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issuesの価値は「無党派層とつながれること」 ー板橋区議(公明党)・寺田ひろしさんインタビュー

くらしの悩みを地元の議員に届け、「みんなで解決」していくサービス『issues』。2019年3月の開始以降、くらしの悩みを気軽に相談できる場として、多くのユーザーにご利用いただいています。

このマガジンでは、issuesを活用している議員の方々にお話を伺い、実例を交えながらその裏側を紹介します。

記事に登場するのは、板橋区議の寺田ひろしさん。子育て世代の切実なメッセージを政策実現に結びつけた事例や、issuesに対する本音を伺いました。

取材: 廣田達宣(株式会社issues 代表取締役)/文: 田原未沙記

2020年3月に登録

――今日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

寺田 よろしくお願いします、寺田ひろしです。前職はずっと歯科医療機器メーカーに勤務し、健康に対する学びと経験を重ねてまいりました。人生100年時代、この板橋区を健康長寿都市にしていきたいと思っております。現在議員3年目、まだまだ1回生ですので、色々学びながら取り組んでいるところです。

――寺田さんがissuesにご登録されたのは2021年の3月頃でしたね。どういう期待をお持ちでしたか?

寺田 当初期待したのは、住民の方と直接メッセージを交わすことができる点です。地方議員にとって重要な「地域密着」を体現できますので、非常に有益になるだろうと。そして、自分の支援者以外にも幅広いつながりを広げられればという思いもありました。

懸念していた「炎上」は一切なかった

――ご利用前に抱かれていた懸念点などはありましたか?

寺田 インターネットの世界ですので、匿名掲示板のような炎上が起こり得るのではないか? という懸念はありました。SNSは重要なツールだと思う一方、議論のヒートアップになってしまうことは避けたかったんですね。直接会うか、せめて電話でやり取りしないと難しいのでは? と考えていました。

しかし実際にissuesでメッセージを拝読していくと、どれも非常に思いのこもった、本当に丁寧な印象でした。issuesでは実名登録を基本としているからか、うがった見方をされる方はあまりいないのだなと。皆さんとやり取りを重ねていく中でそう実感し、不安は払拭されました。

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これまで板橋区民189名の方からメッセージを受け取りましたが、この機会を利用して議員をとっちめようとか(笑)そんな方は1人もいません。これには本当に驚きました。懸念していた炎上も、全くなかったですね。

これは実名登録制に加えて、運営の皆さんがメッセージを随時チェックされているので、双方に管理の行き届いたフィールドができていることも大きいのだと思います。

――ありがとうございます。我々は毎日全件目視でチェックをして、問題があれば削除・警告し、繰り返す場合はアカウントを停止します。万一の場合は法的手段も含めて対応する姿勢ですので。

寺田 はい、そこまでしっかり整備していただいていることが、荒れない要因になっているのでしょうね。

「会派の意向との食い違い」も杞憂だった

――他に懸念されていたことはありましたか?

寺田 私は公明党という会派に所属していますので、無所属議員の方と比較して「個人」としてどこまで自由に発言できるのか?という懸念もありました。まだ1期目で知識不足もあり、ある論点に対して賛成・反対と発言すると、会派の意向と整合性が取れなくなるかもしれない。今はスクリーンショットなどで全部記録が残りますし、後から問題にならないかという不安は感じていました。

しかし、結論からいうと全く問題なかったです。というのも、issuesではイデオロギー(政治思想)に触れるようなものは基本的に扱っておらず、例えば「PTAの負担を軽減してほしい」など、普通の生活者の困り事にフォーカスしているんですよね。なので私も気兼ねなく自分の考えを発信することができました。

区民に細かく進捗を共有しながら「小学校の欠席届オンライン化」を推進

――板橋区ではissuesで寄せられた要望から、実際に政策実現できた事例が出ています。具体的にどのように動かれたのでしょうか?

寺田 典型的な事例としては、区立小中学校の「欠席届のオンライン化」があります。私自身も5~6年前に娘が小学生だった頃、朝の登校班に連絡帳を渡しに行ったことが何度もあり大変だと感じましたので、ぜひオンライン化を進めたいと感じました。寄せられたご意見の数としても一番多かったです。

これについては、ちょうど私が文教児童委員会に所属しており、担当課長さんとコミュニケーションを取りやすい体制にあったことがラッキーだったと思っています。たくさんのご要望が届いておりましたので、控え室に来ていただくなどして、具体的な状況を確認しながら進められました。

何より、区民の方と「現状はこうです」「今後はこうなります」とやり取りを重ねながら一緒に推進できたことが良かったです。私だけではなく、同じ板橋区議の方々も議会で取り上げていましたし、issuesに登録していただいた住民の方々が議員を動かしていただいた結果、実現への道筋が見えてきました。

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――素晴らしいですね。他に実現した事例があれば教えてください。

寺田 同じ分野で「配布プリントのPDF化」の事例もあります。学校で毎日配られるプリントは全部読むのも大変ですし、本当に全部持ち帰ってきているのかも不安。だからデータで確認したいというご要望があったんです。これも、担当課長さんに「ぜひお願いします」と働きかけました。

その結果、今回GIGAスクール構想でタブレットPCが1人1台貸し出される施策と併せて、プリントはPDFデータで配信していただけることになりました。

このように政策実現に至った事例もありますが、全てとはいかず、本当に悔しい思いもしました。全ての実現というのは難しいところではありますが、寄せられたご要望には今後もしっかりと向き合っていくつもりです。

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Zoom取材の様子(左:寺田区議)

数百人の無党派層と信頼関係を構築

――issuesの住民ユーザーは「支持政党は特にない」「地元議員を誰も知らない」という方が8割近いです

寺田 数百名の区民とやりとりしていますが、その実感はあります。公明党支持と書かれている方も1人ぐらいだったかなと。

issues以外だと生活相談を含めてお話をいただくのは、やはり政党の支援者か、そのお知り合いの方からがほとんどです。全くつながりのない方が直接相談に来られることは、年間でも10件に満たないですね。ですので、議員に対して「隔たり感」のようなものは皆さんお持ちなのかなと思います。今まで議員と会ったことがなければ「もっとこうして欲しい」「ここが足りない」と思っても、わざわざ意見として伝えるのは難しいですよね。

しかしissuesなら文字で送るだけなので、今まで声を上げられなかった方のご要望、もしくは議員に届かなかったご要望を、うまくつなげていただいていると実感しています。

住民の反応率が数字でわかるから励みになる

――利用議員の方にとってのissuesの価値とは何でしょうか?

寺田 一つは、自分の活動が“成績表”としてフィードバックされることでしょうか。issuesでは色々なデータ分析とともに面談でサポートしていただけます。

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私も最初は手探りでしたが、活動の結果として「支持する」「強く支持する」といった反応率が目に見えて分かるので、やはり大きな励みになりますね。どう取り組んでいけば支援が広がるのか、ご理解いただけるのかといったバロメーターとしての価値もあります。

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また、自分の活動に対する責任感も生まれます。issuesで住民にメッセージを返信した以上、しっかり成し遂げなければいけないという、自分自身の活動に対するペースメーカーであり後押しになるわけです。SNS上で誰かの書き込みを目にした時とは違う、政策実現を支えるエネルギーになってくれています。

議員を身近な代弁者に

――最後に、issuesの利用を検討している住民の方々や議員の方に向けてメッセージをいただけますか?

寺田 住民の方々には「議員を身近な代弁者として使っていただきたい」とお伝えしたいですね。議員は決して遠い存在ではないので、ぜひ気軽にメッセージを送ってください。声が届く議員がいれば、必ず何かが変わっていきます。

議員にとっては、issuesを利用することで視野が広がり、自身の成長につながります。畑を耕して種をまかなければ実がならないのと一緒で、議員個人がどれだけ汗をかいて声を受け取れるか。それを実現できる場がこのissuesだと感じますので、使わない手はないと思います。

将来的には住民と議員の関係性を本当にフラットな状態にしたいですし、issuesなら叶うと感じています。一方的な関係ではなく「協働」で取り組んでいきたいですね。

――ありがとうございました!

※他の板橋区議にもインタビューしているので合わせてご覧ください

※議員向けissues紹介ページ

※住民向けissues紹介ページ


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