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郷土玩具蒐集家・梅林新市が編集していた雑誌『雉子馬』②ー蒐集家たちをもてなす梅林新市

 以前以下の記事で郷土玩具蒐集家・梅林新市が中心となって発行していた『雉子馬』という雑誌を紹介したが、この雑誌の第二期第二号も私の手元にあるので紹介したい。

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取り上げられている文章は以下である。

尾崎の子守笛 武井武雄

仁比山の猿、尾崎土人形に就いて 小野正男

箱崎八幡の鳩替 加藤増夫

宇佐郡の郷玩(其ノ二) 須田元一郎

編集後記によると、土鈴を蒐集していたことで当時有名だったと思われる飯田透陽が福岡を訪問したという。前月は達磨を蒐集していた木戸忠太郎、香川県から加藤増夫が福岡を訪問しており、梅林が彼らをもてなしている。梅林は当時の九州の郷土玩具蒐集家たちの中心におり、九州の郷土玩具を他の地域の蒐集家たちに紹介する役割も担っていたと考えられる。

 話は変わるが、この『雉子馬』の所蔵を調べてみると、福岡県立図書館にまとまって所蔵されているようだ。以下の情報から判断すると、この雑誌の第一期も所蔵されており、合本となっているようである。部数、ページ数は少ない雑誌ながらきちんと保存されている。

 余談だが、宮崎県延岡市で発行されていた雑誌『延岡春秋』の所蔵状況があまりよくないらしい。ある程度は所蔵されているが、真ん中の号がごっそりと欠けているようである。私が言うまでもないかもしれないが、地域の図書館はその地域の史料の収集や保存に力を入れて欲しい。


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