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『柳田國男全集』の年譜のスキマ⑤―『断腸亭日乗』永井荷風に登場する柳田国男

 前回このシリーズを更新したのが1年以上前のようなので間が大分空いていまった。『柳田國男全集 別巻1 年譜』(筑摩書房、2019年)は様々な資料から柳田国男の生涯を日ごとに記載した労作であるが、この年譜に載っていない情報もある。今回は永井荷風の日記『断腸亭日乗』(『荷風全集第二十一巻』(岩波書店、1993年)収録の「断腸亭日乗一」(1917~1926年)を参照)に登場する柳田を紹介したい。

大正14年(1925年)7月2日の条を以下に引用する。

七月二日。松莚子抱一が花街十二ヶ月書画帖を獲たれば、見に来よと電話にて招かる。大伍三一の二子も亦前後して来る。一同かれいの煮肴冷やつこにて昼餉の馳走になる。松莚子直助権兵衛の役夕五時頃より出場との事なり。共に木挽町に徃き七時頃独風月堂に至る。偶然柳田国男氏の来るに会ふ。(後略)

風月堂という場所で永井は柳田にたまたま会ったようである。Webで少し調べてみたところ風月堂は洋食店であると思われるが、柳田がどのような目的で風月堂で食事をしていたのかが気になるところである。

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