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デザインの工場、アールト・デザインファクトリーとは

アールト大学には、様々なファクトリー(工場)がありますが、今回ご紹介するデザインファクトリーは、その中でも最も有名なファクトリーです。ちょうど先週で開設からちょうど10年を迎えた施設ですが、日本からの見学者も多く、月に1度程度は日本人の団体を見かけるほどです。

僕Terryは、このデザインファクトリー(通称DF)で留学生活のほとんどを過ごしました。今回はそんなフィンランド留学のほぼ全てとも言えるDFについて、「そもそもデザインファクトリーとはなんぞや」ということについてご説明します。

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外観


デザインファクトリーとは

Love for business, design and engineering

デザインファクトリーは、アールト大学の主要学部、School of BIZ, ART, ENG(経営・マーケティング学部、デザイン学部、工学部)の人々が融合してなにか製品(あるいはデザイン)を作る、という教育を推進するための施設です。

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デザインファクトリーのウェブサイト
「世界で最も優秀な製品デザイナーを教育する」と書かれている

現在、フィンランドはポストNokiaとなる企業を生み出せずにいます。そこで、全国的に「若者の起業」を支援しており、デザインファクトリーはある種その一部とみなすこともできます。ビジネスマン、デザイナー、エンジニアがいればなにか製品が作れるでしょ、というわけです。

普通に大学生活を送っていると、サークルを除けば学部の垣根を超えて交流することはなかなかありません。実際、アールト大学でも普段顔を合わせることはありません。デザインファクトリーは、異なる専門を持つ人々の接点を作ることで、製品を開発する場を提供しているのです。

2008年開設と世界的にもかなり先進的な取り組みで、世界中から学生が集まっています。もちろん日本人も…といいたいのですが僕がいたときには(自分含め)わずか2名でした。

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自分の出身地に画鋲を刺している


デザインファクトリーの設備

製品開発をメインとしているので、それに合わせた設備が多数用意されています。

プロトタイプを作るための様々な工具や、

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電気工作具類。

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他にも3Dプリンターレーザーカッターなどもあります。

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これらは全て無料で、基本的に予約も不要です。
一部の機材については、使い方の講習会(1単位もらえる)を受講しないといけませんが、受講さえすれば文系でも使えます。

さらに、製品は複数人のグループで作ることが多いので、多数の会議用小部屋が用意されています。

白樺、という名前の部屋は、白樺の写真がはられたり白樺風の机・椅子が置かれています。

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ブレインストーミング、という名前の部屋では…

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変な帽子がたくさん置かれています。これは、この帽子をかぶってロールプレイングするため…という説明を受けたのですが、実際どう使うんだよというものばっかり笑

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スカイプをする部屋もあります。これは、海外のチームと連絡を取ったりすることが多いため(これについては別記事で触れます)。
映像通話をすると、後ろに「Aalto University Design Factory」というのが映り込むようにできてたりします。

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他にも、チームとの絆を深めるためや、長時間働いた後のために、キッチンも。毎週誰かが自国の料理を作っていたので、ほぼ無料で食事にありついてました。みんな、「フリーフード(無料の食事)」と聞くと作業やミーティングそっちのけでとんできます。

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キッチンの前には、コーヒーメーカーも。一杯50セント(65円)です。一人あたりコーヒー消費量世界一のフィンランドですからね。

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デザインファクトリーで作業する人が多いと、めちゃくちゃ売れます。みんなコーヒー大好きです。

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そしてもちろん、発表する部屋もあります。その名も、「STAGE」。照明機材、スクリーンなどだけではなく、背景の色も変えられますし、Ustreamなどで世界へのライブ中継もできます。

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これら以外にも、デザインの本をまとめた図書室や、映像を編集したりするパソコンルーム研究棟などもあります。
まさに、製品開発のチームビルディング、アイディア出しから製品発表まで、包括的に行える設備になっているのです。


デザインファクトリーで展開される授業

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そんな設備を持つデザインファクトリーですが、多彩な教育プログラムが展開されています。

…が、今回はここまで。

次回はデザインファクトリーで展開されている授業についてご紹介します。


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2017年9月から2018年5月まで、アールト大学大学院 School of Business(フィンランド、ヘルシンキ)に留学。教育先進国と言われるフィンランドで実際に受けた大学院教育について、学生の目線から記録します。ちなみに最近もちょくちょくフィンランドに行っています。
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