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知ってるつもり?【セッション・マナー】

セッション・マナー

ロック、ブルース、ジャズのセッションにはマナーがあります。マナーを知らない音楽家はセッション参加時に「いつ誰が何を演奏するか」「誰に決定権があるか」「いつそれを知るべきか」が分からずおどおどしてしまいます。マナーを知っている音楽家にしてみれば、相手が「マナーを知らない音楽家」だと決めつけて自分主体でセッションを遂行するのも気が引けます。つまり、マナーを知らない音楽家も、知ってる音楽家も何もできないんです。さらに上記のようにしつこく「マナー」と書いているのは「ルール」ではないからです。ルールなら「守るのが善」「守らないのが悪」ですが、マナーなので守るか守らないかは音楽家本人に委ねられているんです。さらに、ヨーロッパとアメリカで異なるのはもちろんのこと、アメリカ国内でも西海岸と東海岸では異なります。音楽背景がジャズなのかクラシックなのかによっても考え方が異なります。従って、複数の音楽家が初対面でセッションする場合は演奏を頼りに「音楽リテラシーを判断する」しかないんです。これは全世界共通の問題です。

それを確認するのが「ジャム・セッション」です。ジャム・セッションとは知らない音楽家が集まって演奏することを意味します。これによりお互いの音楽リテラシーが分かり、「自分の音楽レベルと同等かどうか」「今後この音楽家と付き合うべきかどうか」などを判断するんです。これに失敗している日本人音楽家を何人見てきたことでしょう。

初心者ほどマナー大切

「自分は初心者音楽家だからしょうがない」というのは間違いです。初心者音楽家ほど「自分よりレベルの高い音楽家と付き合って自分のレベルを向上させるべき」だからです。

それではまず前提知識となるリード・シートやスタンダードとは何かとの知識を身に付けてから、世界で通用するセッションのマナーを身に付けましょう。その後にバンド構成とリーダーによる違い、音楽背景による違い、文化圏による違いを見て行きましょう。

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