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料理の美味しさと、毎日のありがたさを感じられる1冊

なんだかいとおしいほどだ。
この程度の、私。

(宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』より引用)

食べるのが大好きな私が、
作品名と綺麗な黄緑のブックカバーに
惹かれて買ってしまったこちらの1冊。

主人公の女性、あすわが、
人生最大の大波乱とも悲しい出来事から、
自分自身を『いとおしい』
と思えるようになるまでのストーリーです。


自分自身を『いとおしい』とは、
なかなか感じることができませんよね?

主人公のあすわも初めは、
いとおしくなんて思えるわけがない、
と思っていました。


◇ ◇ ◇


今回ご紹介するのは、
2010に刊行された、宮下奈都さんの
太陽のパスタ、豆のスープ』です。



私は、私が選んだものからできている

ストーリーは、
婚約者に突然振られてしまうところから
始まりました。

突然、人生のどん底に突き落とされた
そんな感覚になり
自暴自棄になっていたあすわ。

親戚のおばさんに
ドリフターズ・リスト(やりたいことリスト)
を書くように勧められ、
書いてみることにしました。

そして、リストをきっかけに、
リストに書いたことを少しずつ実践しながら、
時にはリストの内容をより具体的にし、

主人公あすわの家族、
友人、同僚、職場の方々・・・
色々な人との関わりを通じて、

人にはそれぞれの事情があり、
背景があることを知っていきます。

関わる人に刺激を受けながら、
もがき苦しみながらも前へ進み続けたあすわは、ついに、

自分自身は、自分が選んだものからできている
ということに気づき、
自分自身が前向きに
物事を考えられていることに気づきます。

つまり、
親戚のおばさんに勧められた
ドリフターズ・リストがきっかけで
どん底の人生から、
自分の力で前へ進めたのです。



物語全体を通して出てくる食べものが美味しそう

この本では、
物語全体を通して、『食べ物』が出てきます。

あすわのお母さんが作る美味しい料理、
親戚のおばさんの行きつけの定食屋、
あすわの友人が作る豆料理など・・・

それらの料理の描写が
優しく、そして美味しそうに
イメージができ、

起承転結の物語ながらも
常にほっこりした気持ちで
読み進めることができました。



編集後記〜小説の感想を書くのは難しい〜

半年ぶりに、
ビジネスに全く関係のない小説を読みました。
そこで感じたことが2つあります。

1.感想を書くのが難しい
2.小説こそ、人の人生を擬似体験出来るツール

特に、感想を書くのが難しいことは
強く感じました。

伝えることって、
簡単なようで、難しい。

と、言うよりも、
具体的に読み手に想像してもらえるように、
伝えることが難しい。
そんなふうに感じました。


1.感想を書くのが難しい

この記事を書いてみて痛感しました。

本当はこの1冊、
もっともっと美味しい描写がたくさんあり、
主人公の苦しみや喜びが散りばめられた
1冊なんです!!!

でも、自分自身の言葉と
ライティングの技術だと、
うまく表現できないことを痛感しました。

実際に、
記事を読んでくださっているあなたには、
この本の面白さが伝わってませんよね?

所々にでてくる豆料理の描写は、
豆の美味しそうな少し甘い香りや
夏っぽい風景が頭に浮かぶ、
素敵な言葉でいっぱいなんですが・・・・

もっと伝える力を身につけたい
感じた今日の執筆でした。


2..小説こそ、人の人生を擬似体験出来るツール

言葉の通りですが、
登場人物がいて、ストーリーがある小説。

それこそが、リアルに人の人生を
(フィクションの人生ですが)
擬似体験できるツールだと感じました。

伝記を読むことでも、
人の人生を擬似体験するこはできます。

しかし、
嵐のような人生、や
燃え上がるような恋、は
なかなか伝記では体験できません。

もちろん、普段の生活でも
頻繁に体験することはないでしょう。

そんな貴重な体験ができるのが、
小説ならではの楽しみだと感じました^^





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