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恋人はやっぱりめんどくさいらしい。

生理前周期の状況を把握しているのは私だけ、私のスケジュール帳には、先月の生理前症状を記録して今月に備えられるようにしている。

いつスイッチが入るのかまでは、わからないけど。


金曜日の21:30
恋人からの着信に気づき折り返す。

その日は19時退勤で夕飯を済ませお風呂を済ませ、ここから自分の時間を過ごすタイミングで、恋人からの着信だった。

これから私の家に来ることになった恋人。
私は恋人用のバスタオルがないことに気づき、待っている間に洗濯機を回し始めた。
そして洗濯も終わり、コインランドリーに行きたかったが一向に恋人が来ない。
電話を終えて30分以上経っているが音沙汰がない。(恋人の家から私の家まで徒歩10分ちょい)

この時点で私の生理前症状は沸々と湧き上がり始めていた。
恋人のための掃除・洗濯を済ませ準備していた私の労力が独りよがりで自己満足で求められていないことを先走ってしちゃったような、そんなこと誰も望んでいないよみたいに言われているような、時間をただ浪費しただけに思えて怒りの感情が湧き上がってきた。

こういうときはネガを引き寄せる。

待っても来ないので、1人でコインランドリーに行こうとするが小銭がない。千円札もなかった。この些細な不運さえも悲観的な要素になる。
残念な気持ちでマンションを出ようとしたら、インターホンの前に恋人。

恋人に小銭があるか聞く(大体いつもあるから)
だが、その日に限って財布なしの携帯オンリー。

この些細なずれが私の沸々していた感情をさらに高めてしまう。
繕えていなかったらしい不機嫌さを抑えつつ、コインランドリーへ。
恋人に洗濯物を見てもらい、私は両替のためコンビニへ。

コンビニから戻ると恋人が「お腹痛い、トイレ行ってくる」とコンビニへ。
LINEをみると2件の着信。相当痛かったらしい。
ただ、彼がお腹を壊すことは日常茶飯事だったこともあり、その時の私は「このタイミングで??怒」という、心配よりも怒りの方が勝っていた。

全てのタイミングが合わないことに私の感情は限界だった。

部屋に戻り恋人に「次からいつ着くか言ってほしい」とお願いし了承してもらえたけど拭えない不機嫌を恋人は察知しているので「怒ってるの?」と聞いてくる。

私の時間に対する価値観と
恋人の時間に対する価値観が
お互いが思っている以上に大きいことに気づく。

その後話し合って行く中で、お互いのずれを認識してお互いの言葉不足があったことにお互いが謝罪した。形式的には仲直りである。

話し合いの中で、恋人は

「仕事から疲れて帰ってきて彼女に会いたいと思って会いに行ったら不機嫌だった時のストレスはすごい、仕事で疲れているのに不機嫌にものを言われるとめんどくさいと思ってしまうからごめんって言って早く終わらせたくなる」

「まる。は案外何も言わないじゃん。黙っているからこっちがどうしたの?ってきかないといけない、何か言いたいことあるなら前置きがあってほしい」

「『ちょっと悲しいことがあったんだよね』から始めるとか、そしたら俺も聞く体制になるから前置き大事だと思う。」


というようなことを言っていた。

仕事に疲れているのは一緒のはずなので、そこもモヤッとするけど。
恋人は自分の時間を過ごしてから家に来ているわけで、私はそうじゃない点にも自分都合で動いていないか?って思うけど。どう?

みんなはどんな会話をするのだろう。

沸々と湧き上がる感情の中で前置きを置いて言えるか?
黙っているのは言葉を探しているから、できるだけ罵倒な言葉ではなく話し合いの言葉になるように感情を抑えているから。言葉を考えているから黙ってしまう。
会った時に不機嫌なのがストレスなのは申し訳ないとは思う。
ただ会うまでの過程の中で不機嫌にしたのよ、あなたが。とも思う。

感情のままに言葉をのせると、きっと言わなくていいことも言ってしまうってわかっているから。
「なんでできないの?」
「前も言ったじゃん」
「自分の都合ばっかりじゃない?」
なんて言葉、言いたくないし言わない方がいいってわかる。
ただ、沸々とした感情の時は口走って出てしまうから、抑えるように黙って言葉を探して絞り出して「次からいつ着くか言ってほしい」「教えてくれたら嬉しい」という言葉に変換できるの。

前置きを置いて言えるの、世は。
生理前の感情ブレブレ期に前置きを置いて精神を安定させられる女性が存在するの?
すごい。本当に。そんな女性がいるなら、どれだけ頑張ったんだろうか。
自分の自我が強すぎるあまりに自分を縛って身動きが取れない。

自分の願望と感情がリンクせず、ただ締め付けられる心の痛みに耐えないといけない。

生理前の闇に抗える術を、私はまだ身につけられていない。
生活習慣も婦人科もメンタル本も役に立たない。それだけやっているのに治らない生理前症状を、頑張りが報われない辛さに変換されてしまう。

頑張れば頑張るだけ、「頑張ったのに」を生んで報われない辛さの要素になる。


人の期待に応えられないことが、何よりも悲しみを生む。


残念がる人の表情を見たくない。
がっかりされることが恐怖なのだろうな。
人の表情を見て怯えるのは幼少期のままで、私が私にがっかりする。

もう生理前は何を考えてもネガに引っ張られる。
私の理想は一瞬で壊されて狂っていくこの時が、たまらなく苦痛である。

毎月ある闘いに、本当によく耐えている。
本当によく人生を手放さず生きている。

何も考えないなんてできない。
考えてしまう周期だから。抗うほどそいつは強くなる。
抗うほど私を縛るものは一層強く私を縛り上げる。


解決しない、解決しようがない。
いつになれば、私は私の人生を肯定できるだろうか。
根本的な私への肯定欠如が、私の闇の根源だろうか。




土曜日。

外は晴れている。

夕方から恋人との時間。

いつまでフィルターがかかり続けるだろうか。


ひとりぼっちになっても、そんな私を愛そう。


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