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駅で声をかけてくれた大田区民からの言葉。「issuesでのやり取りで、信頼できる方だと思った」ー大田区議(自由民主党)・伊佐治剛さんインタビュー

「くらしの悩み」を地域の議員に届け、「みんなで解決」していくサービス『issues』。2019年3月 のサービス開始以降、地域住民の声が政策として実現されはじめています。

そこでこのマガジンでは、issuesを通じて様々な「くらしの悩み」に取り組んできた、議員の皆さ んにお話を伺います。

今回のインタビューに登場するのは、大田区議会議員の伊佐治剛(いさじ ごう)さん。人と人との関わりが薄まる大田区において、地域の課題解決に邁進している伊佐治さんの「issuesの活用方法」を聞きました。

取材: 廣田達宣(株式会社issues 代表取締役)/取材・文: 池田あゆ里

~伊佐治剛さん・プロフィール~
長崎出身。自由民主党所属の大田区議会議員。現在3期目。視覚障害者である兄がきっかけ で医療介護福祉の仕事に就くが、「労働環境や給与の反映などはすべて制度で決められる」と感じ、制度にアプローチするために議員を志す。議員活動のテーマは、「障害があってもなくても、いくつになっても安心して暮らせるまちをつくる」。現在も、障害福祉サービスを提供するNPO法人の理事や、ケアマネジャーとして福祉の現場で仕事をしている。家族は妻と高1の長男、小6の長女がいる。

(伊佐治剛さんのホームページより)

利用議員の紹介で登録

ーー本日はよろしくお願いします! まず、伊佐治さんがissuesを知ったきっかけをお聞かせください。

きっかけは、おのせ康裕目黒区議のFacebookでした。おのせ議員が「小学校の欠席届のオンライン化」について議会で取り上げたと投稿されていたんです。私自身、子育て中ということもあり、「なぜ欠席届を子どもの友達を使って学校に届けなければいけないのだろう?」と感じていました。

そんな矢先におのせ議員の投稿を見たものですから、どのような経緯で取り上げることになったのかと質問してみたんです。そこで、issuesを活用していることを教えていただきました。

他のSNSと違って攻撃されない

ーー実際に登録するにあたって、不安だった点はありましたか? 

最初は、「場が荒れないかな?」と心配でした。自民党の議員は、若手を除いてほとんどSNSを使っていないんです。ですから、私のようにFacebookやInstagram、Twitterを活用している議員には、何かと文句を言われることが多くて……。考えが合わないだけで厳しいコメントを書かれることもありますし、汚い言葉をかけられてしまうこともありました。表立っては顔に出しませんが、結構ダメージが大きいんです。同じようなことがこのissuesでも起こるんじゃないかと、懸念していました。 

ーー実際にご利用になっていかがでしょう。 

住民ユーザーの皆さんの言葉は丁寧ですし、建設的なやりとりができていると思います。意見が違う方、 反対の立場の方でも、きちんと回答すると「なるほど、そういう考え方もあるんですね」と理解してくださいます。また、ごくたまに強い言葉をかけてこられる方もいらっしゃったのですが、運営側がそれを把握してくださっていて、最終的には削除するなどの対応をしてくれます。懸念だった他のSNSのような心配は、すぐに払拭できました。

issuseを利用して1年経ちましたが、精神的なダメージを受けるようなことっていうのは基本的に一度もなかったですね。

駅前での演説中に、「issuesでやり取りしました」の声 

実はissuesでやり取りさせていただいた地域住民の方から、声をかけていただいたことがありました。

駅前で街頭演説を行っていたある日、一人の住民の方が声をかけてくださり、「issuesで欠席届のオンライン化について質問したことがあります。伊佐治さんがすぐに『オンライン化に向けて動きます』と返信してくれたから、信頼できるなと感じました」と言われたんです。

その方は、議員から返信が返ってくると思っていなかったそうです。ネットのつながりで、こうやって声をかけていただけることが嬉しかったですね。 

区民の要望を受けて小学校の欠席届のオンライン化に尽力

ーー小学校の欠席届のオンライン化について、どのように取り組まれたのですか? 

2020年の9月の議会で、欠席届のオンライン化を実施すべきだと教育委員会に提案しました。issuesを始めてみて、自分と同じように欠席届に悩んでいる子育て世代の方が多いことに驚いて、これはやらなきゃなって思ったので。 

そのときは、教育委員会では特に欠席届について問題意識を持っていなかったんです。なので、まず知り合いの5人の校長先生のお話を伺って、課題を抽出しました。

そのときに、私が問題だと感じたのは、意見がちゃんと伝わっていないことです。教育委員会からは「校長会で話す」と聞いたのですが、実際校長先生にお話を伺ったところ、その話がほとんど浸透していなかったんです。実際に話は聞いていたのかもしれませんが、必要に迫られているとは思っていなかったのではと思いました。 

ーー校長先生からはどんな意見がありましたか?

一番大きな意見として、「子どものなりすまし」というのがありました。オンライン化に伴い一人ひとりにIDを付与することになるのですが、「そのIDを子どもが親を通さずに欠席届を出してしまったら?」という懸念点をいただきました。 

私が先生にお話したのは、「先生、自分が子どもの頃を思い出してください。同級生が学校を休むために、親の声色を真似して電話していたことはありませんでしたか。いつの時代も変わらないので、そこは考えなくていいと思いますよ」とお伝えしました。校長先生方も子ども時代を思い出しながら、「うん、たしかに!」と仰っていました(笑) 

ーーなるほど(笑)その他の懸念点はどんなものがありましたか? 

「担当教師が欠席届をまとめられるのか?」「オンライン化された欠席届を見落とすことがあるのでは?」というご意見をいただきました。近年はネット社会ですが、学校の教員によってまだまだオンラインに抵抗がある方もいらっしゃいます。 

ーー実際に、どんなふうに対策を打って学校と教育委員会を説得したのでしょうか? 

まず、どちらに決定権があるのかを明確にしました。実際のところ、校長先生ははっきりと言葉にせず、「教育委員会が判断しないことには動けない」というスタンスでした。かたや教育委員会では、「校長先生の意見を伺う必要がある」と言っていて……。「いったいどちらが判断するのですか?」と問い正したところ、最終的に教育委員会に決定権があると回答いただいたんです。その言葉を引き出せたことが、欠席届のオンライン化を進展させたのだと思います。 

そして、「欠席届を誰がまとめるのか?」については、そのような業務をする職員を雇うことができると説得しました。大田区では、新年度の予算の中で、教員補助員を独自で付けることができます。主に先生が答案の採点をサポートするための職員なのですが、まさにそういう職員の方に集計業務を手伝ってもらえばいいと説得したのです。 

その結果、2021年の3月の議会で、「2学期中には、アプリを活用した欠席届のオンライン化を実現をしていく」という回答を引き出すことができました。 

ーーissuesで受け取った区民の要望が実現することになったのですね! 

はい、おかげさまで。ただ、運用してみないことにはわからないところも多いんです。学校側と保護者側にとっての使いやすさや修正点なども含めて、今後もissuesで住民の皆さんの声を聞きながら改善していきたいと思っています。 

質問の奥にある、“新たな課題”の発見 

ーーちょうど3月の議会の質疑を、伊佐治さんのYouTubeチャンネルで拝見しました。その他の議題も挙げていらっしゃいましたね。 

欠席届のオンライン化の実施の回答をいただけたので、もう一歩進んでほしいという思いを込めて、issuesの住民ユーザーの方から声が多かった、「プリントのデジタル化」についても取り上げさせていただきました。子どもたちが学校で配られるプリントの量は膨大ですからね。この件については、まずは外部業者からのデジタルデータ提供をしてもらえるように進めていくことになりました。 

ーー住民の方々は、区のホームページを端から端までちゃんと見られるかと言えば、そうではないと思います。そういう意味では、伊佐治さんのような存在が、”区の広報活動”の役割を担っているように感じました。 

それができるのはissuesのおかげで、私もありがたいと思っているんです。issuesで挙げていただいた課題に対して住民の方へ返信をしたことで、その奥にある課題も見つけることができましたから。 

ーーというと?

 たとえば、issuesに掲載されている「長期休みには学童で給食や宅配弁当を出してほしい」というトピックがありますが、大田区では取り上げられる以前から、学童保育の方でお弁当の準備が進んでいました。ただ、親御さんのご意見として、「用意してもらえるのはありがたいけれど、コンビニのお弁当だと栄養面が気になる」「夏場は食中毒が心配」という声が issuesからあがったのです。 

そんな時、ある住民の方から「朝に注文を取り、お昼にお弁当を届けてもらえる宅配サービスを活用するのはどうか」とご意見をいただいて。それなら衛生面でも安全ですし、栄養バランスを考えたお弁当を届けられる方法だなと感じて、「すぐに実現に向けて働きかけます」とお答えしました。もともとの課題設定がなければ気がつくことができなかったことですよね。これは、すごい効果だなと思いました。


若い世代との貴重な接点である「issues」 

ーー伊佐治さんにとって、issuesはどんな価値がありますか?

 私が対面の場で交流しているのは、年代的に私より少し上の世代の方々がほとんどで、子育て世代や若い方の声を聞く機会がありませんでした。近年、「政治に関わりがない」という若い人が増えているのも理由の一つかもしれません。それを取り払う上でも、issuesには大きな価値を感じます。 

また、issuesの運営側がわかりやすくテーマごとに分けてくださっているので、住民側にとっても議員側にとっても、何が課題なのかを認識できることも一つの価値だと思います。

ーーこれからissuesの活用を検討している住民の皆さんへ、メッセージをお願いします。 

いま、政治家に訴えかけても何も変わらないと思ってる住民の方々が多いと、私も感じています。その原因は、政治家が聞いたふり、してきたふりのような発言や行動を繰り返してきたことが背景にあると思います。 

ただ、issuesを使えば、その意見は必ず各議員に届き、「どう改善したのか、どう動いたのか」ということも、メッセージの返信として見ることができます。issuesは、“状況が変わっていく様子を直接感じることができるツール”なんです。これまで政治について抵抗があった皆さんにぜひ活用いただいて、私たち区議会議員を含む政治家をこき使っていただきたいなと思います。 

ーー最後に、issuesの活用を検討している議員へも、メッセージをお願いします。

議員の皆さんにとって、こんなに住民の声を聞けるSNSは他にないと、私は思っています。もちろん結果を求められますが、住民の皆さんからの信頼に大きく繋がるツールです。「政策に自信がある」「絶対実現をする」そういった思いのある方々にぜひ登録をしていただき、住民の声に応えていただきたいです。 

ーー伊佐治さん、ありがとうございました! 

※伊佐治さんに要望を送りたい大田区民の方はこちら。
https://the-issues.jp/?utm_source=corporateNote&medium=officialUpdate&campaign=IsajiInterview


※今回の記事で興味を持っていただいた議員の方向けのご案内はこちら。 https://the-issues.jp/seijika.html?utm_source=corporateNote&medium=officialUpdate&camp aign=IsajiInterview

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