
注意する前に、その人が何がしたいのか
その人の気持ちを聞いてあげるようにしている。

ああしよう、こうしようと期待するのではなく
どうしたい?なにしたい?と関心だけ向けてあげれば
後輩との関係が最悪になるケースはまずないし
後輩も、何か困った時には相談してくれるようになる。

だが、今の学校現場には、このような心に余裕のある教員は少ない。

教員のなり手不足の原因は、
教員の激務だけが原因ではなく
先輩教員の排他的な雰囲気も原因だと感じる。
教育実習や講師、産休代替教員など、
将来教員になることを志して現場に入って来ても
このような雰囲気にやられてしまう。

現場の教員は、組織の一員として自覚をもち
後輩に対しても、建設的な考えの基に接していってほしいものである。



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