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生きる上での心の持ちようを、優しい言葉であたたかく教えてくれるエッセイ

たそがれビール』を読んで、
その優しい言葉と
美味しそうな料理、

そして外国での旅の経験談に
強く惹かれ・・・
またも小川糸さんの本を購入しました。

今回はこちら。

『たそがれビール』と同様に、
日記形式で綴られたエッセイです。

1年の過ごされ方、
特に夏に行かれていたドイツでの
暮らしの様子が素敵でした。

ただし、
今回の日記形式のエッセイは、
2011年という東北大震災のあった
特別な年に執筆された作品だったこともあり、


生きる上で大切な心の持ちようが、
たくさん書かれていたような気がします。


私が特に感銘を受けた言葉を
4つご紹介します。

疫病の流行や、オリンピックに向けた不安で、
一昨年よりも少し不自由な『今』だからこそ、
2011年の小川糸さんの言葉に
強く感銘を受けたのかもしれません。



特に印象的だった言葉をご紹介

何が幸せで、何が不幸かは、
最後まで見極めないと、
本当にわからない。
人生は、なるようにしかならないから、
ジタバタしても始まらないし。
ケセラセラの精神で、
生きていかなくちゃ!
(小川糸『こんな夜は 』より引用)

生きる上での心の持ちようとは、
まさにこのことだと思います。

先のことを考えること、
今できることを精一杯やることは
もちろん大切ですが、

人生はなるようにしかならない部分が
絶対にある。

そう思うと、
少しだけ心と身体に余裕ができ
身動きが取りやすくなりそうですよね。


◇ ◇ ◇

学生の時、
一人暮らしをしたことはあったけど、
そしてそれなりに楽しかったけど、
二人に慣れてしまうと、
なんだか今更一人暮らしに戻るのは、大変だ。
(小川糸『こんな夜は 』より引用)

私自身、結婚・出産をし
人と暮らすことが当たり前になり、
今の自分と重ね合わせてしまいました。

確かに、人といるのがあたりまえになると、
出張や帰省などで誰かが欠けるだけで
なんとも言えない孤独というか、
寂しさを感じます。

同時に、
みんなでいられることの有り難みを感じます。

そんな気持ちを代弁してくれたような、
一文でした。


◇ ◇ ◇

商店なんかの品揃えを見ても、
日本がいかに物であふれているか、
如実にわかる。
選択肢がたくさんあることは
素晴らしいことだけれど、
その一方で、
その選択肢の多さに振り回されて、
疲弊してしまっているような印象を受ける。
(小川糸『こんな夜は 』より引用)

かれこれ5年近く海外へは行けていませんが、
確かに今の世の中には
ものが溢れすぎている気がします。

使っては買い替えての繰り返しで、
1つのものを大切に使う、
という意識が薄れてきたような・・・

ただ、SDGsの取り組みの本格化により
ものを大切にする習慣が
また戻ってきそうですね^^


◇ ◇ ◇

ヨーロッパに行って帰ってくると、
「自立」という言葉を
どうしても意識してしまう。
自分が今どこにいるか、
そしてどこに行きたいのか、
ということを常に自覚していないと、
方向を見失う。
(小川糸『こんな夜は 』より引用)

2020年のコロナウィルスの流行により、
自分がどこにいて、どこに行きたいのか
そんなことをやっと考えるようになりました。

時間は有限で、
何も考えないでいると時間だけが
猛スピードで過ぎていきます。

きっと、海外へ行けば
自立の大切さをもっと痛感するんだろうなぁ・・・



1冊の本で、生きる上での指針になるような言葉に出会えるのは幸せなこと


好きなところに、
好きなように外出をしにくい今だからこそ、
本から得られることが貴重で、
とても幸せに感じます。


以前、1冊を通して何かを得ることができれば
『もうけもの』
ということを記事に書きましたが、
本当にその通りです。

何冊もの本の内容を、
長期間、鮮明に覚えていることが
難しいからこそ、

1冊の本から何かを吸収できれば、
それはすごく嬉しいことです。


今回のエッセイも、
ビールを飲みたい!
という不純な気持ち(笑)から、
小川糸さんの本に出会え、
さらに今回の1冊と出会えました。

また、今回読んだ中でも、
次に読みたい本が見つかり
既にAmazonと楽天で4冊購入。
(買いすぎや・・・)

素敵な言葉と一緒に、
新たな興味に出会え、
今回も『もうけもの』な読書でした^^

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