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『空の青さをみつめていると』と、コロナDV、ビッグイシュー(エシカル100考、94/100)

『空の青さをみつめていると』は、谷川俊太郎さんの初期の詩であり、詩集のタイトルでもあります。

僕は空の写真を撮るのが好きなので、虚空にスマホを向けながら、ときどきこの詩の冒頭を口ずさみます。

『空の青さをみつめていると

私に帰るところがあるような気がする』

コロナの影響で、空が青くなっているといいます。

インドの街からは何十年ぶりかでヒマラヤが見え、中国の空気も澄んできているとか。

「空がない」と智恵子に言われた東京の空も、穏やかな青さを見せてくれている気がします。

にんげんのけいざいというものが停滞し、地球がまた青くなるのなら、それはいいこと。

つらいこと、大変なことが多いですが、ちょっといいことだってあるのだと、自宅から、もしくは社会を維持するために働く最前線の現場から、空を見上げて思いたいです。

私たちはまだきっとできることがあると。

この空の青さを保てるように、にんげんのけいざいというものをやり直していければいいなと、思います。

そして、この空がそのまんま屋根になっている人たちのことを想います。

StayHome と言われても、家のない人はたくさんいます。そして、職もなくなってしまった人たちも、これから増えてくるかもしれません。

緊急事態宣言が発令された夜に、新宿から30分くらい歩いたのですが、いつもは2,3名しか見かけない路上生活の方を、8名お見かけしました。それはたまたまだったのかもしれませんが、増えているという証拠なのかもしれません。

家にいられない人も、たくさんいます。

おそらく、思っている以上にたくさんいます。家にいられないのに、いるしかない人。

政治家がなんと言おうと、コロナによる外出自粛のために、DVは増えていると思います。

僕のような者でも、DVの悩みを愚痴のようにこぼされることが増えたと感じるので、それらを氷山の一角だとすると、もしかすると激増しているのかもと不安になります。

ホテルなどだけでなく、人が通わなくなったオフィスや店舗などもシェルターとして活用できればいいのに、、と思うのですが、思うにとどまってしまっています。

まずできることといえば、居場所が必要な人たちへの支援の告知に協力したり、ハウジングファーストの施策を行政に求めることに協力をしたり。

あとはビッグイシューの通販を購入する。

ビッグイシューは、本当は青空の下に立っている販売員さんとお話ししながら買うのが楽しいのですが、この際はしょうがない。

雑誌は面白いので、StayHome のおともにはいいと思います。

東京アンブレラ基金に寄付する、などもあるかもしれません。一般社団法人Colaboさんの応援もしたい。

『空の青さをみつめていると』は、ほのぼのと明るいような詩ではありません。

身を切るような孤独。私というものが感じる違和感、世界への、にんげんというものへの。

『在ることは空間や時間を傷つけることだ 

そして痛みがむしろ私を責める 

私が去ると私の健康が戻ってくるだろう』

空の青さをみつめながら、にんげんというものと、私というものをみつめてみる。

『私に帰るところがあるような気がする』と、誰もが思えるような社会であり続けるために、ちょっとでもできることをする。

そんなおうち時間が、求められているのかもしれません。


『空の青さをみつめていると 谷川俊太郎詩集1』角川文庫


 

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