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「『そしてバトンは紡がれたのだった』…っと。これにしよう」 いつの間にか日付が変わってい…
意を決して、屋上への階段を上る。 ドアを開けても、もちろん誰もいない。だからこそ決意でき…
年明けの仕事は身が入らない。 久しぶりに目の前の画面とにらめっこしていただけで、めまいを…
文化祭、僕は君と、あの場所で2人きり。 「私、実はずっと――――――」 その続きに来る言…
トンネルを抜けると、昔と変わらない海岸線が視界に飛び込んできた。 道路沿いに車を止めて、…
その日のことはよく覚えている。今日のような寒い日だった。 たまたま見つけた自動販売機。10…
手元の手帳のスケジュール欄を見ると、次の予定は30分後だった。 さっきコンビニで買ったおにぎりをお茶で流し込み、駅へ歩く速度を少しだけ上げた。 夏に着るスーツほど煩わしいものはない。額の汗をハンカチでぬぐいながら、冷房のよく効いた車両に乗り込む。 大学4年目の夏。こんなにせわしなく行動するのは新鮮だが、苦労もひとしおだ。 _______________ 電車を降り、エスカレーターに乗ると、後ろからトントン、と肩を叩かれた。 振り向くと、 「あ、やっぱそうだ」
〇月✕日 4日目 この奇妙な世界に来て、もう4日が立つ。 不安と闘いながら、この記録を残し…
僕は君のことを決して忘れなかった。 そう、たとえ何年経っても。 それが、それこそが、僕た…
ある朝目を覚ますと、そこは無機質な部屋。 白い壁と天井、そして最低限の家具。 ベッドの上…
気づけば、あっという間に扇風機の季節は終わっていた。 外で鳴くセミの鳴き声が、騒々しいア…
抜けるような青空と、同じくらい透き通った青い海。 白い砂浜が、その青さをより際立たせる。…
君と出会った意味を考えてみることがある。 けどそれは、「意味がない」ことも選択肢に入れて…
春。 枝の新芽が芽吹き、新しい世界が動き始める。 それは僕のバイト先でも例外ではない。 「え~、今日から新しくバイトに加わる子が何人かいるから。みんな仲良くしてやってくれ。あ、ちゃんと仕事も教えてくれよ」 去年、自分はここで紹介される側だったな、と思うと、少しだけ感慨深い。 やや緊張した面持ちで、新人の子たちが順番に簡単な挨拶をし始めた。ふと見ると、その中にひときわ背の高い女の子がいるのに気づいた。 その子は、 「高橋未来虹です。一生懸命がんばります。よろしくお