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マガジン限定記事「石丸フィーバーの深層」

 「現職100%勝利」の通例が今回も破られることはなかった都知事選。ご存じのとおり、ふたを開けてみれば開票時間と同時に小池百合子氏の当選確実が報じられる、いわゆる「ゼロ打ち」の圧勝劇となった。

 小池氏の圧倒的優位は変わらなかったものの、当初は2位を独走しながら小池氏を猛追、あわよくば小池都政を終焉させるのではないか――と支持者の間で盛り上がっていた蓮舫氏がまさかの3位落選、広島県安芸高田元市長の石丸伸二氏が2位になるという「波乱」が起きていた。

 この点は見逃せないだろう。

10万票以上を得た上位候補者の一覧
上図:NHK『東京都知事選挙2024』(※7月8日最終更新版にアクセス)より引用 https://www3.nhk.or.jp/senkyo2/shutoken/20336/skh54664.html

 メディアやSNSでは蓮舫氏の過去の決め台詞を皮肉る形で「2位にすらなれなかった蓮舫w」などと擦られておりさすがに気の毒になってしまうのだが、蓮舫氏の支持はもとより立憲と共産の岩盤支持層頼みでありそこまで上振れも下振れもしておらず、むしろこれは端的に石丸氏の大健闘だったと評価するべきだろう。

 石丸氏側はそもそも都知事選で本気で当選するとは思ってはいなかっただろう。彼らとしては次の衆院選の「布石」となるような結果を残せれば上々で、そして実際の結果はおそらく陣営の期待以上だったはずだ。

 ではなぜ東京に縁もゆかりもない石丸伸二氏が蓮舫氏を抑えて2位になれたのか?

 
 今日は、多くの人にとっては青天の霹靂となった「石丸フィーバー」の深層にフォーカスを当てて書いていく。

 じつは石丸氏については先月のマガジン記事を出そうと思ってプロットまでは書いていたのだが、立候補後に出してしまうと法的に少しグレーになってしまいそうな部分もあったのであえて出さなかった。選挙後に出した方が奥歯に物が挟まったような言い方をしなくて済むし、いろいろとデータが出そろっているので結果オーライだったかもしれない。

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