『蟹工船』
日本プロレタリア文学の代表作、小林多喜二『蟹工船』読みました。
プロレタリアとは、「労働者階級の」という意味です。
今から100年前の日本は、平気で資本家が労働者の命を儲けのために使い捨てにしていたのですね。
労働者たちの過酷な労働環境を訴え出ることは、なぜか共産主義と直接的に結び付けて考えられており、政府に発覚すると投獄される危機さえありました。
作者の小林多喜二も、わずか29歳という若さで獄中死しています。
警察は突然の病のせいにしていますが、恐らくは迫害によって警察に殺されているのです。
小林多喜二の書いた『蟹工船』は、主に農民たちが、農作業のない冬に蟹漁船に乗船して出稼ぎをする話です。
基本的に雑魚寝で、衛生環境は悪く虱が発生します。
漁業ポイントに到着するとそれぞれ小舟に分かれて漁に行きますが、その最中で突然の嵐に見舞われたりすると、小舟は親船に切り捨てられ、命が見殺しにされたりします。
労働時間は良くて一日10時間で、配給される食事もわずかなパンです。
病気になり弱った者は、虐待を受けて海に沈められます。
今の時代も貧富の差はありますが、ここまで酷い労働環境はありません。
私たちはいい時代に生まれさせていただいたものです……。
この作品を読むときは、今の環境への感謝と、人権を守ることの大切さを覚えさせられます。
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