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趣味人・伊藤喜久男の『郷土風景』書誌ー伊藤も在籍していた郷土風景社

 以下の記事で紹介した久米龍川(谷川要史)の発行していた『郷土風景』(『郷土藝術』)には多くの趣味人、蒐集家が投稿している。趣味人・伊藤喜久男もこの雑誌の投稿者の一人であったが、以下に私が確認できた範囲で伊藤の書誌を紹介しておきたい。伊藤の仕事は串間努編『旅と趣味』第6号(2011年)で詳しく紹介されているが、『郷土風景』に投稿していたということは記載されていなかったので、何かの参考になるかもしれない。

七月の旅(海水浴案内 其の一) 第1巻 7月号(1932年)
座談会 若き登山家の夏山山登り漫談草紙 第1巻 8月号(1932年)
玩具春秋 第2巻 新年号(1933年1月)
小河内峠、鶏の湯 第2巻第3号(1933年3月)
玉ノ井漫談 第2巻第4号(1933年4月)
座談会 第十一回浮世草紙座談会 第2巻第6号(1933年6月) ※谷川要史とともに郷土風景社に所属として紹介されている。
郷土趣味の会に出席(1933年11月) ※郷土風景社主宰の集まり

上記で特に興味深いのは伊藤が谷川の主宰していた郷土風景社(『郷土風景』の発行元)に所属していたことである。『旅と趣味』第6号に収録されている串間の作成した伊藤の年譜によれば、1928年の伊藤は旅の趣味会を結成しているが、自分の会の運営と並行して一時期谷川の仕事を手伝っていたと言える。伊藤が『郷土風景』に執筆していた当時30歳前後のため、谷川(1901年生まれ)と年齢が近い。(注1)谷川と伊藤はいつごろ、どのような形で交流が始まったのだろうか。

(注1)谷川要史の経歴については以下の記事を参照。



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