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アート独り言。(指先だけで絵を描く、夢を描く)

今日は以前コラボさせていただいた作家さんのお母さんと、一緒に団体を立ち上げたお母さんの3人で打ち合わせ。

Wちゃんのお母さんは初対面。少し情報をいただいただけで、ほとんど何も知らない同士。

私を研究熱心で素敵な映像作家だと紹介してくれて嬉しかった。

Wちゃんは脳性まひ。
右手の指先が、かろうじて動く。
電動車椅子のスティックの操作もままならない、重度の肢体障がいを持つ。アテトーゼ型は非常に患者数が少ない。知的な遅れなどはなく、お母さんとの会話の内容を聞かせてもらったら、普通の女子高生。

一体どんな絵を描くのだろう?

見せてもらうと、指先でステンシルしたかのような柔らかく優しい絵。

現在は大阪の病院に入院中で、全身の筋肉が和らぐ薬を24時間投与し、少しだけ右手の指先が動かせるようになったとお話された。それまではほとんど動かせない状態で絵を描いていた。

これだけで、お母さんがどれだけご苦労なさったかがわかる。

「大阪の病院には脳性まひの患者さんが多くて。出来ない事を考えても仕方ないからマイナス思考にならない。とにかくみんな明るいんです」

Wちゃんは折り紙が好きだと聞いたとき、お母さんが折ってあげてるの、すごいなと思った。

「右手の指先だけで鶴を折るんです~」

勝手に想像してしまう自分が本当に自分が恥ずかしくなる・・・
右手だけはとにかく器用で色んな事が出来るのだ。

絵を描いている時の短い動画を探してみせてくれた。想像を越える凄い動きだった・・・Wちゃんは右手を器用に動かし、スマホで絵を描いていた。

「スマホは凄く使いこなしていて、以前私が少し出掛けた時に車椅子のヘッドレストに頭がはさまり動けなくなる事があったんです。でもsiriを使って私に電話してきて助かりました」

スマホはなくてはならない存在。
頑張って勉強して、専門学校に行って色んな企業のロゴを描いたり、使いやすいアプリ開発をするのが夢。大好きなアーティスト(歌手)にロゴやイラストを提供したい。

高校1年生で凄く明確に夢を描いている。
1日1日を丁寧に精一杯生きていた。

お母さんはまだ展示などの経験がないから、嬉しい気持ちと不安な気持ちでいっぱいだった。まずは、知ってもらいましょう。それだけで大丈夫ですよ、と話したら随分と安心されていた。

展示会まではほとんど日程がない。
それでも、限られた時間の中でやれることはあるはず。

一緒に成長していこうと思う。

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