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希望の仕事に就く方法

FROM ボブ・バーグ

ジェフリー・J・フォックスは、『Don’tSend a Resume: And Other Contrarian Rules to Help Land a Great Job(仮 邦題:履歴書は送るな いい職に就くための逆張りのルール)』という傑作の著者で、こんなことを言っている。それは、「良い職につくためには、あなたが経費を上回る価値を生み出さなくてはならない」と。

あなたはもらう給料以上の”価値”を与えているか?

企業のCEOを経て、ベストセラーを連発する作家にまで転身したフォックス氏は、「金額化」という表現を使っている。つまり「お客さま」、この場合は「面接先の企業」にとってのあなたの価値を、金額で算出するということだ。例を挙げてみよう。

“あなたが売り上げを600万ドル伸ばしたら、その利益分があなたの価値になる。9万5,000ドル分のゴミや不用品を減らしたら、その一部があなたの価値だ。銀行融資の利子を0.5パーセント減らしたら、その一部があなたの価値になる。会社側が考えるあなたの「金額化した」価値が高いほど、採用率は高くなる。(あなたの潜在的な)価値は、収益の増大、経費の節減、 新しい製品やサービスの創造によって生み出される ”。

繰り返しになるが、フォックス氏の助言のとおり、「経費を上回る価値を生み出さなくてはならない」。さらに、彼はこう言っている。「採用担当者は常に、応募者1人1人がどれだけの価値を生む可能性を秘めているかを査定している」。もちろん、下準備を入念に行なっていれば、面接はあなたが輝く場になるだろう。1つ指摘しておきたい。適切な面接の準備は、それ自体が貴重なスキルになる。

あなたを雇う”利点”を正しく表明できている?


ところで、面接に臨む際は相手に提示できる利点をあらかじめ用意し、それを具体的に言葉で表現できなければならない。例えば、あなたはその会社のために何ができるのか? どんな価値をもたらせるのか? それを自分の頭の中ではっきりさせておかないと、大きなハンデを背負って面接に臨むことになる。自身のネットワークを駆使してそこまで辿り着いても、これでは採用は難しい。

ニューヨークで20年以上にわたって管理職の再就職を支援してきたナンシー・ヌーナン=ジェフナーが言うには、「自分がどうやって会社に貢献するかを明確にできていない、またはそれを正確に伝えられない」ことが、成果を得られず、面接の場をあとにしなくてはならない一番の理由だそうだ。

さらに彼女は 2001年に『ニューヨーク・タイムズ』誌に掲載された「ゴア、西へ ウォール街では空振り三振」という記事の中から最高の例を挙げている。その記事では、“なぜ、元副大統領”でもあったアル・ゴアは、カリフォルニア(※アメリカの西部である)の無名ファンドに就職したのか? というものだ。

“どうして元副大統領”でもあった男が無名の会社に再就職しなければなかったのか?


それは端的に言えば、アル・ゴアはウォール街では働き口が見つからなかったからだ。

情報筋によれば、次期大統領候補とも目されていたゴアは、ビッグアップル(ニューヨーク)の大企業の最高幹部の座を得て、なんとか市内に残ろうと、精力的に動いていた。 しかし、大手の企業買収会社も、どの投資銀行も、ゴアが売り込みをかけていた企業は、結局、彼を受け入れるところはなかった。

その理由を、さる情報筋はこう語っている。「ゴアは、『あなたを雇うメリットは?』という質問に、うまく答えられなかった。このウォール街での空振り三振は、元副大統領にとっても教訓になったんでしょう。だからカリフォルニアのファンドへ近づいた。面接という売り込みの場でビジネス経験の少なさを露呈しても、なんとかなる場所へね」。

自分の”価値”を企業にうまく結びつけられているか?


さて、実は希望の職を得たい人への教訓が、ここにある。すなわち、「その仕事の意義と目的をしっかり理解し、そして何よりも、自分を雇うメリットを明確な言葉で伝えよ」”ということだ。

ヌーナン=ジェフナー女史はこう言っている。「彼はその副大統領としての経歴から、スペイン国王を紹介できるとか、会社側が会いたい人物を紹介できると言えたはずなのに適切に雇い主に利点を伝えることができなかった」と。このことからわかるように、自分自身の経験やスキルを、見込みの雇用者のニーズに関連づけることが大切なのだ。

繰り返しになるが、重要なことは、自分を絶えず売り込み、雇い主候補へアピールを続けることだ。また、いい職があれば移る用意があるということを、周囲に伝える努力を怠ってはいけない。それは、熱心な紹介先との転職の話し合いが進行中で、そろそろ採用のオファーがありそうに見えるときでも変わらない。さらに、正式に決まるまで、思い込みは禁物だ。そのうえで、この黄金律を転職の際でも常に心にとどめておいてほしい。

ほかの条件がすべて同じなら、人は知っていて、気に入っていて、信頼している相手に仕事や紹介を回す

もし、この状況を適切に作れていれば、あなたは正しい人と出会い、正しい人があなたを雇ってくれる。人脈作りのスキルが高い人ほど、自分の望みの職を確保するまでの期間がとても短くなる。そのことは既に証明されている。これは、営業と同じく、意思決定者へつながるネットワークを効果的に構築することで、希望の職が保証される。

シンプルのように見えるが、簡単とは限らない。このこともまた適切な手順に従わなければなおさらだ。

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