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【みみ #27】オンライン言語聴覚療法の民間市場を作る


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矢崎 真一さん


 矢崎さんは、沖縄本島から南に400キロ、石垣島で言語聴覚士をしている。そして、ダウン症のお子さんをもつお父さんでもある。そんな矢崎さんが今、オンラインでの言語聴覚療法を広めようと奮闘している。


 すんなりその道ではなかったが、やはり引き寄せられたとでも言うべきか。

 電気工学科に学んだ大学時代に脳性麻痺の方と交流があり、コミュニケーション支援に関心をもつが、「当時は技術的に難しく」、純粋にエンジニアとして就職する。

 しかし、バブル崩壊を機に思い立ち、仕事を辞め、倍率が高いことで知られる国立障害者リハビリテーションセンター学院の言語聴覚学科を受験する。一度は落ちるも諦めず、当時最年長の33歳で合格し、言語聴覚士の道に足を踏み入れた。

 病院勤務や養成校講師を経て家族で移住した先が、現在の石垣島。仕事面では、島で二人目の言語聴覚士だったが、すぐにもう一人が内地に帰ってしまう。石垣島周辺の離島に言語聴覚士はいなかったため、必然的に「Skypeでの遠隔支援を始めた」。

 そして、プライベート面では、移住してから「生まれた子供がダウン症だとわかった」。ダウン症は発達に遅れがみられることで知られているが、難聴を合併することもあり、多くが言語障害を有するとも言われる。


 矢崎さんはその後、島内に療育サービスも立ち上げていく傍ら、言語聴覚士が使う文字カード(音環境からそれに応じた単語を表示)や絵カード(単語を選んで絵を表示)をデジタル化し、オンラインでの言語聴覚療法で使えるWebアプリ「cotoba system」の開発を始めていく。明確な問題意識があった。

 オンラインの言語聴覚療法は、米国では盛んに行われている一方で、日本でも取り組む言語聴覚士はいても集客に苦しむなど普及していなかった。また、日本の言語聴覚士の9割は女性で、家庭に入り従来の病院を離れると活躍の場が限定されてしまうという課題もあった。

 その一方で、言語聴覚療法を必要とするユーザーサイドを見ると、脳梗塞や脳出血を発症して会話が困難になる「失語症」の症状をもった患者さんなど、病院を退院してしまうと言語聴覚士につながれない課題もあった。
矢崎さんがWebアプリの開発を始めた背景は、「ニーズはあるのに、言語聴覚士のリソースにつながっていない」問題意識から生まれたものだ。



 では、米国のように、日本でもオンラインでの言語聴覚療法を身近にするにはどうすればいいか。国民皆保険がない米国と、それがある日本という単純な比較は簡単だ。しかし、矢崎さんは「だからと言って、すべて皆保険に含めてくれは違う」と言い切る。「民間の市場をつくることで、国にとってもプラスになる」と考えるからだ。

 例えば、整体による身体ケアやピアノの習い事を例に取れば、「だいたい1分100円」。1時間の言語レッスンで6000円、一日4時間で24,000円、一月20日で48万円。「医者に比べると何分の一しかないかもしれないが、うまくやれば1000万円プレーヤーも生める」と矢崎さんは考えている。

 そして、そうしたサービスの実現性を確認するために、まずはご自身のネットワークで培った「ダウン症の親御さんのコミュニティ向けに試験的に開始している」ところだ。



 実は、開発している言語聴覚士向けのWebアプリ「cotoba system」を学会で展示した際に、隣の隣で言語聴覚療法を必要とするユーザー側が言葉を楽しく覚えられるアプリ『Vocagraphy』を展示していたのが、第4話及び第5話でご紹介した吉岡さんだった。

 今まさに、両者でタイアップできないか、両側からマージした最適なアプリができないか、探っているところだ。そして、吉岡さんと共通して求めているのが、Webアプリやプログラミングに長けたエンジニアの存在だ。

 矢崎さんも吉岡さんも当事者のご家族であり、課題を解決しようする開発者であり、それぞれサービス提供者側とサービス利用者側にアプローチしてきた。そんな地に足着いた課題感をもつ二人が共にエンジニアを求めている。誰か手を挙げませんか?疑いなく求められるプロダクトに関われることは間違いないのだから。



▷ cotoba system





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