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【あし #12】ファッションブランドを率いる理学療法士


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川副 泰門さん


 川副さんは理学療法士であり、ファッションブランド『SECTIO』を率いる。

 お父様も理学療法士であり、介護施設を運営する経営者でもあった。川副さんがその背中を追うように理学療法士を目指していた大学卒業間近、「どの服も破けるから仕方ない」と話す義足の男の子に出会う。勉学の傍らファッションモデルをしたり服を自主制作したりしていた川副さんは、「障害のあることでおしゃれに制限があることを目の当たりにした」のと同時に、理学療法士とファッションという「クロスする自分軸」を見つけた。


 川副さんは、名古屋に就職したことで義足の男の子とは別れてしまうが「軸はぶらさず」、理学療法士の仕事の傍ら、名古屋駅まで車いす利用者の方に声をかけることから始める。もちろん、多様なニーズを集約することは難しかったり、誰もがおしゃれを求めているわけでもなかったりと壁にもぶつかった。それでも、ある車いす利用者の女性の方との「賛同してくれた出会いを大切に、悩みを深掘りする」ことを通じて、洗練された製品やブランドに「磨き続けてきた」。

 『SECTIO』が提案する世界は、車いす利用者がトイレをしづらくなるために着丈の関係で諦めがちなワンピースを。さらに排尿障害で尿道カテーテルを入れていても、弱い握力でも手軽に出せるように。受注展示会の試着室には、車いすの回転幅を計算した広いスペースに、車いすから移乗して休めるスペースまで備わる。デザイナーが理学療法士なので何かあってもサポートを受けられると、障害のある方でも安心して展示会を訪れる。

 こうした商品に片麻痺のある方やマタニティでも使えるといった声も届く。さらに、最初に出会った義足の男の子と同様に、「服に制限因子が多い」高齢者や体の変形が大きい方などにも服を提供してきたい想いもある。


 しかし、川副さんは「障害のある方に向けた服というアピールは、一番やりたくない。」とはっきり話された。どういうことか。例えば、『SECTIO』は若い女性に注目されることが多いが、「彼女たちにとって、障害向けとカテゴライズされることは嬉しくない」。まだ川副さんの中で明確な打ち出し方が見つかっているわけではないが、健常者と障害者を明確に分けず「誰もが同じように楽しむ」ことを打ち出したい。

 だからこそ、前述の機能面に注力したインクルーシブデザインと並んで、「普通のかっこいいもの」も製作・販売している。例えば、ブランド名をレーザーで型抜きしたマジックテープを貼ったカットソー。マジックテープもさることながら、それがふわふわと柔らかい“メス側”であることに違和感を覚える。「マジックテープは、障害のある方にとって重要だから、あえて使いました。その違和感が、逆にブランド紹介のネタになるから」。やっぱり、川副さんの想いは随所に散りばめられている。



 「障害のある人だから応援じゃない、健常者でも応援したい人はいますよね」。だから、「一人ひとりに寄り添うような、あくまで“一つのおしゃれなファッションブランド”」を目指し、その一つの要素がインクルーシブデザインだと、川副さんは考えている。

 だからあくまで、服のパターンを増やすことはもちろん、グッドデザイン賞を目指したり、大きなショーやコレクションに出していくことまで大きな夢を掲げ続ける。



 さらに、「夢の一つだけど」と前置きして、川副さんが話してくれた。服の制作工程をつぶさに見てきた中で、「専門の職人じゃないとできない工程と、頑張れば障害のある当事者でもできる工程があるのではないか」と考え始めている。「服を一つ畳むだけでもいい、包装一つだけでもいい、いつか就労支援継続B型事業所と連携して、障害のある方と制作工程を共有したファッションブランドにしたい」。


 川副さんは今、このファッションブランドの傍ら、実家に戻り、お父様の事業を承継する準備を始めている。実はお父様ご自身も体の不自由を抱えながらも痛み止めを飲みながら理学療法士の仕事を続けてきた。そういったシーンを見てきたからこそ、「障害のある人が見えないところで苦労していることを殊更にポジティブに取り上げるのではなく」、そこに「そっと寄り添える服」を川副さんはつくりたい。


 純粋に、こんなファッションブランドって良くないですか?こうしたブランドが、思想を乗せて社会に広がっていくことを応援させてもらいたい。



▷ SECTIO公式Instagram






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