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#morethancoffee 岩 (違和) 感のある原点から、幸せの形を作る大山崎コーヒーロースターズ

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この間、久しぶりに友達と外でBrunchを食べることにしました。注文する直前に食べログ見たいなものを携帯で調べていた友達に:“たとえ本音だとしても、お前の趣味とは全く違う人間が書いた可能性もあるので、人が美味しいか美味しくないか出したレビューは参考になれないのでは?”と自分が思わずコメントしました。自分の基準で選択し、判断するしかないし、むしろこれこそ新しいレストランで食事する楽しみだといつも自分が思います。
あれから一週間後に、京都の大山崎コーヒーロースターズの創立者である中村佳太さんと、ビジネスにおけるDesign Thinkingについて、会話しました。基準という話はまた話題に出ていました。ビジネスと消費者いわゆるお客様との間に一致する基準はお互いの出会いを作るきっかけでもありながら、ビジネスにライフスタイルにとっても美学のインセンスであることは判明しました。

原石・原点・原動力

「とにかく岩を置くことは最初から決めた」と、お店のデザインコンセプトを聞くとき、中村さんがお店の中にある大きな岩を見せてくれました。これを印象に残ったまま、大山崎コーヒーロースターズのストーリーを再び甘味してみると、流星のことに思いつきました。

八年前に東京を離れ、京都に移住し、都市から少し離れた静かな郊外にリセットし始めた夫婦二人のことは流星のように新しい原点にたどり着きました。あの岩はまさに原点に立っているお二人のこと、また素顔な幸せの形を求める裸の心、それに少し我儘でもある頑固な生き方を貫く発想の原型のように見えます。

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そこから、大山崎コーヒーロースターズがビジネスとしての美学を見ていきたいですね。

夫婦二人でやる商売の形は決して珍しいことではありません。特に日本の場合は、昔からも現代社会にもよくあることです。スペシャリティコーヒーだから、より格好良く見えたり、コーヒーカルチャなりのSLOWNESS・日常に溢れるのんびり感は創業・経営・継続自体の辛さよりイメージが圧倒的に大きいからよその人からの目線もあるのでしょうが。ここはいったん片思いの憧れを捨てましょう。理想的な現実を望むのではなく、現実的な理想を自分も作れるようになるため、中村さんのことを解釈し、シェアしたいです。

まずは、できるだけ、早めに自分の中での原石を見つけること。

ディジタル化されたメディア環境に囲まれると、自分の毎日が世界と同じスピードで更新できる即時性が高い一方で、視点がSNSに左右されたり、ライフスタイルが同様化されたりする傾向も強まってきます。自分の居場所は時になくなったり、自分らしさを失ったり、広い町に住む人がかえって縛られる気持ちでいっぱいになったりするのが都市生活の特徴とも言えましょう。ここが地元の人にしても、地方からやってくる人にしても一緒です。

迷っているうちにまた元の自分や変わった自分に出会う人もいれば、そのまま時の流れに流していく人生もたくさんあるのでしょう。働き方と言えば、ただ就職という認識をするのはもう古い考え方、甘いとも言えます。本当はそれが自分の生き方です。幸せって、それをいつまでも誠実に繰り返して実験しながら、常に成長し、徹底していくことなのではないかと思います。結果ではない、その過程しか満喫できないやり甲斐です。

既存の会社・組織の仕事につくか、あるいは自らそれを作り出す創業者になるかは選択肢だけです。違う経験が被ってもいいし、色々勉強するのも貴重ですが、自分の原石を早めに見つけた上で、方向性を意識しながら働く=原石を磨いていく者は幸せに近いのではないかと思います。

中村さん夫婦はそれぞれ自分の原石を東京での経験があったこそ、その時点で見つけたとも理解できますね、また、お互いに同感しあうことができて、一つの大きな原石になることを決めたのは実に彼ら夫婦なりの至福です。お二人から一番自分が反省すべきことは原石を見つけることに間違い無いです。コロナの今こそ、進路に迷ったり、就活に困ったり、独立に恐れたりしている僕たちにとっては、自分の原石と正直に向き合うことが第一歩ですね。

そこから、東京を出て、心に原石を守るまま、京都に再出発した中村さんの第二歩に繋がっていくのです。

ビジネスの原点を作り出すこと

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原点といえば、上のスケッチに表記したPURPOSEのことであり、それに相応しい客観的な要素も含まれています。京都という町に夫婦二人の焙煎所ビジネスをやる選択肢にロジック、つまり理性的なビジネスの考え方があります。
1)Needs: 中村さんが以前記事に述べたようにコーヒー文化が深い京都では、日常に欠かせなコーヒーはessential businessですし、近年スペシャリティーコーヒーの発展により、品質も需要も高まってくるrising industryだと思われます。
2)Capability: また美意識がどこよりも高い町で生き残るには、それなりの覚悟、経験、才能が必要です。そこが東京で洗練されてきたビジネス及び芸術の鋭さとセンスはちょうど中村さん二人の原石に持つものなので、支えられています。
3)Sustainability: ビジネスの洗練には実験の繰り返しが絶対必要とされています。それが許される、もしくは恵まれる環境で挑戦しなければなりません。

スタートアップする前にその三つを基本として合理性を考えてみれば、少しでも選択はしやすいのではないでしょうか。一般論とちょっとした違うところはprofitablityよりはsustainabilityを優先にすることです。一時損しても失敗しても、人に頼らなくてもある程度やり直せる道を選ぶのは長く続けることにもなれます。

ここで第三歩に注目するのは原動力です。

全て原石、原点に生まれるものですが、ビジネスの成長に伴い、規模が大きくなったり、パートナーを加えたりしていくことがよくあります。元のシンプルな形からどんどん内部も外部との関係性が複雑になっているうちに、創業者・リーダーである者は結局迷ってしまい、今までなかった大きな失敗を初めてしてしまう話はよく耳にします。それが恐らく原動力とすれ違う作戦を取った結果です。原動力を常に反省することもより正しく前に進むためです。

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ここでまとめてみましょう:
Purpose:商売をやる欲と言ってもいいですが、その目的は根本です。これでコンセプトの構想、ビジネスの形をデザインする。
Expectation:それで初めて成果に対す期待をコントロールできます。いわゆる成果を評価するシステム、自分なりの基準ができている。
Perspective:前の二つがちゃんとした以上、自分のことも人や業界の評価も客観視できるようにいつも見ていられる。そこで自分も解放できる、体力的に大変なことでも楽に続けられる。この方はよほど達成感が強いでしょう。
Motivation:自分も環境も変化していく中、初心者の平常心で居られるのは原動力の魅力です。原石から行動に繋がる仕掛けだとも言えますか、時に調整しつつもいいですけど、しっかりした方が、効率よく進めることがよりうまくできると思っています。

中村さんから学ぶことは、原石、原点、原動力は何よりも重要視することだと思います。だから熱意も芯も強くそして楽しくやっていけるのではないでしょうか。

Business is relationship.

流行に乗らずに自分の原石をいつになっても、どうしても一番大事にする京都という町も、大山崎コーヒーの個性もISOLATIONという姿勢にはなっています。ただ、そこに
品質にも誠実にも誰にも負けないプライド;
自分への尊重と人への尊敬を意識する思いやり;
インデペンデンスとコラボレーションとも慎重に守る気持ち

という深みがあると思います。そこのバランスが妙なことを感じながら、ビジネスとお客様の間の関連性、連動している景色にも面白いことが見出しました。

ビジネスが常にロジックを優先し、理性的な動物だと見れば、お客様はやや一時衝動的な行動を取り得る感情的な物だと言えませんか?ここで大山崎コーヒーの特徴をいくつかの例に挙げながら、ビジネスとお客様の間、一対一の連動性を見ていきましょう:

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・岩は原始的な雰囲気(岩感=違和感)を店の中で作り出すことで、昔ながら大自然と親しくして来たローカルのお客さんとは、むしろ親近感を一瞬で作れるきっかけになリます。
・豆のまま提供することに関して、店にとってやるとやらないことは自分の中で決めたという中村さんのわがままなところに対しては、お客さんにも好き嫌いがあります。お互いに選択肢もあります。みんなに好かれるより、一部のお客さんが気に入ってくれれば十分だという判断はビジネスの原点及び実績から得たものです。
・お店の方ははっきりとしたこだわりがあるこそ、お客さんに敬意及び憧れが湧いてきます。それが誰でもできることではないからです。
・夫婦二人の商売だから、透明感が高いし、信頼も人柄で分かりやすく、やや作りやすい。

・インディペンデンスなので、お客さんもそれなりの自由度、柔軟性に恵まれます。
・ちょっと入りにくい場所にありますが、それを気にせず、来てくれたお客さんには特別な存在になります。誰でも仲良くするより、お互いに深い絆ができる方に専念します。
・無駄な空間って、実は隙間のある空気作りです。これによって、お客さんに自然の中のように感じさせることができます。どんな親しい関係にも距離がいる、呼吸できる空間にはいつも自然体で入れます。

このようにお互いに影響しあううちに消費者にも理性的な基準を持つようになりますし、ビジネスにも温かさのある愛情が生まれます。もちろん合意するまで強引ではなく、距離感を守りながら、真ん中に近づいていくのには時間、自信、努力、それぞれが必要です。

この一対一の関係をズームアウトしてみたら、周りに同じような関係作りをしているビジネスとお客様がいればいるほど、より良い環境・ビジネスのeco-systemが生まれます。価値観を共有できるコミュニティが育っていく中、みんなが時間をかけて築いて来た愛情と忠実を大事にします。京都は本来この関係づくりの伝統を守る町なので、新入生である中村さんも価値観が一致することで受け入れ、愛され、守られています。

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Interior vs Exterior

Design thinkingにはinsights vs outsightsという言い方があります。中村さんのお店のデザインから、それに似たようなinterior vs exterior 、また表と中身について新感覚が湧いて来ました。空間デザインの世界でよくIn&Outの繋がり、連動性が取り上げられています。たまに、InteriorをExteriorのように考えて、提案したら、いかがでしょうか。場合によって、大山崎コーヒーのお店のようにサープライズがある面白い空間も増えるのでしょう。

京都の町を思い出せば、確か表から中身がすぐ見えない看板作りや店頭デザインが多いかも知れません。だから東京と比べたら、全然物静かな町を歩いていても好奇心が止まらないです。中に入った後の体験は好き嫌いにも関わらず、刺激を受けやすいし、印象深いですね。ここへの工夫はきっとまた関係作りに繋いでいきます。外に惹かれないように上がってくるお客様に専念したいので、わざと外と一線を引くというか;こういう試練が続く中、芯が強くなれ、禅の心が守れるという意味もあるのでしょうか。

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LIVE UP

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人って、楽しいか寂しいかたまったプレッシャも幸せも顔立ちに出ると先輩に言われたことがあります。一瞬の表情ではなく、顔立ちが変わるとのこと。中村さんとは初対面ですが、明るくて穏やかで、柔らかく人を包んでくれるイメージです。東京時代の彼とはどう違ったか今度京都に行く際、奥さんに聞いてみたいですね!今の彼が焼いてくれるコーヒーは絶対美味しいという確信だけはあリます。

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