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コーヒーにまつわる本 Vol.02

今日は満月の日。昨晩も雲に時折隠れる月を見て、なんて美しいんだろうと純粋に思いました。純粋に美しいと思えるものが日常生活に溢れるようになったことに心から感謝したいです。お月さまに連日の暑さでバテているところも癒してもらいましょう(笑)。

さて、コーヒーに関することが書いてある本なら何でも読んでみようじゃないか!と思い立ったので、そんな本の紹介をはじめました。今回は、

Arne アルネ 13 (2005) イオグラフィック.

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特集 「ワニ珈琲」の中川勇人さん

<読了後の雑感>
すごく好きで集めていた雑誌 Arne(アルネ)。この雑誌は薄いのに、内容の厚い良質な雑誌です。丁寧な編集が読み手に伝わってきます。コーヒーに関する特集があったなぁと思って久々に、自宅にあるアルネを片っ端から引っ張り出してきました。

ありました、ありました。ワニ珈琲の特集号が。発見があってビックリ。自家焙煎を始めて、最近ブレンドに興味があるのですが、ずっと疑問に思っていたことがありました。それは、生豆の状態でブレンドするのか、焙煎後の個々の豆をブレンドするのか。豆のクセがある生豆の状態でのブレンドはコントロール効かないかな、と考えつつも、生豆からのブレンドは本当のところどうなのだろうと思っていたんです。

そこにワニ珈琲の中川さんの焙煎の話です。中川さんは、業界的には邪道と言われる生豆のままいろんな豆をブレンドして焙煎機にかける、と。すごく嬉しかった。あぁ、そうやってブレンドしている人もいるんだって思えたから。やってみなきゃわかんない。今度やろう。

そして、ワニ珈琲の中川さんとCOWBOOKSの松浦弥太郎さんの言葉がすごく刺さりました。一言で言えば、自分が納得しないことに妥協しない。すごく共感できます。

それでは、本のまとめです。

<中川さんの話①>
→20代の終わりに絵描きを目指していたところ焙煎機を手にいれる機会を得る。
→コーヒーを飲むのは好きだった。自分の飲みたいコーヒーがはっきりあるなら、何とかなるんじゃないかと思った。何か始める時は、絶対誰でも最初は初心者なんだ、何も恐れることはないと考える。
→絵描きの道は中断して、3年ほどコーヒーに専念。
→コーヒーを営業したことはない。5〜6年は売れなかったが、コーヒー豆と遊べた。

<中川さんの話②>
・コーヒーにはまり、ジャズにはまる。
・コーヒーを淹れるときは前半にいかに美味しいエキスを出してあげるか。最初は丁寧に、あとは上手に薄めていく作業。後半ねばるとえぐみになる。
・コーヒーを淹れる練習をするときは、自分がおいしいと思うコーヒー豆で行う。どこのでもいいとしてやると、味の基準がないから自分の腕が上達しても気づかない。
・ふくらまない豆は絶対に買わない。泡を出す練習ができないから。ふくらむ豆はおいしさのバロメーターじゃなく、単なる鮮度のバロメーター。

<中川さんの焙煎>
・マンションの最上階、6畳の部屋いっぱいに焙煎機が入っている。

1. 業界的には邪道と言われる生豆のままいろんな豆をブレンドして焙煎機にかける。通常は焙煎後の豆をブレンドする。
2. 250度〜260度ぐらいで約30分かけて焙煎する。
3. 焼いている途中の豆を取り出して、悪い豆をはじく。
4. はぜる音が聞こえてきたら、温度を180度ぐらいに下げる。
5. 2ハゼになったら豆を出す。
6. エアコンと扇風機のダブルで炒った豆を冷やす。
7. 焙煎された豆を割った時、外側と内側が同じ色になっていると、よく焼き上がっている証拠。
8. 焙煎機から出てきた瞬間と冷めてきた時の色は違う。だんだん色が戻る。

<中川さんのコーヒーの淹れ方>
・焙煎したての豆は味がまだ出ていない。
・イタリア製のマッソリーニというブランドのプラスチック製の手挽きミルを使う。
・手挽きミルは豆の良し悪しを判断するのにすごくいい。豆が引っかかる時は、よく焼けていないか、しけっている。いい豆は軽く挽ける。

1. 鉄びんでお湯を沸かす。
2. サーバーにお湯を入れて、そのお湯をカップに入れて温める。
3. 少し真ん中にお湯をおとす。
4. ふくらみを見ながら少しずつお湯を加える。
5. コーヒーの粉がふくらんでもずーっと真ん中にお湯をおとす。
6. もこもこ盛り上がり、ペーパーがコーヒー色にぬれる。
7. 盛り上がったらちょっとやめて、またおとす。
8. ペーパーの上の方までコーヒー色にぬれる。
9. コーヒーを温めたカップに注ぐ。

<ワニ珈琲が買える場所、飲める場所>※2005年当時の情報です。
・原宿にある5(サンク)で買える。
・松浦弥太郎さんのCOWBOOKSで飲める(ワニ珈琲をマシーンで淹れている)。

<COWBOOKS 松浦さん、ワニ珈琲 中川さんの話>
松浦さん→コーヒーって自分の店のことしか分からない。よそのがおいしいかおいしくないかって判断できない。好きか嫌いか。よそのは多少嫌いな味でも飲める。でも自分たちの店だと違うな?は我慢できないし、気になってしょうがない。コーヒーの味にうるさいんじゃなくて、自分のところにはうるさいだけ。

中川さん→松浦君はお店のことにはしつこいものがある。でもそれが大事。なんでもいいやになっちゃったら、どこまでもどうでもよくなる。






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