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わたしが見てきた 学校現場② 新任教員と教員研修制度

前回に引き続き「学校現場」シリーズ

ちなみに、前回の記事はこちらです。

今回は前回同様、離職に繋がりやすい
こちら「新任教員」

さらに教員の「研修制度」について
触れてみたいと思います。

2.新任教員と研修制度

この記事を書くにあたり
これまで自分が勤務してきた

6つの小学校で出会った
多くの先生方を思い浮かべました。

年齢やご経験は様々ですが
どの先生もきらりと光る個性をもち

熱い、温かい思いを胸に
子どもたちへ
優しい眼差しを向けられていた
素敵な先生方でした。

一見「厳しい」と思われる方でも
その言葉や行動の裏には

子どもへの「愛」がある
そういった先生方とともに
33年の月日を
学校で過ごしてきました。

その中で
「新任」の先生の新たなスタートに
直接携わった経験が2度あります。

そのうちの一つ
昨年度、新卒新採教員の
指導教員を一年間経験
して感じたことを
お伝えしていこうと思います。

ご存じの方も多いと思いますが
現在、東京都の公立小学校教員の
採用試験の倍率は
下降の一途をたどっています。

 東京都教育委員会が実施した2024年度の教員採用試験選考について、小学校の受験倍率が1.1倍だったことが分かった。都教委が29日、発表した。小中高、特別支援学校を合わせた全体の倍率も1.6倍で、始めて2倍を切った。いずれも過去最低だった前年を下回り、教員の質の低下や人手不足がいっそう懸念される事態となっている。

朝日デジタル 2023年9月29日

そんな中で「教師になりたい」
熱く、貴重な思いをもって
教壇に立たれる決心をされた

若くて有能新卒新採の先生です。

昨年度はこの方の他に
もう一名、新卒新採の方が
配置されました。

やや話は逸れますが
団塊の世代の
わたしよりやや年上の方々が
次々と退職され今学校はまさに
世代交代が進んでいると感じます。

しかし、学校の
大事な基盤となるはずの採用は
正直これまで
行き当たりばったりだったと
言わざるを得ません。

理由は先生方の世代の比率です。
ここでは詳しく述べることを避けますが

現時点でいうと
40代の先生が極端に少なく
形でいうと年代ごとの比率が
「ひょうたん型」に
なっていることに起因しています。

つまり、これからまた
何の配慮もせずにまた
退職した人の数だけ採用していくと

同じ「ひょうたん型」を
作ってしまうことになります。

採用はぜひ、先を見据えて
行ってほしいと感じます。

前置きはこのくらいにして
この新卒新採教員の
指導や研修は
どのように行われるのか……。

最初から

衝撃の事実

を申し上げると
なんと恐ろしいことに
4月1日に採用になり
約1週間後には
担任として教壇に立っことになります。

つまり

担任という業務に
いきなりOJT
(On the job traning)で
体当たりしていく

ということです。

もちろん、教育実習は経験してきています。
しかし、だれもが分かることですが
実習と実務の違いは
『責任』が発生することです。

その責任の重さをついこの間まで
学生だった若者に負わせる

ということです。

少し時間を戻して
4月に赴任するとすぐに
「初任者研修」が行われ
自治体ごとに新採教員が集められて
全体研修が行なわれます。

そこから学校に戻り
説明された今年度の研修計画を
指導教員と一緒に立てます。

指導教員はもちろん
「わたし」です。

指導教員(わたし)には
「学年主任(担任)」
「特別支援教育コーディネーター」
「保幼小連携担当」「教育相談係」
「生活指導担当」「学芸的行事委員」
「教科主任」

などの一般の教員と変わらない
校務がもともとあります。

わたしの他のもう一人の指導教員は
「教務主任」でしたので
「教務主任」「学年主任(担任)」
「学習指導担当(校内研究含む)」
「体育的行事委員」「教科主任」

これらを行いながら
指導教員としての職務も行っていました。
このほかにも
委員会やクラブの運営
にも
携わります。

注)栃木ではこれよりは少しマシでした。いくつかの学校の掛け持ちではありますが、わたしの他にもう一人新任の先生の授業を週2回ほど専属で見に来てくれる指導教員がいたからです。初任者研修はこのように、自治体によってことなります。

新学期がスタートして指導教員が
新任の先生と一緒に行うことは
まずこの研修計画作成
1週間後に始まる教室開きや授業の準備
合間に社会人としての心得
学校の仕事のシステムについての
OJTなどです。

自治体ごとに配布される
研修の手引きなどはあるものの
学校ごとにマニュアルなどがあるわけでもなく
それぞれの指導教員に任される形
研修が進んでいきます。

自分の学年や学級の仕事
校務も滞りなく遂行しながら
更に指導教員というオマケをぶら下げて
     
(言い方が悪くてすみません:汗)
日々業務を行っていくことになります。

わたしの場合低学年担任だったため
図工や音楽など
専科の先生が入ってくださる
授業がほぼなく
放課後まで空き時間がないため
新採の先生の授業を見に行くことが
かなり困難
でした。

「後補充」といってわたしのクラスの授業を
代わりに進めてくださる
非常勤講師の方も来てくださるのですが
自分の力不足もあり
クラスがなかなか落ち着かない状況で
初任者研修は本当に困難を極めました。

これは、初任の方がダメなわけでも
「後補充」の方が悪いわけでも
わたしの努力が足りなかったわけでも
ありません。

この

『研修システム』自体に
問題がありすぎるのです。

これでは夢をもって教員になったはずの
有能な新任教員たちが辞めていくのも
無理はありません。

なんなら、指導教員だって
一杯一杯
、それこそこの方法では
よい教師を育てていくのは無理です。

行きつくところは前回の記事と一緒
とにかく

人を増やしてほしい。

前回の記事でも述べた通り

学年を複数の教員で担当すれば
新任の先生も
いきなり担任を持つことなく
周りを見ながらスムーズに校務に
慣れていくことができます。

更に、指導教員に
オマケをぶら下げるのではなく
正規の職員
をちゃんと研修に対応できる形で
配置
してあげてほしい。

若さとやる気のある
これからの先生方を
これ以上潰さないでほしい!

やはりそこにも重要なのは

『予算』です!

こんなに教育にお金を掛けていない
先進国は他にはありません。

日本は資源のない小さな島国です。
子育てや教育にしっかりと向き合い
お金を掛けていかなかったら
この先一体どうなるのか。

今を生きる、これからを生きる
子どもたちが

『幸せ』を感じて生きられる
未来は『明るい』と感じられる
そんな世の中にしていきたいと
真剣に考えています。

行動していきます!

【その後談】
わたしが担当した
新任の先生は
ものすごく努力家で
頑張り屋さんだったため
途中、身体を壊しそうにはなりましたが
その後復活し、今年度は
高学年の担任として
立派に活躍されている様子
です。

研修が思うようにできなくて
申し訳ない気持ちで
いっぱいではありますが

教師を
続けてくれていることが
何より嬉しいです!


今日もここまでお読みいただき
ありがとうございました💗

これからも自分のペースで
一歩一歩進んでいきます🍀




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