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謎の労働運動家・藤井悌の没年について―次世代デジタルライブラリーを活用する

 以下の記事で紹介したように、次世代デジタルライブラリーを調べていると自分の予想外の資料がヒットすることがあるが、以前拙noteでも紹介したことのある謎の労働運動家・藤井悌に関しても私の知らなかった情報を発見した。

藤井の没年は、Web NDL Authoritiesによると、出典が読売新聞で1931年になっているが、ヨミダスパーソナルで検索してもヒットしなかったため、正しいかどうか疑問に思っていた。次世代デジタルライブラリーで藤井のことを調べていたところ、『昭和六年内外重要日表』(年史刊行会、1932年)に藤井の没年に関して記載されていることを発見した。この本によれば、1931年4月9日に「藤井悌協調会理事長電車にはね飛ばされて重傷」となり、翌実の4月10日に享年48歳で亡くなったようだ。ここからWeb NDL Authoritiesの情報は正しいと分かる。藤井の亡くなった年齢も分かったので、没年から逆算すると藤井の生年は1882年もしくは1883年となる。藤井が東京帝国大学を卒業したのは以下の記事で紹介したように1912年に卒業しているが、卒業時の年齢は29歳もしくは30歳であるので、ストレートに東大に進学したわけではないことが分かるだろう。



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