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#24 『豆腐屋のおじさん』

2023年11月某日

筆者は人口10数万人程度の地方都市に住んでいる。そのため、生活の中に「八百屋さん」「お魚屋さん」「お肉屋さん」といった、土着的な業態を利用する場面もまだまだあり、むしろそのような場所に行くことが好きだったりする。最近は、「お豆腐屋さん」などもよく利用している。

先日、ご近所のお豆腐屋さんを訪ねたところ、御年90歳の店主が丁寧に迎えてくれた。今でも現役で、毎朝5時から豆腐づくりに励んでいるのだという。大変だな、と思うと同時にひとつの疑問が湧いた。なぜ、豆腐屋の朝は早いのだろうかと。

インターネットサーフィンで調べてみたところ、どうやら「製造と仕込みの段取りサイクル」によるオペレーション側の事情が大きいようである。豆腐屋のビジネスは「翌日の仕込みは、朝の製造が終わって、一休みしたあと、午後の早い段階に行って、PM5時くらいには店じまいする」というのが慣例で、諸々逆算すると「製造」に充当できる時間は結局「早朝」となるようである。

このことを知る前、筆者の仮説はもう少しマーケティングよりのところにあった。朝、豆腐屋の行商を見かけたサザエさんみたいな女性が「お豆腐ひとつ」などと窓から声をかけ、朝食のお味噌汁用の豆腐を調達する、みたいなシーンを思い浮かべて欲しい。筆者の仮説は、このような「朝の需要のポイント」に適時適切に豆腐を供給するために、最もフレッシュな豆腐をさらに早い時間帯に準備しているというものだった。

オペレーション的な事情か、マーケティング的な事情か、実際のところはよくわからない。ただし、ひとつの気づきとして両者は鶏と卵の関係にあることがわかる。つまり「朝5時に豆腐をつくらないといけないから、朝需要を探索して、”味噌汁に豆腐”みたいなスタイルが定着した」or「”味噌汁に豆腐”みたいなスタイルが定着したから、朝5時に豆腐をつくるインセンティブが生まれた」という関係である。

色々書いたが言いたいことをまとめると「豆腐屋のおじさんいつもありがとう。」ということになる。

ほなら。

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