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今日もお風呂に入ってえらい!元アトピー患者のお風呂事情🛁

お恥ずかしい話、私は毎日のお風呂が嫌いです。

お風呂といっても早く出たいからシャワーしかしないんですが。
なのに、どうにも面倒くさくて、毎回入るまでについつい時間がかかります。

だから、お風呂嫌いの本当の理由を思い出したときにはかなりびっくりしました。
なんで忘れていたのか全く信じられません。

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昨晩のこと。
とある手術を控えている旦那さんの側で私はいつものように、
「お風呂入らなきゃ、いやだなぁ」とこぼしました。
すると、思いついたように「◯◯手術 風呂 痛い」と検索し始めた旦那さん。(手術名は割愛)
私も一緒になって体験談を読んでいたら、術後の傷口がかなり痛むというものがあったので、思わず声が出ました。

「うわぁ痛くないといいねぇ...

痛いと君もお風呂嫌いになっちゃうかなぁ。」

なんのことはない一言なのだけど、
その時、自分が言った言葉にハッとしました。

そうか
私は『痛いからお風呂が嫌いなんだ』と。

とはいえ、実際にはもう痛いところはありません。
今は痛くないからすっかり忘れていたけれど、少なくとも20年弱、痛みでずっとお風呂に入るのが怖いと思っていました。

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痛みの原因は重度のアトピー。
物心つくころからひどいアトピー持ちで、顔、首、手首や、肘膝の裏など全身を掻き壊して、常に服に血が染みていました。

搔き壊した皮膚にお湯が当たるととても痛かった...
さらに身体が温まると痒みが増しました。

しかも、小学生のころは、毒素を出す為に41℃くらいの湯船に長時間浸かって汗を流さなければなりませんでした。
これがかなり辛かった...

湯船に浸かる瞬間に感じる痛みもしんどかったのですが、湯船から上がった直後に襲ってくる猛烈な痒みはもっとタチが悪いものでした。
それを我慢できずに掻きむしると、入浴後の工程でさらに苦しむことになりました。

入浴後の工程というのは、アトピーが治るといわれる「特別な水」を体につけるというもの。これが掻きむしったばかりの場所に滲みて、すんごく痛かった...

しかも、割引価格で買うための治療体験記として、毎日後ろ姿の裸の写真を撮って提出しなければならず、ものすごく嫌でした。
撮られた自分は全身真っ赤で、ところどころ血が滲んでいて、自分の体とはいえ見るに耐えない姿でした。

今となれば明らかなアトピービジネスだとわかるものの、当時の風潮のせいか、暗中模索状態だった親はそういった民間療法に傾倒していました。

これは思い出すと気分が悪くなるくらいの、かなりのトラウマです。
(アトピービジネスや脱ステロイドについては、今度ちゃんと書こうと思います。)

そもそも、アトピーの人は痒くなるから体を必要以上に温めるべきではないと思うし、なによりしっかり保湿しなくちゃいけないから、全く間違っていました。

中学生に上がる頃には、症状はもっとひどくなっていて、学校に通うことすらできなくなっていました。

一番悪かった時期には、痛みが強すぎてシャワーが当たったときに意識を飛ばすこともありました。(もしくは、強すぎる痛みや痒みのせいで寝不足が続き、時折意識が途切れるように眠っていたから、そのせいかも知れません。)

その後なんやかんやありまして、
ようやく病院治療を受けられるようになった後も、20代前半までは2〜3年おきに顔のアトピーが悪化して、入退院を繰り返していたから、相変わらずお風呂はしんどいままでした。

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幸運にも、いまは手湿疹が残っているくらいでアトピーはかなり落ち着いています。
顔にも跡が残っていないので、「数年前までは、顔中がただれて滲出液が止まらず包帯を巻いて過ごしていた」というとお医者さんにも驚かれます。

(重度のアトピー状態からほぼ完治に至るまでの経緯は、のちのち書いていくつもりです。)

と、まぁ、お風呂にはかなりのトラウマがあるのにもかかわらず、最近はすっかり忘れていたんだから

記憶って本当に不思議です。

むしろ、思い出さないようにしていたのかなぁとも思います。

入浴の度に、当時の痛みや痒みをそのまま思い出していたら、何時間かかっても入れません。(実際に昔はお風呂に入るだけで、一日中葛藤していました。)

というか、思い返してみれば、こうして文章に残さないまでも、折に触れて定期的に思い出していたと思います。

でも、一晩眠ってしばらく経てば、そんなことすっかり忘れてしまいます。

この「忘れっぽさ」が防衛本能の一つなのか、はたまたADHDの特性によるところなのかはわからないけれど、
今こうして、のんびり穏やかに生きられているのは、過去の辛かった経験を忘れていってるおかげだと思っています。

記憶がうんぬん、という話は詳しくないし、この記憶自体が正しいものかは定かではありません。

ただ、今、自分に対して思うことはこれだけです。

私、毎日お風呂に入ってえらい!!!


他の人にとってはなんてことのない毎日のルーティンでも、私にとっては心に負荷がかかる大仕事。

これを書いた事で、記憶に定着したかもしれないけど、忘れたら忘れたで、忘れてえらい!とも思います。

生きることは忘れること。

普段の忘れっぽさには困ることも多いですが、「忘れる」ということは私の人生にとってはとても大切。
ですが、たとえ記憶自体を忘れても、トラウマは「なんとなく嫌」という形で残り続けます。

こればっかりはしょうがない。

毎日お疲れ様自分。
そもそも生きてるだけでえらいぞ!

話は少し逸れますが、日々のお風呂が嫌いな私でも、温泉や銭湯は大好きです。

これはきっと、家族や友達との楽しい思い出とセットだからかなぁと思います。

もちろん、泉質は事前にリサーチしてから行きます。塩分が強い泉質の温泉に入ったあとは地獄を見ました。それ以来湯船から出たあとは一応全身を洗い流しています。


最後に、これは完全に余談ですが、なんでも「えらい!」と肯定してくれる皇帝ペンギンのキャラクターが私は大好きなので、ペンギンの写真を載せて終わります。

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(注:このペンギンはたぶん皇帝ペンギンではありません)


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