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一級建築士がwebマーケティング会社に転職して1ヶ月で感じたこと

前回のnoteに書いた通り、大学院を出てから8年半ずっと建築設計の仕事に携わってきた私が、ひょんなことからwebマーケティング会社に転職しました。
2社目の住宅会社で設計業務のかたわらで広報業務を兼任し、メディアの力を使えば住宅業界を何か良い方向に変えられるかもしれないと思ったのが転職のきっかけです。
転職をして1ヶ月が過ぎた今、異業種に行って感じたことをまとめておきたいと思います。

1.職場環境が若い

webや出版など事業ごとに会社を分けており、グループで70名程の社員がいます。
グループ全体では広告業に分類されており、20代の人が多いことに驚きました。
平均年齢を尋ねると33歳とのことでした。
24歳から28歳まで働いた設計事務所でも一番か二番に若かったですし、28歳から32歳まで働いた住宅会社でも一番若かったので驚いています。
若い人が多いことで社内に活気があって、明るい雰囲気といった印象です。
経験がものを言う建設業とは異なる価値観を感じている一方で、若くて不安定な部分もあるだろうから色々とフォローしていければと考えています。
また男女比も4対6で女性の方が多いことも建設業とは違うなと驚きました。
建設業は社内外共に男性が非常に多かったので、1ヶ月そこそこでこの雰囲気にはまだ慣れません。
女性らしい能力でフォローしてもらえたら非常に助かるなと思っています。

2.労働集約型からストック型ビジネスへの転換

建設業と比べて今の仕事は、ビジネスモデルの違いが大きいと感じました。
建築設計は労働集約型で、現在のwebマーケティング会社はサービスの年間利用料をはじめとしたストック型のビジネスです。
人の労働力に依存していた建築設計では、毎日が必死だったように思います。
直接売り上げの上がる仕事が評価されがちだった前職では、3年後のお客さんを確保することを目指して、誰にも評価されない広報業務をしながら、設計業務や小さいリフォーム工事の段取りをしていました。
広報業務で種まきをしないと面白い設計の仕事はできないし、兼務しているから設計業務も効率的に取り組まなければならない状態で、両立するためにとにかく必死でした。
現在のwebマーケティング会社では、登録制のメディア運営をしているので、登録してもらえれば売り上げが上がります。
語弊がある表現になってしまいますが、極端なことを言えば何もしなくても売り上げが計上されます。
もちろんそれだけで会社が存続するのが不可能なので、何かしら努力が必要ですが、売り上げ0スタートではない分、心の余裕が違います。
心に余裕があると、新しいアイディアを考える気持ちになりやすく、結果として新しい価値を創造しやすい環境になっています。
まだ1ヶ月なので直接的に売り上げに繋がる価値創造はできていませんが、数ヶ月後の社会の役に立つであろうサービスに向けて準備中です。

3.複業は価値がある

建築や家づくりの知識を持って、住宅会社をサポートするメディアの会社に転職し、その両方の価値を理解していることがとても貴重だということがわかりました。
私も経験してきたことですが、オープンハウスのイベント告知でメディアの会社に協力を依頼した場合、どうしても伝えたいニュアンスがうまく伝わらないことがありました。
住宅会社がメディアの効果的な打ち出し方を知らないし、メディアの担当者は住宅の魅力を理解しきれていないからどう伝えたいかわからないからです。
そこで双方の価値観を理解している私が、通訳のように上手く橋渡しができることがわかりました。
現時点で住宅会社の担当者のわからないをメディアの担当者に伝え、その逆で住宅会社の魅力をメディア担当に伝えることができています。
建築、メディアに加えて写真家として見せ方に対する知識もあるので、写真の撮り方のアドバイスもできます。
建築、メディア、写真と複数の能力を持った複業力が価値を示し始めています。

4.自分の価値を最大化させたい

建築設計の道からwebマーケティング会社に転職してから、若い同僚に囲まれた明るく活気のある雰囲気で、ストック型ビジネスで気持ちに余裕が持てており、今まで培ってきた複業力が役に立っています。
今はSMAPの世界に一つだけの花で歌われている通り、No.1ではなくオンリー1になれればいいなと思っています。
建築設計が好きで、学生の頃から自分なりにがんばってNo.1を目指してきましたがどうも上手くいきませんでした。
一つの道を極めてNo.1になることって本当に難しいのだと、たくさん挫折してきました。
しかし建築も好きで、写真も好きで、掛け合わせて広報業務に取り組み、それをきっかけに転職した今だからこそ、複数の能力を掛け合わせたオンリー1にこそ、私が社会に価値提供できる道だと感じています。
No.1にはこれからもなれないと思います。
それでも複業家としてオンリー1で、新しい価値を世の中に広げて、自分の価値を最大化していきたいです。

建築と写真で素敵な生活のサポートをしたい