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延長戦「ビギナー発表支援コミュニティ」報告〜文献検索〜

2025年2月23日(日)に【第28回福岡県作業療法学会】が行われます!

このnoteでは学会の運営側からの目線で【第28回福岡県作業療法学会】の学会長である私が、学会が出来上がるまでの課題や奮闘についてを書いていきたいと思います。

今回のテーマは「延長戦 ビギナー発表支援コミュニティ〜文献検索〜」です。

第28回福岡県作業療法学会では、発表者ファーストを一つのテーマとしています。
発表者への支援として「ビギナー発表支援コミュニティ」を作り、定期的に勉強会を実施しています。

全6回が終了しましたが、「文献検索について知りたい!」という要望がありましたので、延長戦として勉強会を実施しています。

今日もその報告について記載したいと思います。

この日記がこれから学会を運営する方の何かのお役に立てれば幸いです。

※このnoteの記事は私自身の見解であり、関連する組織とは無関係であることをご理解いただきたく存じます。


お知らせ

✅演題登録について
学会の演題登録期間は6月1日〜7月31日です。
参加予定の方はぜひ学会での発表をご検討ください!!
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本日の内容は、僕が知る範囲の内容になります。

研究などを実践されている方からしたら不足する部分が多分に含まれていると思いますので、「一人の臨床家の実践してる範囲である」ことをご理解ください。

詳細については、研究などで日々研鑽されている方にお聞きいただきたく思います。


臨床疑問を考える


レジュメを作成するにあたり、ここまで一貫して話してきたのが、

「何を伝えたいか?」を明確にすることです。

それを作り上げていくのに、発表支援コミュニティでは6回もの勉強会を実施していますので、やはり容易なことではないんだと思います。

これは文献検索における「臨床疑問を考える」ことにも大いに関係のあることです。

「臨床疑問」とは、Research Question(RQ)と英訳できます。

このRQに気がつくことができるかで文献検索の質は大きく変わってきます。

RQは臨床家であれば、日々の臨床の中にヒントがたくさんあります。

「脳卒中の患者さんの上肢機能の向上がうまくいかないな」

という気づきがあったとして、

そこからRQを探していくには、これを捉えられる疑問とすることが必要になります。

「うまくいかないな」だけだと、何がどのようにうまくいってないかが不明確です。

なので、例えば、

「どういう対象者なのか?」
「発症からの時期はどうなのか?」
「上肢のレベルはどれくらいか?」
「他に併発してる症状はないか?」

というように、「うまくいかない」という状況が、どういった条件で起こっているかを考えていくことで具体化することが可能となります。

そういった作業の中で、

「急性期脳卒中患者の上肢機能の変化と関連要因」
「慢性期脳卒中患者の上肢の日常使用につながる効果的な方法」

などに、先ほどRQの内容を変えていくこともできます。

こうやって具体化することで、この後の検索が格段に行いやすくなります。


検索キーワードを考える


上記のように自分の中のRQが定まってきたらこれを一定の公式に当てはめて、研究疑問(検索できる状態)の形に変換していきます。

それがPICO / PECOです。

P:Patient(誰に)

I:Intervention(ある介入をすると)

E:Exposure(ある要因があると)

C:Comparison(介入や要因がない場合、もしくは他の介入や要因がある場合と比べて)

O:Outcome(どのような結果になるのか検索を検索する)


この公式に自分のRQを当てはめて考えてみます。

P:Patient:急性期の脳卒中患者

I:Intervention:上肢機能に対して〇〇療法を行う

C:Comparison:〇〇療法を行ってない郡に比べて

O:Outcome:上肢の日常使用は変化するか?(FMA、MAL)

こうやって公式に当てはめることで、自分のRQがよりわかりやすく検索しやすくなってきます。

検索の仕方については各サイトに委ねますが、どのサイトも効率の良い方法を見つけています。

まずはこの基本的なデータ収集を準備できるようにRQをPICOなどを使いながらより明確にしていくことが必要だと思います。

ここまできたら、どのようなキーワードが必要になるか?を考えるだけです。

あなたの立てたPICOはどんなキーワードで見つけることができるでしょうか?


文献を読み込む


抄録に必要な文献が見つかったら、今度はその文献をしっかりと読み込みましょう。

絶対にやってはいけないのは、その文献が言いたいことの真意を理解せずに、自分が欲しい文言だけを切り取って利用することです。

これは、「ご都合主義」の考え方で、自分の考えを成立させるためだけに文献を用いているということです。

学会発表の目的はなんだったでしょうか?

それは、自分自身の成長のため、業界に必要な知識を提供することだったと思います。

それは賛同も批判も含めて受け入れ、次のステップに進むための鋭意です。

そうであれば、ただ切り取っただけの文言を並べたところで、自分が言いたいことを精査することができませんし、学術的な発展には貢献できません。

文献を読み込みながら「私が言いたいことはなんだったのか?」を確認するようにしていくことで、より精度の高い考察を書くことができます。


本日は文献検索とそれをどのようにレジュメに生かすかを簡単に説明しました。

何よりも大事なのは「臨床疑問(RQ)」を常に考えながら日々の臨床を過ごすことです。

これから学会用の抄録を作る方の参考になれば幸いです。




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