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キリストの裁判

よう強く頼んだ。 祭司たちはしばらくの間、いらだちと混乱で無言になった。 「イエスの弟子」と自称していた人を雇い、イエスを裏切ってもらった事を群集に知られたくなかった。 イエスを泥棒のように、ひそかに捕らえた事を隠したかった。 しかし、ユダの告白と有罪そうなやつれた顔によって、イエスを捕らえたのは彼らの憎しみからくるものであった事が暴かれた。 ユダが大きな声でイエスの無罪を訴えると、祭司たちは答えた、「それは、我々の知ったことか。 自分で始末するがよい」。 彼らはイエスを手中に収めていたので、その身柄を確保する決意を固めた。 心の苦しみに押しつぶされたユダは、今や憎くなってしまったお金を雇ってくれた人たちの足元に投げつけ、罪の重大さや恐ろしさのあまり出て行って、首をつってしまった。

群集の中には多くの人がイエスを支持していた。 いろいろ問われたが、イエスは何も答えなかったので皆が驚き怪しんだ。 侮辱やあざけりに対して、その表情に不機嫌そうなところはまったく無く、しかめ面もなかった。 イエスは威厳のある姿を保ち、落ち着いていた。 その様子は高貴で、完璧だった。 観衆は不思議そうにイエスを見つめた。 その断固たる高貴で、完璧な様子は、裁判にあたっている支配者たちと比べると、イエスの方が王様らしく、国を託すのにふさわしい者ではないかと互いに言い合っていた。 イエスの人相には犯罪者らしい特徴がなかった。 イエスの目は優しく、澄んで、大胆不敵で、そして額は広くて高い。 慈悲と高潔さが深く彼の容貌に刻まれていた。 イエスの忍耐力と辛抱強さはあまりにも人間を超えていたものなので、多くの人は震え上がった。 領主ヘロデと総督ピラトでさえ、イエスの高貴な神様らしい様子に大いに悩まされた。

ピラトは、最初からイエスは並の人間ではなく、優秀であると確信し、イエスがまったく無罪だと信じていた。 その光景を目撃していた天使たちはピラトがイエスに対して同情や哀れみの心を確信している事に気づき、イエスを十字架に付けるひどい行為の責任から救うためにひとりの天使がピラトの妻へ送られた。 そして夢を通して、ピラトが今裁いている者は神様の息子で、無罪の被害者である事を彼女に教えた。 彼女が直ちに夫の元へ使いをやって、「夢で、イエスのためにひどい目に遭ったからその聖なる方とかかわらないで下さい」と注意した。 その使いは急いで群集をかき分け、妻が書いたものをピラトに渡した。 ピラトはそれを読むと震え上がり、真っ青になってきた。 そしてすぐにこの件とかかわらず、群集がイエスの血を求めても自分は関与しないで、イエスを救い出す事に努力すると決めた。

ヘロデがエルサレムにいると聞いてたピラトは喜んで、イエスの判決と無関係になり、この嫌な件から一切手を切ろうとした。 そこで、イエスを原告側の人たちと一緒にヘロデのもとに送った。 ヘロデは冷酷な人となっていた。 ヨハネを殺害した事によって自分自身では消さない傷が良心に残った。 イエスの事とその素晴らしい活動ぶりを聞いたヘロデは、「ヨハネがよみがえったのではないか」と思った。 やましい心があったから恐怖で震え上がった。 イエスはピラトからヘロデの手に引き渡された。 ピラトがそうしたのでヘロデは自分の権力、威力や判断力が認められたと思った。 その時までこの二人は敵だったが、その場で仲直りをした。 ヘロデは、イエスが何か大きな奇跡を起こして、喜ばせてくれると期待していたのでイエスを見た時喜んだ。 でも好奇心を満足させるのはイエスの仕事ではなかった。 人を救うために持っている神性な力や奇跡的な力を使っても良いが、自分のために使うべきではない。

ヘロデの質問攻めに対してイエスは何も答えなかったし、敵に激しく告発されても気にしなかった。 イエスがヘロデの威力を恐れそうもなかったのでヘロデは自分の兵士たちと一緒に神様の息子をあざけったり、バカにしたり、虐待したりした。 恥をかかされても、虐待されても、イエスは高貴な神様らしい様子を保っていたのでヘロデは驚いて、判決を下すのを恐れ、イエスをピラトのもとに返した。

サタンと彼の天使たちはピラトを誘惑して、彼を自分の破滅に引き入れようとした。 ピラトに、「イエスの判決から手を引いたとしても他の人がやるし、群集はイエスの血を渇望している。 そしてイエスを十字架に掛けるように命じなければ、権力と世の名誉を失い、詐欺師と言われている人の信者と名づけられ、非難されるに違いない」とほのめかした。 それで自分の権力と威力を失うのを恐れたピラトは、イエスの死を承諾した。 イエスの血の責任を告発側に負わせ、その群集がそれを受け、「その血の責任は、我々と我々の子孫の上にかかってもよい」と言ってたが、ピラトには責任があった。 キリストの血の責任を。 彼はこの世の偉い人々からの名誉に対する欲と私利私欲のため、無罪の者を死に引き渡した。 もしピラトが持っていた確信に従っていたら、イエスの有罪判決にかかわる事はしなかった。

イエスの裁判と有罪判決によって多くの人は考えさせられた。 そしてその場で作られた印象は、イエスが復活してから現れるようになる。 後に教会に加わる多くの人の経験はイエスの裁判で始まり、確信がそこで芽生えた。

サタンは祭司長たちをうまく利用して、イエスを虐待した。 でもあれほど虐待されても、イエスは少しも不平をつぶやかなかったので、サタンが激怒した。 イエスが人間の性質を取ったが、神様らしい力と不屈の精神で支えられ、父なる神様の意思に全然反しなかった事を私は見た。

マタイ26:57-75、27:1-31、マルコ14:53-72、15:1-20、ルカ22:47-71、23:1-25、ヨハネ18章、19:1-16を参照

第8章 キリストの裁判 質問

136.どうして天使たちは冠を脱いだんですか。


137.裁判所の空気はサタンと彼の天使たちによってどうなったんですか。


138.救いの計画が失敗に終わるのがサタンの狙いだった。 それを達成するため、イエスに二つの誘惑をかけた。 その二つの誘惑とは?


第二段落

139.ペテロはなぜイエスの事を「知らない」と言ったんですか。


140.イエスの視線を受けたペテロは何(二つの事)をしたんですか。


第三段落

141. (質問102番を参照) イエスをバカにしたり、残酷に扱ったりした五つの事をリスト・アップして下さい。


第四段落

142.イエスを救い出すにはいくつの天使が必要だったんですか。 どんな天使でさえ?


第五段落

143.イエスが更に二つの卑劣な虐待を受けた。 それはどんな事だったんですか。


144.掛けられたつばをイエスはどうしたんですか。


第六段落

145.弟子たちがイエスに期待した三つの事とは何ですか。


146.前、二つの出来事で弟子たちの信仰が強くなってきた。 その二つの出来事とは?


147.弟子たちはイエスに対して何を望んでいたんですか。


第七段落

148.(七章のボーナス質問を参照) ユダがイエスより愛したものは何ですか。


149.自分の率いた群集に対してイエスが何をするとユダは思っていたんですか。


150.ユダの告白で何が暴かれたんですか。


第八段落

151.群集の中にイエスを支持した人が居ましたか。


152.イエスの様子と裁判にあたっていた支配者たちの様子とを比べて下さい。


第九段落

153.天使がピラトの妻のところに送られた理由は何ですか。


154.夢を見てから妻は直ちに何をしたんですか。


第十段落

155.ヘロデはイエスの事を誰だと思っていたんですか。 それは、なぜ?


156.ピラトとヘロデはどうやって仲直りしたんですか。


157.自分の神性な力をイエスは誰のために使ってもいいんですか。


第十一段落

158.イエスはヘロデや告発側に何を答えましたか。


第十二段落

159.サタンと彼の天使たちはピラトを誘惑した。 この場でほのめかした二つの誘惑とは?


160.どうしてピラトは無罪の者を死に引き渡したんですか。


第十三段落

161.イエスの裁判の場で作られた印象は後でどうなったんですか。


第十四段落

162.イエスが人間の性質を取ったが、神様の意思にどれぐらい反しましたか。


ボーナス質問: イエスにとって自分の神性な力を使って、「クラエッ!」と悪いやつらを罰して、自分を救い出すという誘惑は大きいと思う?

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