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昭和前期のオカルト雑誌?『神乃日本』に投稿する謎の心霊主義者たち

 最近、私の毎月の楽しみのひとつとなっているのが、出版社・皓星社こうせいしゃのメールマガジンである。このメルマガは連載企画もおもしろいが、雑誌記事索引集成データベース「ざっさくプラス」の毎月の更新情報もお知らせしてくれる。ざっさくプラスの更新情報はTwitterでも配信されているが、見逃してしまうことの多い私にとってメルマガでの通知は助かっている。

 本題に入るが、8月にざっさくプラスに『神乃日本』創刊號(昭和12年11月)~2巻1號(昭和13年2月)、『神日本』第2巻第2號(昭和13年3月)〜第5巻第12號(昭和16年12月)が登載されたことを知った。(2巻3号・2巻4号は欠)両者とも八幡書店から復刻版が出ており、そこから登載したようだ。

 皓星社のメルマガにも「神乃日本社の右翼…というよりは神代文字・神霊現象・言霊学・ムー大陸など神代史研究誌」とあるように、これらの雑誌は雑誌名から判断すると国家主義的であるが、一方で現在で言うところのオカルト的な要素も強いものであった。そのため、以前からこれらの雑誌を読んでみたいと思っていたが、ざっさくプラスで目次だけだが閲覧できるようになった。特に知りたいと思っていたのは、以下の記事で紹介した本に登場する謎の人物たちが『神乃日本』、『神日本』に投稿していたかどうかということである。

 調べてみると、いくつかの雑誌で嘘か誠かよく分からないアフリカ冒険譚を語る倉田觀齋が「音響波及活斷法の紹介」(『神乃日本』創刊号)、「靈が運んだ縞の財布」(『神日本』第2巻  第7号)を投稿、春日興恩が両雑誌に多く投稿していることが分かった。春日は、日本音性專攻や日本音性學會會長などと紹介されている。言語の研究者であったのだろうか?神保町のオタさんの以下の記事によると、春日は『神乃日本』の評議員もつとめている。倉田も春日もトンデモない人物であったのかもしれない。


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