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沖縄コザより愛を込めて

先日、家に小包が届いた。

宛先を確認してみるとなんと沖縄からである。

実は少し前、仕事で沖縄に行く機会があった。

高校生以来の沖縄に浮かれ気分だった僕は、使わないだろうと思いつつ水着と水中メガネをスーツケースに押し込んでいた。

3日ほどの滞在で那覇ではなくコザ、という那覇から車で40分ほど南の街で過ごすこととなっていた。

那覇とは少し雰囲気が違い、米軍基地が近いのもあるのかアメリカ人と日本人のカップルや、スケートショップなど、異国情緒が強いエリアになっていた。

現地では撮影をこなしながら、ビーチやレストランでのタコスも楽しんだ。
合間合間の時間ではできるだけ散歩に出掛けて一人で街外れまで行くこともあった。

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道を歩いていると声をかけてくるスケートショップの常連さんや、外でバンドの演奏に聞き入る現地の方々を横目にまだ半袖で出歩けるこの気温に感謝する。

一仕事終えて恒例の散策を楽しんでいた僕は、たまたまや見かけたあるアーティストの方の個展の看板を見かけふらっと立ち寄ってみた。

入ってみるとそんなに広くないスペースに作品が並べてある。

たまたまご本人がいらっしゃったのでお話を聞いてみると、コンクリートブロックをモチーフにした作品を創作しているとのことだった。

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僕よりかなり年上の方だったが、話していると「住所書いてくれたら写真集を送るよ、せっかくだから。」と言っていただけた。


そのアーティストの方からの作品集が、届いたのだ。
手紙には日付と名前に添えて、

「前略 偶然とは面白いものですね。約束の作品集を送ります。」
と記してあった。

東京で社交辞令の嵐を掻い潜りまくっていた僕は、ドキッとしてしまった。

本当に送ってくれたんだ、という驚きの感情が一番に湧き上がってきた。

送っていただいた写真集を眺め、ご本人が「自分が作ってもらったもので若い人がインスピレーションを受けてくれたら嬉しい。若い時私もそうだったから。」とおっしゃっていたのを思い出す。

お返しには、近くのケーキ屋さんのお菓子を送ろうかしらなどと思いつつ、この偶然の繋がりにワクワクしてくる。

メールアドレスや、SNSなんかの連絡先は聞いていない。

また沖縄に行くことになった際は、手紙を出そうと思っている。

この面白い偶然が次の沖縄の旅でも続くように。


 K


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