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転機は常に今!【岸田奈美さん『ぼくらの転機 | ココロオドル仕事との出会い方』】

『ぼくらの転機 | ココロオドル仕事との出会い方』を見た。
ゲスト:岸田奈美さん、MC:島田彩さん。

二人とも私が大好きな作家さんで、これはもう見るしかないでしょ!と、何日も前から楽しみにしていた。

こちらのイベントはWantedlyというビジネスSNSが企画しているシリーズ。SNS内のプロフィールに記載された、奈美さんのこれまでの歴史を振り返りながら、トークが進められていった。

私は奈美さんのnoteをよく読ませてもらっているし、簡単な略歴などは知っていたつもりだけど、そこに付随したお話をご本人の口から聞けるのがとてもおもしろくて、興味深かった。

奈美さんのそばにはいつも、誰か助けになる人がいるんやな。
人は人によって、救われるんやな。と、思った。


岸田奈美さんの転機を支えている人

◆株式会社ミライロ 代表:垣内俊哉さん

奈美さんは大学在学中にベンチャー企業の株式会社ミライロに入社。
ミライロは障害者(※)をはじめ、さまざまな個性を持つ人々の不便さ・不自由さを取り除き、未来につながる新しい社会を創造している会社。

たまたま大学の講演会で垣内さんのお話を聞いて、一緒に働きたいと思ったのだそう。

生まれつき骨が弱く、
車いすで生活をしている自分だからこそ、
できることがある。
伝えられることがある。

「バリアバリュー」=障害を価値に変える。

by 垣内俊哉さん

障害のある人を助けなければいけない、支えなければいけないと思い込んでいた奈美さんの考えをガラリと変えた人。

これは障害の有無にかぎらず、すべての人にも通ずる話だなと思った。

誰しも得手不得手がある。

例えば私は、とっさの判断で優先順位を決めてサクサクと行動していくのが苦手だ。逆にじっくりと考えて整理してから取り組むのは得意。ひたすら同じことを繰り返す作業のようなものも苦ではない。

そんな私の“仕様”もきっとどこかで必要とされ、そこに価値が生まれるのだと気づかせてくれた。
少し、心が軽くなった。

障害があるからこそ、できることがある。
自分だからこそ、できることがある

きっとそれは私もあなたも同じ。
私自身もまだ自分の居場所を見つけられてはいないけど、これからじっくりと探してみたい。

※ミライロでは企業サイトなどで「障害者」という表記をしているので、それに倣いました。


◆株式会社コルク 代表:佐渡島庸平さん

佐渡島庸平さんといえば、『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』など名作の編集を担当された方。
今の奈美さんのビジネスパートナーであり、良き相談者でもあるという。

(奈美さんの文章は)
めちゃくちゃおもしろいのに、人を傷つけない。
自分が傷ついたからこそ書ける。

by 佐渡島庸平さん

会社員として、自分のダメなところ(と奈美さんが思っているところ)と直面し続け、苦しい思いもしてきた奈美さんの価値や、もっと楽しめる場所を見出してくれたのが佐渡島さん。

作家というのは、
おもしろいものを書く人ではなくて、
おもしろい目で世界を見てる人

by 佐渡島庸平さん

佐渡島さんから見た奈美さんは、自分で自分の人生を編集することができ、おもしろい目で世界を見れる人らしい。

奈美さんのお父さんは心筋梗塞で他界、お母さんは大動脈解離で車いす生活を余儀なくされ、弟さんはダウン症、おばあちゃんは認知症。
つらいことも大変なことも、自分たちだけの努力じゃどうしようもないこともたくさん経験されている。

悲観的に書こうと思えばいくらでも書けそうなできごとを、おもしろおかしく捉えて、ことばにしている。
それは奈美さんの生きる術なんだろうけども、やはりすばらしい才能の一つだとも思う。

目線を変え、視点を変え、日常をどうやっておもしろく見るか。

・私には何もない
・おもしろいできごとなんて起こらない

まずは、岩のように固い先入観を打ち破ることが必要なのかも。


◆放送作家:鈴木おさむさん

奈美さんと鈴木おさむさんは先日ラジオ番組で共演されて、そのときが初対面だったようなのだけど、動画の中で話されている鈴木さんのお話が、けっこうな転機になっているんじゃないかと個人的に感じた。

奈美さんも鈴木さんも、おもしろい目で世界を見れる人。
とはいえ、できごとを書き続けるには限界があり、苦しくなってきてしまうのだとか。

こまかい感情とか、
まだ自分の中でことばにならないようなモヤモヤを
ことばにする

by 鈴木おさむさん

ささいなことに対して、すごく嬉しかったとか悲しかったとか、そこに生まれた感情に対して「なぜ?」と自分にインタビューするつもりで書いていく。
すると「書くことがとても楽しくなってきた」と鈴木さんが言っていたらしい。

要は、できごとよりも感情にフォーカスして書くということなのかな?
できごとには限界があるけれど、感情は生きているかぎり無限だもんね。

奈美さんもこれまでたくさんのエピソードを書いてきて、「これからはそれをするときなんだろうな」と話していた。

・他の人がことばにできないことをことばにする
・誰かの感情を思い出させる

それこそが作家なのだと、奈美さんが言っていた。

確かにプロアマ問わず、心惹かれる文章とは共感できる文章
「そうそう!私が言いたかったのはこれなんだよ!」と思える文章は読んでいて心が震えるし、何個でもスキを押したくなる。

人の感情とは人の数以上に千差万別で、心を揺さぶる文章なんて狙って書けるものではないけれど、私もいつかそういう文章が書けるといいなと思っている。


アピール方法:私を見つけてもらうには?

弱みをさらすこと!

転機=新たな一歩を踏み出すこと。
新たな一歩を踏み出す際に、自分を見つけてもらうにはどうしたらよいか?

それは弱みをさらすこと
弱み、苦手なこと、つらいこと、自信がないことなど。

いわば、それらは自分がいちばん見せたくない本音の部分でもあると思う。誰しもが少なからず承認欲求があり、人に良く思われたいという願望がある。

だから弱みを見せているようで見せられていない。本音を語っているようで語っていない。

いま気づいたのだけど、私にとって本音をさらすことは恐怖なのだと思う。
だからなのか、感情が動かないようにブレーキをかけている節がある。

本来ならば喜怒哀楽の激しいタイプなのに、歳を重ねるにつれて、だんだんと揺れ幅が小さくなっている自分がいる。

なぜ本音をさらすのが怖いのか?
理由の一つは自分に対する自信のなさだと思うのだけど、自信のなさについて、奈美さんが動画で語っていたことがあった。


「これでいいのだ」精神でいこう!

自信がないというのは、
裏返すと自分のことが好きということ。

by 岸田奈美さん

このことば、私にはかなり響いた。
心臓を一撃で打ち抜かれたような気分だった。

自信がないという人は、自分の理想がわかっている。
理想と現実にギャップがあるから、自信がないと思ってしまう。

理想の自分まで高めることができないと、どんどん自分を嫌いになってしまう。過去の自分もすべて否定しないといけなくなる。めちゃくちゃ苦しい。

そんなときはバカボンの「これでいいのだ」精神で。
「私は捨てたもんじゃない!」と自分で自分に言い聞かせる。

✕ 「足りないものを埋めていこう!」は自分を嫌いになることと同じ
◎ 「これがあればもっと良くなる!」を取り入れていく

今の自分は決してマイナスではない。だから、マイナスの部分を補うのではなく、今の自分に新たな何かをプラスしていく。
そんなふうなことを奈美さんが熱く話していた。


人ってついつい足りないものに目を向けてしまうんよね。
人と比べて、自分にできないものを持っている人がうらやましくなるし、自分にできないことをささっとやってのける人を見ると凹む。

その人にないものを自分が持っているかもしれないという可能性もあるのに、そんなことは全然思いつかないんだよね。

「これでいいのだ」精神で、自分に自信をつけて、本音をさらす。

私にはなかなか手ごわい課題だけど、一度しっかりと向き合ってみたい課題でもある。


本当の転機は、常に「今」

最後に、今回のイベント動画を見て、思ったこと。

転機というのは常に、今、この瞬間なんだなって。

あとから振り返って、「あー、あのときが私の転機だったなー」と思うできごとはいくつかあるけれど、それは全部後付けでしかない。

動画を見ている瞬間、何かしら感じるものがあったなら、それは転機だし、こうして書いている今も、何かしらの気づきがあったのなら、それも転機と呼んでいいと思う。

その何かしらに触発されて、パァーンとはじけてつい行動しちゃうかもしれないし、そうなったら大転機だ。

「今」を見逃さない
それこそが自分の価値、居場所、やりたいことなどを見つけられる最大のヒント。

そしたらいつか、ココロオドルお仕事に出会えるかもしれないよね。



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