学会の予算ってどうしたらいいの?
この度、ありがたいことに【第28回福岡県作業療法学会】の学会長に任命していただきました!
初めの学会長で緊張していますが、この学会の奮闘記を記録として残していきたいと思います。
この日記がこれから学会を運営する方の何かのお役に立てれば幸いです。
※このnoteの記事は私自身の見解であり、関連する組織とは無関係であることをご理解いただきたく存じます。
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学会には予算がある
学会運営をする際には決めないといけないことが大量にあります。
学会のテーマ
開催場所
講師の選定
企画セミナー
発表演題数
企業展示
必要物品
スタッフの人数
ホームページの準備
参加者の予想 など
様々なことを計画しながら、学会は運営することが必要になります。
ただ、これらを決めるにあたって、重要になってくるのが【予算】です。
学会運営に関わると、お金との向き合い方について常に考えなくてはなりません。
私のように、団体の会費を使う場合は、協会員に対するメリットは最優先事項になりますし、その団体としても抑えて欲しい部分もあると思います。
その予算によって実現できるものは大きく変わってくるわけで、いろんな状況もふまえながら、どのように予算配分を考えていくかは、学会運営における最初の関門であると思います。
限られた予算をどのように割り振るかはその学会が目指すもので大きく変わってきます。
学会のテーマやその学会で目指しているものによっても予算の掛け方や割り振り方が変わってくるので、予算の使い方によって、その学会が何に力を入れようとしているかも見えてきたりするんですね。
予算配分はどうやって決めるか
大前提として、予算をどのように使っていくかは団体やその会員の対するメリットが優先にきます。これは承知の事実ですので、今回は割愛します。
それ以外の要素について、予算の使い所を決める際に注意すべき点を書いていこうと思います。
上から順番に考えていくと良いかと思います。
会場費はどれくらい必要か
まず最初に抑えないといけないのは会場費だと思います。会場は全体の中でも大きな予算を占める可能性が高いです。会場だけとっても、立地、規模、使い勝手、使用条件など、様々な見方が必要になってきますので、学会のテーマに合わせて諸々を加味した中で、どれくらいの予算が必要になるかを計算します。参加しやすさのために立地をよくすれば、その分予算は高くなります、会場費以外に予算を使いたければ、少し行きにくい場所も良いかもしれません。学会の目的によってここは決めたいですね。
会議の費用はどれくらいか
学会を運営するにあたって、会議は欠かせないので、移動手段なども含めて会議費用を年間どれくらい使うかは抑えておいた方が良いでしょう。最近はオンライン会議も増えてますが、どうしても現地会議や対面での会議も必要な状況もありますし、各部署がそれぞれ開く会議もあったりします。その管理体制も含めて、会議をスムーズに進めるためにも予算面は抑えておきたいところです。
広報の予算はどれくらいか
どんな学会でも、参加ターゲットに知ってもらわなければ意味がありません。これはどの層をターゲットにするかによって、広報手段が変わってきます。その分、予算の使い方も変わってくるということになります。最近はSNSなどの広報が主流になりますが、ターゲットによっては、広報用ポスターの作成や配布なども必要になってきます。また、ノベルティなども広報の意味合いがあるので、作成するならそこも考えます。もし、広報を外注するならばそれもまた予算が必要になってきます。広報予算は学会参加者に直結する重要な部分だと思います。
講師は誰を呼びたいか
講師の選定も学会のテーマを達成するためにとても重要な部分です。講師の候補者を事前に想定しておき、その方の移動や宿泊費用や講師料など、様々な面に関しての予算を立てる必要があります。遠方から来られる方がいれば、その分予算は必要になります。ただ、学会を象徴する部分でもありますので、ここの予算はしっかり考えて確保しておくことが必要になります。
必要な物品は何があるか
意外と必要になってくるけど、予測がつきにくい部分です。大きいものから小さいものまで雑費はたくさんあります。大きいものなら、垂れ幕やポスター発表用パーテーション、パソコンや看板などになります。小さいものなら、印刷代、お茶、ペン、名札などになります。これは企画などが立ち上がればその都度必要になる部分にもなるので、ある程度予想を立てつつ、気持ちい多めに予算組みしておく方が良いと思います。
オンライン設備は必要か
最近ではハイブリット学会が当たり前になってきました。その分、オンライン設備の必要性によって機材や人材に対する予算が必要になってきます。当日のライブ中継用の機材、それを行う専門家の人材、アーカイブ用の管理費用など、数年前ならなかった費用も時代に合わせて必要になってきました。この部分はイメージしにくい部分でもあるため、早めに情報を取りながら、どれくらいのオンライン設備が必要かも検討するようにしましょう。
参加者はどれくらいなのか
少し収入面の話になりますが、諸々の企画などを通して、参加者数の想定をどれくらいにするかによって、全体の予算をは変わってきます。参加者が増えれば、その分会場のキャパや講師や企画の数も変わってくるため、予算はその分増えます。逆に、参加費面の収入は増えるので、参加費も予算と組み込めるのであれば、それも全体予算配分に大きく影響します。
全体的に見れば大枠でこのような予算の枠組みになるかと思います。
あとは学会ごとに必要な企画などもあったりするので、それらも加味しながら予算を調整することが必要です。
学会のテーマや目的に合わせて、予算をかけるところと、ある程度調整する部分を見ながら割り振りを考えていくと良いと思います。
何にせよ、ここが決まらなければ、中身を決めていくことも難しいです。
まずは予算会議を中心として、学会の全体像を描くことが必要だと思います。
学会におけるお金の扱い
最後に学会におけるお金の考え方について共有しておきます。
学会の予算というのは、基本的に団体の会員の費用から賄われていると思います。
その会費を使っている以上は、団体や会員に対するメリットは最優先で考えることが必要になります。
その団体の活動を通して、社会や対象者の方にどのように貢献できるか?
そのことを忘れてはいけません。
特に学会という学術集会では、学術的な発展を目的とすること多く、それを持って、団体に所属する会員全体の底上げや、その団体の専門性の発展に貢献することが重要になってきます。
また、結果として、社会や対象者に対する貢献につながるようにしないといけません。
つまり、学会にかかるお金というのは、学術的な意味合いだけでなく、社会や対象者の貢献の意味合いもあります。
それはつまり、学会とは、社会や対象者への貢献の意味があるということです。
お金をかけるということは、それだけ価値があるイベントだということです。
そのことを自覚し、企画、講師、広報、会場、集客など、様々な面に気を配りながら学会運営を行っていきたいと思います。
今日は学会の予算に触れてみました。
引き続き、学会運営の応援よろしくお願い致します!
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