見出し画像

どうして寝ないといけないのか?

あなたの親をはじめ、
経営者、科学者、研究者・・・
みんな口を揃えて
睡眠は大切』と言いますよね。

それは、睡眠が
あなたの感情の制御や、
仕事の生産性、健康に
大きな影響を及ぼすからです。

ある実験では、
中〜重度の睡眠障害者は
そうでない人に対し、
仕事の生産性が107%以上
低下するとの結果が出ています。

また、
軽度の睡眠障害でも
58%以上のパフォーマンスの
低下が明らかになっています。

さらに、睡眠不足は
脳の記憶やワーキングメモリの
機能を低下させたり、

細胞や臓器の回復機能を
阻害したりしてしまいます。

睡眠に関する80以上もの研究が
集約された本『sleep,sleep,sleep』。
今回はここから学んだことを
残していきたいと思います。



睡眠に期待できる効果その1 脳の空きスペースが増える


起きている間(覚醒中)、
普通の生活をしているだけでも
たくさんの情報が
脳に入ってきます。

睡眠中は、
覚醒中に得たたくさんの情報を
整理し、余計な情報を削除
していく作業をします。

靴下をどこに脱いだか、
昼間に食べたアイスのゴミを
どこに捨てたか・・・

翌日になると
忘れていることが多いですよね。

それは、脳にとって
必要でない情報だと判断され、
睡眠中に削除されたためです。

逆に、
どのような情報が
重要と判断されやすいのか?

言い換えれば、
どのような情報なら
記憶に定着しやすいのか?

それは、以下の3つの情報です。
・繰り返されたもの
・感情が伴うもの
・社会的に重要だと判断したもの

勉強した英単語を
記憶に定着させるために
何度も繰り返すように
言われるのはそのためですね。

そして、
寝不足になると、
脳の情報の整理や記憶の機能が
低下し、
記憶力が落ちてしまいます。

間違っても、
テストの前に徹夜はせずに、
数日前から繰り返し勉強し、
たっぷり眠ることを
心がけてくださいね。



睡眠に期待できる効果その2. 創造的になる

睡眠には大きく分けて
ステージが4つあります。

睡眠の4ステージ
ステージ1:覚醒→睡眠へのシフト期
ステージ2:浅い眠りの状態
ステージ3:深い眠り
ステージ4:レム睡眠

それぞれのステージによって、
分泌されるホルモンや
脳から出る指令は異なります。

そして、創造性に影響があるのが、
ステージ4のレム睡眠

レム睡眠時は、
新しく得た情報と
元から脳に記憶されている情報が
ミックスされる期間です。

そのため、
新しいことが思いついたり、
夢に出てきたりすると
言われています。

元素周期表を作成した
ロシアの化学者
ドミトリメンデレーエフは、

元素が並んでいる様子
を夢で見たそうです。



睡眠に期待できる効果その3 太りにくくなる

食べた栄養を熱に変える量を表す、
熱産生量という指標があります。

熱生産量も睡眠の影響を
大きく受けてしまいます。

ある研究では
一晩の睡眠不足により、
翌朝の熱生産量は20%下がる
という結果が出ています。

つまり、
睡眠不足の翌日の方が、
食べものから得たエネルギーを
体に溜め込もうとする
ということ。

また、別の研究では
7時間未満の睡眠になると、
より多くの糖を摂取し、
食物繊維の摂取が少なくなる

ということを明らかにしています。

さらに、睡眠不足は
満腹を知らせるホルモンGLP-1
の分泌量や、
筋肉増加に欠かせないテストテロンの
分泌量を減少させ、

満腹を知らせるレプチンの
分泌量を減らしてしまいます。

つまり、
睡眠不足になることで
栄養を溜め込むモード

なってしまうのです。


もし、あなたが健康的で
スポーティな身体でいたければ、

睡眠時間は
きちんと確保する方が良いのは
疑う余地がありませんね。



睡眠に期待できる効果その4 認知症の予防になる

脳は、情報伝達をする際に
有害なタンパク質を
発生させてしまいます。

そのタンパク質が、
認知症の元とされている
アミロイドβ。

そして、
睡眠が阻害されたり、
きちんと睡眠が取れていないと

本来、情報伝達時に
ある程度排除されるべき
アミロイドβが脳に残ってしまいます。

そして、
それらの残留物が増えることで、
認知症が進んでしまいます。

なお、
睡眠障害と認知症はどちらが先か
という議論がされることが多いですが、

近年の研究では、
睡眠障害が認知症に
影響を及ぼしているという
主張が多いようです。



良い睡眠を取るための3つのポイント

上記に挙げた
睡眠のメリット以外にも、

感情のコントロールや
抗鬱、細胞の生まれ変わりなど
様々な体のメンテナンスを
司る睡眠。


それらの機能を
効果的に発揮するために、
私たちにできることは
なんでしょうか?

日常生活で出来る、
3つのポイント

ご紹介します。

夜寝る前にスマホを遠ざける
というのは
既に知られていると思うので
ここでは割愛します。


睡眠のために日常生活で出来る3つのポイント

・太陽の光を浴びる
・カフェインを取る時間を気にする
・スポーツをする
(できれば時間も気にする)

・太陽の光を浴びる
晴れの日は30分、
曇りの日は1時間。

なるべく午前中のうちに
太陽を浴びるようにします。

そうすることで、
体内時計が調整されます。

もし、1日屋内にいる場合や
入院している場合は、
なるべく窓に近い場所に
滞在するようにしましょう。

入院中の患者を対象にした実験で、
窓に近いベッドの患者の方が
よく眠れることが
研究で明らかになっています。


・カフェインを取る時間を気にする
コーヒーが大好きなら、
摂取をやめる必要はありませんが、
なるべく夕方以降は
控えることがおすすめです。

カフェインは、
アデノシンという
体内の睡眠導入物質
を阻害することが
言われて久しいですが、

それに加え、
体内時計にも
影響を及ぼす
ことが
明らかになっています。

カフェインを就寝前に取ると
メラトニン値(睡眠時間だよ!
と知らせてくれる物質)が
ピークを迎える時間が
40分遅れる
ようです。


一方で、
朝とったカフェインは
肝臓の働きを促進する、
脳を覚醒させるなどの
効果が期待できるため、

コーヒー好きのあなたは、
飲む時間だけ
気にするようにしましょう。



・スポーツをする
(できれば時間も気にする)

スポーツをし、
適度に疲労することで
良い睡眠が取れることは
既にご存知だと思います。

そして、できれば
スポーツをする時間
調整するようにしましょう。

研究では、
・午前中に運動すること
・7〜8時、15〜17時に
持久系スポーツをすること
で体内時計が調整されると
言われています。

一方、
19〜22時にランニングなどを
行うと、体温が上がってしまい
体内時計が後ろにずれる
とも言われています。



まとめ

睡眠には、
身体の機能を調整し
回復する機能や、
記憶の整理をする機能、

感情のコントロールや、
抗鬱の機能があります。

つまり、睡眠は
身体と脳の調整とリセットの
大切な時間です。

そして、
1日の睡眠不足でも
それらの機能を害して
しまうことが明らかになっています。


睡眠から得られる機能を
最大限に発揮するために、
寝る前はなるべくスマホを
触らないこと
はもちろん、

太陽の光を浴びる、
カフェインを取る時間を気にする、
スポーツをする、
なども
意識に的に行うようにしましょう。

また、
良い睡眠のためには
良質な食事も欠かせません。

運動、食事、睡眠を
整えることで、
健康的な日々を過ごしたいですね。





\書籍はこちら/


この記事が参加している募集

読書感想文

サポート不要です!応援したい方がいればぜひその方を応援してください!「応援」という貢献があなたをポジティブにします