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自分の“トリセツ”を渡してみよう〜人づきあいにちょっとした勇気を〜

今日は、新しい職場や学校で人間関係を築く際に、勇気をもって自分の取扱説明書=“トリセツ”を相手に渡すとうまくいきますよ、というお話を伝えたいと思います。

自分のトリセツを渡すとは、例えば自分がどんな価値観やポリシーを持った人間かというベースの部分や、どんな趣味やスポーツ、どんな食べ物が好きかといった身近な好みについてオープンにすることを言います。
できればこれを早めにオープンにしてしまうと周りの人たちも馴染みやすいかもしれません。
職場や学校での日常的な会話の中で少しずつトリセツをオープンにしていくのもいいでしょうし、人事異動で新しい職場に赴任する際には自己紹介的なトリセツ・ペーパーを渡してしまうのも良いかもしれません。
私もそうですが、自分のことを話すだけでも恥ずかしいので、オープンにするのは抵抗感が未だにあるのですが、気持ちをオープンにする、気持ちをうまく開いてトリセツを渡してみるときっと良い変化があると思います。

私が、職場で管理職として人事異動で新しい職場に赴任した際に、“トリセツ”を渡して起こったことをいくつか思い出しました。

ある地方の職場に転勤した際に、自然があまりに綺麗だったので、敷地内の庭を散歩しながら季節の花々の写真を撮っていました。梅や桜、百日紅、萩、紅葉、馬酔木、椿などの美しい写真を撮っては後輩たちにさり気なく見てもらっていたのですよね。
そんな私を見ているものですから、ある日、部下が「職場の建物の修繕工事の土台を組む際に、椿の老木を切らないといけないと業者が言っているのだけど、切らないでうまくやる方法がないか再検討を促しました」と報告してくれました。きっと私が日常的にトリセツを渡していたことで、敷地内の樹木を大切にするという価値観を共有してくれたからなのだと思います。

紙でトリセツを渡したこともあります。
新しい職場に管理職として赴任する時に、箇条書きで自分の価値観をできるだけわかりやすい言葉で書き出して渡しました。
その上で口頭で、
「ワーク・ライフ・バランスと世間では言うけれど、私は違う。一歩踏み込んでワーク・イン・ライフだと思っている。」
つまり、仕事も生活や人生の一部なのでプライベートや暮らしも充実させてほしい。そのどちらも力になりたいので気軽に相談してほしい、と。
この話をした瞬間、後輩たちの目の色が変わった気がします。

また、同じく新しい職場に赴任する時、「仕事で判断に迷う時には、正しい方を選んでほしい。後ろめたさを感じる方は選ばない。苦しくても正しい方を、胸を張れる道を選ぼう」と伝えましたが、このトリセツ・メッセージも響いたようです。
この後、「ただし、正しく、かつ効率的にね」と補足するような出来事もありましたが、すっかり徹底されているように感じます。

新しい職場に赴任する際、新しい環境に身を置く時には、すでに人間関係ができているところに飛び込むことになるわけです。そこに入っていく時に、私自身のことをよくわからないからと言って遠巻きにされたり、必要以上に気を使われるのは私は嫌です。
それよりは、自分が(良かれ悪かれ)こんな価値観を持っている人間ですと、最初にオープンにしてしまった方がうまくいく気がしました。

自分の“トリセツ”を渡すことの真の効果は、新しい環境に溶け込む際に、周りとの垣根を取り払ってくれることにあるのだと思います。
みなさまもぜひ、ご自分の“トリセツ”をいろいろな形で渡してみてください。気持ちだけでもオープンでいることによって、きっと早く置かれた環境に溶け込めると思いますし、溶け込み方も深くなると思います。

それでは今日もよき一日を。

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