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こんな本を読みました【2023.2】

さて、恒例の読書記録です。
2月は5冊!けっこう読めました。

ではでは、まいりまーす!


★『奇跡』林真理子

田原桂一さん、博子さん。実在するご夫婦の恋愛ストーリー。というと聞こえはいいけれど、平たく言うと、不倫小説です。

実話を基にしたフィクションらしいですが、主役のご夫婦ふたりが本名のまま登場するので、周りのご家族を偽名にしたところで、誰のことを指しているかは、調べればすぐにわかる。なぜなら、桂一さんは世界的な写真家で、博子さんは梨園の妻だったから。

正直に言わせてもらうと、不倫という現実を、小説という形でキラキラした純愛に昇華しようとしている様が、非常に胸糞悪い。

「泣ける」という感想も見受けられたのだけど、私の場合は、読み進めるほどにシラーッと冷めてしまった。

実存する方々をモデルに書いてるからか、林さんらしからぬ歯切れの悪さも感じるし、そこまでして書きたかったのはなぜなんだろう?って思ってしまった。

いちばん驚いたのは、博子さんがまだ梨園の妻だった頃、子どもを連れて、桂一さんに会いに行っていたこと。

お子さんも桂一さんのことを「おじちゃん」と呼んで、懐いていたらしいけれど、私には絶対に真似できないことだなぁって思いました。



★『カードの意味が一瞬でわかる!タロットキャラ図鑑』キャメレオン竹田

先月は同じ著者の『占星術チョー入門』を読んだのだけど、今月はタロットに関する本を読みました。西洋占星術とかタロットとか、めっちゃ興味あるんよねー。

各カードをキャラクターに見立てることで、イメージしやすく、それぞれの特徴がつかみやすくなっています。

タロットの中でも、「大アルカナ」と呼ばれる主要な22枚の説明には、4コママンガが描かれており、カードが表している意味をおもしろおかしく、理解することができます。

これからタロットを始めてみようかな?という人には、おすすめの一冊!



★『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』時田ひさ子

かくれ繊細さん=HSS型HSPのこと。

HSPは、ここ数年で認知が高まっていますよね。感受性が強く、繊細で傷つきやすい人のことです。

HSSというのは、好奇心が強く、刺激を求めてしまうタイプのこと。HSPとは反対の性質ですが、この矛盾するどちらの性質も持ち合わせている人がいます。

それが、かくれ繊細さん=HSS型HSP。

同じ著者の本、『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』を読んだときに書いた、感想文です。

当時の私は、自分がHSS型HSPかもしれないと知って、本当に心がラクになりました。

あれから1年以上経ち、今回、手に取ったのが、こちら。



「のめりこむ割に、すぐ飽きる」という性質は、まさに私そのもので。ある程度できるようになると、満足しちゃうというか。だから、「これ!」と人に誇れる強みもないし、極めたものもない。

そういうのを全部ひっくるめて、自分のことを認めてあげられたら、やりたいことも見つかるかもしれないね。

この本の中には、やりたいことを見つけるための自己分析のワーク等が載っています。まだ、これらに取り組んでいないので、時間を見つけて、やっていこうと思います。


★『本を読んだら散歩に行こう』村井理子

翻訳家であり、エッセイストの村井理子さん。この本が、初読み。

村井さんのお気に入りの本の案内と、それにまつわるエッセイが書かれている。個人的に、紹介されている本にはあまり興味をそそられなかったので、書評としては★☆☆☆☆。でも、エッセイ集としては★★★★★。

村井さんのエッセイは、ご自身やご家族のことを書かれたものが多い。それも、まぁまぁヘビーな内容だ。

ここまで、さらけ出した文章を書けるのはすごいと思ったし、おまけに、読者を暗澹な沼に引きずり込むことなく、淡々と表現されているのも見事だった。

村井さんの文章を読んでいると、いかに自分が固くて分厚い殻に覆われているかということに気づく。

まだまだ、恥を捨てきれないプライドのかたまりだ。ほんと、いやになる。

私にとっては、針のようにチクチクと心を刺してくる文章だけど、なぜかもっと読みたくなる。そんな作家さんでした。



★『ももこの21世紀日記 N'01』さくらももこ

2005年に発売された本作。当時、さくらももこさんの公式iモードサイト内で綴られていた日記を、書籍化したもの。

iモードサイトだよ!アプリじゃないんだよ!パカパカしてた頃だよ!若者たち、ついてこれてる?(笑)

そこには、『ちびまる子ちゃん』の世界が広がっていました。

なにげない日常なのに、どうしてこんなにおもしろいんだろう?と考えたとき、やっぱりマンガやアニメのイメージは大きい。

「ヒロシ」っていうと、あのヒロシを思い出すし、「はまじ」っていうと、あのはまじを思い出す。

脳内イメージをすることでより理解が深まるし、本の世界に入り込める。おもしろさを後押ししてくれる。


でもね、さくらももこさんや、先程の村井理子さんにも共通すると思うのだけど、いちばんのおもしろさの秘訣は、俯瞰的な視点だと思うんだよね。

自分のことを語っているのだけど、一歩引いた目で、第三者的な目で、見て、書いている。だから、お二人の文章は淀みなく、スーッと頭に入ってくる。

特に、村井さんが書かれている内容は、自分語りが強くなると、感情移入しすぎて、読者が苦しくなると思うんだけど、俯瞰的に語ることで、良い意味でどこか他人ごとのような感覚で読める。

さくらももこさんの日記は、おもしろさの種類でいうと、爆笑ではなく、クスッと笑ってしまうような、ほほえましい日常。読んでいて、心がぽかぽかするような、おもしろさ。

どちらも、さざ波のように小さく細かく揺れ動く文章でありながら、何かしらの印象を読み手に残してくれる。


これは、狙って書くには、めちゃくちゃむずかしい領域だと思う。書いて書いて書きまくって、それでも手に入るかどうかわかんないけど、書き続けることでしか、見えない景色なんだろうな。




ということで、長くなってしまいましたが、2月の読書記録でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

ではでは、またー!


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