古本市で見つけた平凡社編集・馬場一郎宛書簡
先日の以下の記事に引続き東京都の古書即売会(愛書会)で購入したものの話。いつものように紙物が入れられた箱を掘っていると、馬場一郎という人物の書簡を見つけ、住所に書かれた平凡社という名前にひかれて購入した。馬場一郎のことは知らなかったが、出版人の中では有名な人物であったらしく、拙noteでも度々お世話になっている『出版文化人物事典 江戸から近現代・出版人1600人』(日外アソシエーツ、2013年)に立項されていた。以下に引用してみたい。
馬場は「太陽」の編集長もつとめたことのあり、最終的に平凡社の常務にもなった人物であることが分かった。書簡の内容は様々な人物からの馬場への御礼や年賀状であり、以下が送付した人物である。少し調べてみたが、有名な写真家の方々であるようだ。
富山治夫 芸術選奨文部大臣新人賞受賞の御礼 1981年4月13日受信
入江泰吉 「大和路」展見学、レセプションパーティ出席の御礼 1977年5月20日受信
並河萬里 年賀状 1971、1972年
藤本四八 年賀状 1973、1983、1989年
石元康博 年賀状 1972年
ところで、上記に引用した文章には記載されていないが、以下の記事によると馬場は『断絶』という文芸同人誌の発行に尽力していたという。馬場は商業出版だけでなく、同人誌の出版を通して同人文化を支えた人物でもあったようだ。
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