マーケターがUI/UXデザインを学ぶ意義とは
こんにちは、あるいはこんばんは。
IVRyでマーケターを務めております、田中暉久(てるひさ)です。
私ごとですが、2024年に入ってから3ヶ月くらい社内や社外で開催されたUI/UXの勉強会に参加しておりました。
一見、マーケティングとは直接関係がない領域だと思われる方もいるかもしれませんが、いちマーケターとしても大変意義のあった機会だったと感じましたので、この数ヶ月はどのような感じで勉強していたのか、そこから感じたマーケターがUI/UXを学ぶ意義をnoteに記していこうと思います。
社内:UXデザイン勉強会への参加
IVRyにはサークル制という、職能を鍛え合ったりチームで個人のキャリアに対して向き合う仕組みがあります。
サークルは基本、エンジニアサークル・マーケティングサークルのように職能ごとに分けられているのですが、LP制作やバナー・ホワイトペーパーの制作などデザインと隣接する領域を担当するマーケティングサークルのメンバーも学べることが多そうだということで、PdM(Product Manager)のサークルが主催するUXデザイン勉強会に参加しました。
(サークル制の詳細についてはこちらのnoteをご覧ください)
輪読会の活動内容
UXデザイン勉強会では『インターフェースデザインのお約束』という本を輪読しました。
この本には101個のUXデザインルールがあり、週に1回、各メンバーが1つのルールを担当し、「ルールのポイント、IVRyのプロダクトの現状、改善案」を発表し合いました。
ここでポイントなのが、IVRyの現状の改善ポイントの対象として、IVRyの管理画面だけでなくLPや記事も含んだことです。
といっても、このデザイン勉強会だけ含んだというわけではなく、マーケティング目的が強いLPや記事ページもプロダクトの一部という考えで、PdMと一緒に改善に取り組んでいます。
これにより、各メンバーが異なる視点からデザインのポイントを学び、具体的な改善策を出し合うことができました。
マーケターにとっても自社のプロダクトに向き合う良い機会なりましたし、デザインルールに沿ってプロダクトやLPを見ることで、見慣れてしまっているといった背景から、普段気づけなかった改善ポイントもフラットに見ることで発見しやすい状態であったのも良かったと思います。
実際にこの勉強会で出たプロダクト改善案はすぐにチケット化され、軽微なものは爆速でリリースされました。
この改善ポイントの発見からリリースまでのサイクルの速さはIVRyの強みでもあります。
(IVRyのリリース頻度の高さについてのnoteはこちら)
社外:UI/UXデザインのゼミへの参加
社内の勉強会だけでなく、一般社団法人デザインシップさん主催の【週末ゼミ】認知科学とデザインーUIUXデザインのための基礎理論』というゼミイベントにも参加しました。
このゼミも前述のサークルで「こんなイベントがあるけど参加してみたら?」と紹介してもらったことがきっかけで、PdMの高柳さん・宮嵜さんと一緒に参加しました。
ゼミでの内容
ゼミでは、D.A.ノーマンの「誰のためのデザイン」という本を輪読しました。
社内の輪読会と同じように、各章を分担してスライドで要点をまとめ、発表し議論する形式で行いました。
内容としては、日常生活の中でデザインと関わる際、人はどのように認知し行動に移すのか、またその際になぜミスが起きるのかなど、デザインと認知科学を交えて「使いやすさ・わかりやすさ」を理論的に学びました。
この本はデザイナーでも理解が難しいと言われる内容で、デザイン知識や用語に馴染みのないマーケターにとっては最初はめちゃくちゃ難しかったです。笑
ですが、各メンバーが内容を噛み砕いて発表し、講師の吉橋先生(https://twitter.com/akyoshi)の解説もあったおかげで、理解を深めることができました。(吉橋先生あらためてありがとうございました)
もちろん全てをマスターしたとは言えませんが、これまで定性的に捉えていた「使いにくさ・わかりにくさ」を言語化しやすくなったなと思います。
また、社内での輪読会でも感じましたが、複数人で勉強することで議論が生まれ、理解が早まるので、難しい分野ほどチームで勉強するのがオススメです。
勉強をして感じたマーケターがUI/UXを学ぶ意義
自社サービスの改善ポイントが見つかりやすくなる
ずっと自社のサービスに向き合っていると、フラットに見ることが難しくなり、何を基準に改善ポイントを出せば良いのかわからなくなりがちです。
ですが、UI/UXデザインのルールやポイント、人間の認知行動と照らし合わせて自社サービスを見ることで、客観的に課題が見つけやすくなります。
このUI/UXの改善ポイントを見つけやすくすることは、マーケターにとっても非常に重要です。
なぜならば、プロダクトだけでなく、訪問ユーザーがランディングページ(LP)に来訪し、コンバージョン(CV)するまでの流れもUXの一部だからです。
このUXを改善することはLPO(ランディングページ最適化)やEFO(入力フォーム最適化)の施策となり、CVR(コンバージョン率)が上がることでリードが増えます。もちろんLPOだけでなく、メールやホワイトペーパーなどのコンテンツ施策にも活かせるでしょう。
また、プロダクト改善のアイデアをマーケターから出せるきっかけにもなります。
例えばプロダクト改善によって、CVした後のプロダクトのUI/UXが使いやすくなって、有料化率の向上やチャーンレートが低下をすれば、結果としてCAC(顧客獲得コスト)の低減にもつながります。
さらには改善ポイントから新しいプロダクトアイデアを思いつき、サービスの幅を増やせるかもしれません。
プロダクト改善による好影響はチーム問わず事業全体にあるので、こういった考え方をするきっかけになることだけでも、UI/UXを学ぶ意義はあるのではないでしょうか。
デザイナーやPdMと共通言語が持てる
輪読会などを通じて、デザイナーやPdMと一緒にUI/UXデザインを学ぶことで、3者の役職でデザイン面において気をつけなければならないポイントの目線が揃いやすくなったのも大きな意義だと思います。
どこかの役職だけがUI/UX観点を持っている状態では、例え小さな施策であっても目線が揃いにくいです。
もちろん最初から全てバッチリ合うようになりました!ということではないですが、一定共通言語を持っていることで、説明コストも減らせ、すり合わせもしやすくなります。
改善案やデザイン制作依頼をする際に、依頼者側であるマーケターがUI/UXに関心があるかどうかは施策のデリバリースピードに対しても大きな違いを生むと思っています。
マーケターがUI/UXに関心がないと、一つのデザイン依頼に対してもすり合わせポイントも多くなり、単純にラリーが多くなってしまいがちです。
しかし、すり合わせポイントが減ることで、施策までのスピードも早くなり、施策の迅速な実行に繋がるでしょう。
前述の「LP・記事もプロダクトの一部である」という考え方も相まって、IVRyではよりマーケティング起案のLPOや記事関連の施策でもスピードを早められていると感じています。
デザイン思考を意識するようになる
上記2つの意義にも共通する部分ではあるのですが、マーケターがUI/UXを学ぶ意義というのは、総論この「デザイン思考を意識するようになる」ということに尽きるのではないかと思います。
デザイン思考では、ユーザー起点で考えることが何よりも重要です。
これにより、よりユーザー目線で施策やアイデアを出すことを意識するようになります。
単純にリードを稼ぐためだけが目的の施策では、本質的にはユーザーのためになりません。
IVRyでも顧客以上に顧客のことを考え、顧客価値を最大化することが大事なバリューとなっています。
(最近リニューアルもされました)
最近のIVRyのLPO施策でも「このページでのCVRが低い、このフォームでの離脱率が大きい」という定量的な課題発見だけでなく、「このページへの推定ユーザーはこういうニーズがありそうだが、今のページの内容だとユーザーニーズを満たせておらず離脱しているのではないか?」というユーザー目線での仮説から施策案が出ることも増えてきました。
定量データももちろん大事ですが、顧客の声からヒントを得るために顧客インタビューに積極的に参加したり、展示会で対面で会話してニーズを聞き出すなど、1人のユーザーと向き合い寄り添う姿勢も大切にし続けるべきです。
『誰のためのデザイン』の7章でも、「他社との競争圧力から距離を置き、顧客ニーズを高めることに集中することが結果的に他社との差別化になる」と述べられていました。
競合他社との差分だけを気にしてユーザーに目線がいかないと、不要な機能や情報が詰め込まれ、UXが悪化します。そして、どれも似たり寄ったりなサービスになりがちです。
しかし、ユーザーニーズに応えることに集中すれば、自然と良いプロダクトや機能が生まれ、他社との違いも際立ちます。
この他社との違いこそ、強い訴求ポイントとなるのです。
ユーザー視点に立った施策を実行し、競争力のあるプロダクトを作り上げるための思考を身につけることは、マーケターがUI/UXデザインを学ぶ大きな意義ではないでしょうか。
まとめ
つらつらと書きましたが、いうて輪読会で2冊の本を読んだだけなので、まだまだ勉強が必要です。
単純に勉強していて面白い分野なので、これからも続けたいと思います。
日常生活でもUI/UXに着目するようになると、ここをこう変えたらわかりやすいのになぁと考えるようになって面白いです!
今回はマーケター目線でUI/UXを学ぶ意義を書きましたが、IVRyではチーム問わずユーザー目線でプロダクトに向き合う・ユーザーに寄り添うことを自然としているメンバーばかりです。
どの役職も一緒にユーザー価値を最大化する仲間を募集中ですので、ユーザーと向き合いながらご自身の力を発揮したいと思った方は、ぜひIVRyのカジュアル面談や採用応募へお申し込みください!
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