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【第8話】ブランディングに携わるひとの「覚悟」について

最近、社内外の何人からか良く言われることがある。「美濃部さんだから、できるんですよね?」「それって、スケールするんですか?」

そのたびに僕は閉口してる。人に紐づく仕事は、継続性や汎用性がないから、今一つ、、、みたいなこと。僕はそういう人たちに伝えたいことがある。

「その人ならではの仕事ができない人に、スケールするような事業や持続性のある事業なんかつくれない、、」

「狂ったような情熱・執念」がなければ、事業なんていうのは作れないし、大きくなっていくこともないということは、それをやったことのある人であれば、当然のごとくわかっている。

さて、ブランディングの仕事に関しては、どうか?

「ブランディング=伸びしろを翻訳して意味を創り、価値を再定義する。」ということだから、事業の主の翻訳者でなければならない。退路を断って事業を立ち上げている責任者(その多くは、創業社長や創業社長から託された人)のことを理解するなんていうことは、机上のことでできるはずはない。その喜怒哀楽を共にしないと、できるわけがない。表に見えることだけではなく、言葉化されていることだけではなく、自分の目で見て、耳で聞いていかないと、、。そして、誰かからのまた聞きには小さな嘘が散りばめられているし、、。また、事業主が一番大切にしていきたいと思っているお客様を観察したり、時には話を聞きに行ったりすることが不可欠だ。

ブランディングの仕事には、「覚悟」が必要だ、と思う。

覚悟とは、、シンプルに言ってしまえば、「仕事を仕事と思ってやらずに、ワークライフ・インテグレーションな人生を送るつもりがあるかどうか、、」ということだ。創業オーナー社長やオーナー社長に託された人は、大体がいつも頭のどこかしらで、仕事のこと、お客様のこと、社員のことを考えている。そのパートナーとなり翻訳機能を果たすということがブランディングという仕事なのだから、それに付き合う覚悟が必要なのである。

その覚悟があると、目にするふとしたこと、耳にするふとしたことが、すべて有益なインプットになってくるようになる。

たとえば、服に関係のある会社のブランディングをするようになった僕は、今、服をアホみたいに買っている。コロナだから、オンラインストアで買っているのだが、買う時の気持ち、届いたときの気持ち、初めて着たときの気持ち、それを洗う時の気持ち。大切なものやお気に入りのものは、エマールをつかって大きな桶にいれて手洗いしたりもしている。「今日は大切なことがあるから、こういう格好をしよう、、」とか、今日は気持ちが〇〇〇だから、これを身に着けよう、、」だとか、、服と自分の関係性をいつも考えるようにもなれる。もともと僕自身も服やおしゃれなものが大好きだから、すぐに楽しめてしまうのだけど、、、服好きの人の気持ちは、服がどのような意味を生み出すことができるのか、、?など、一日中、ことあるごとに感じたり考えたりするようになる。朝起きてから夜に風呂に入る時までの時間、ずっと、何らかのインプットや情感が沸き起こり発見に溢れる毎日になっていくのだ。

こうして、絶えず意識する。365日、起きている間は絶えず意識している。それができることが、すぐれたマーケターになるには必須条件だ。それが習慣にできることが、マーケターの資質として最も大切なひとつだ。

以前のこのnoteに書いたが、数字だけを分析しても、絶対にダメで、数字の先にいる人の喜怒哀楽や、数字の先にある「そのシーン」がイメージできると素晴らしい気づきと発見があり、優れたアウトプットを生み出す源になる。「いつか見たことのある、あの時の、あのシーン」の数が多ければ多いほど、想像することは容易になっていく。このような状態を自分自身でつくることができたら、マーケティングでもブランディングでもPRでも、人の心を動かすようなメッセージやコンテンツなどのクリエイティブを生み出すためのディレクションができるようになる。

冒頭に書いた、いろいろな人からされる質問に対しては、、「覚悟」から生まれる「意識の中にある時間の量」「引き出しの数」さえあれば、誰にでもできる。「そう、目の前にいる今年の4月に入社した君にだって、必ずできるようになるよ!」と言ってあげたい。

覚悟」から生まれる「意識の中にある時間の量」「引き出しの数」を「努力」という人もいれば、「努力は夢中には敵わない」という人もいる。そんなのどっちだっていい、と僕は思う。「努力」にしろ「夢中」にしろ、圧倒的な情熱、狂ったような情熱、執着心をもってやっていれば、そのうち、そのことが大好きになっていくから。

なぜかって???

その過程で一番大切なものをたくさん投資したから。それは自分自身の自由な時間誰もが持っているもので、誰にとっても一番大切なもの。

C’est le temps que tu as perdu pour ta rose qui fait ta rose si importante.  「君が君の薔薇のために割(さ)いた時間、それこそが君の薔薇をかけがえのないものにしている。」

ということで、真実は、古今東西、変わりなし。

今回も読んでくださって、ありがとうございます。久しぶりの投稿となりました。コロナでリモートワークの中で、いろいろと感じながら考えています。未来を想像しています。そろそろ、いろいろなことが見えてきました。少しずつ、アウトプットしていきたいと思います。

ひとつ言えることは、「本質的なことが、さらに際立っていく。しかも、結論早く」というこなのかな、、、と。

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