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アスリートへの腰痛治療=体幹トレーニング?-最適なアプローチを行うための8つの動作分析-

このnoteをオススメしたい人

✔︎慢性腰痛に対してどこから評価をすればいいか悩む
✔︎病態と症状にマッチした評価・アプローチができない
✔︎局所の機能(柔軟性・筋力など)は改善したが、全体の動きが変わらず症状が取れない

腰痛で悩む患者さんの約85%は、原因が不明で特異的な身体所見のない非特異的腰痛(機能的腰部障害)であるとされています。

日頃運動をしている各年代のアスリートでもこの腰痛に対して悩みを持っている方が多く、運動器疾患の中でも担当するケースが非常に多いと思います。

しかし、実際の臨床現場では多くの方が上記のように評価やアプローチに悩んだり難渋されたことがあると思います。

これは原因となるような身体所見を特定することが難しくなっているが故に、効果的な治療を提供することができていないからだと考えられます。

そのため、非特異的腰痛に対するリハビリとして大勢の方が次のようなことを経験されたことがあるのではないかと思います。

非特異的腰痛リハビリあるある

✔︎硬くなっているところをほぐす。
✔︎腹筋(体幹)のトレーニングを指導。
✔︎「リハビリの後は調子いいけど、すぐ痛くなっちゃう」と言われがち。

基本的に硬くなっている組織などは、なんら原因がなく硬くなっているワケではありません。

非特異的腰痛症で悩む患者さんの多くは、普段の姿勢や動作で症状が出る腰背部に負担が集中している特徴があります。

普段の姿勢や動作では局所の機能不全を代償しているため、硬くなっている組織の過活動を誘発していると考えられます。

そのため、硬い部位をマッサージやストレッチでほぐしたりするだけでは、一定の効果しか得られないか『リハビリ後の調子がすぐ戻ってしまう。』と患者さんから言われてしまうかもしれません。

脊柱の理学療法に対する考え方の1つに成田は

疼痛部位を特定したら「その部位にどのようなメカニカルストレスが加わり、痛みを誘発しているのか」「そのメカニカルストレスを増悪させる機能不全はなにか?」について推論することが重要である。(中略)原因動作や姿勢を改善しなければ、疼痛の改善や再発予防は難しい。最終的には、疼痛の原因動作や姿勢が修正され、発痛部位へのメカニカルストレスが少ない動作や姿勢の獲得が理学療法の目標となる。
(引用:脊柱理学療法マネジメント)

としています。

そのため、非特異的腰痛に対するリハビリは、いかにして患部へ負担をかける要素を予測し、そこに対するアプローチを的確に行えるかが重要となります。

腰痛有料1

非特異的腰痛に対するリハビリの3つのポイント

先にお話ししたように、非特異的腰痛に対してのリハビリは、腰に負担をかけるメカニカルストレスを特定してその原因に適したアプローチをすることが重要です。

症状と脊柱の動作エラーとの関係性を確認し、患部にどのようなストレスがかかっているのかを推測します。

しかし、腰部は上半身(胸郭)からも下半身からも影響を受けるため、どこからアプローチしていいのかわからない場合も多々あると思います。

そんな時に自分が大切しているポイントが3つあります。

✔︎動作エラー
✔︎動的アライメント不良(動的マルアライメント)
✔︎病態(局所機能不全)

腰痛有料2

これら3つの要素と症状の関係性について考察することで、患部へかかるストレスを招いている根本的な原因の予測をたて、詳細な評価を行えるようにしていきます。

この3つの要素は下の図のような関係性であることが多いと経験します。

腰痛有料3

というのも、脊柱や股関節、足部・足関節局所の機能不全(可動域制限・筋出力低下など)が動的アライメントを崩し、動作中のエラー(代償運動)を引き起こすため痛みにつながると考えられます。

そのため、動作エラーを根本的な原因からアプローチするためにも動的アライメント不良を引き起こす局所機能不全を特定することが必要となります。

今回は、患部にメカニカルストレスを与えている原因を動作分析をもとに評価していく方法についてお話ししていきます!!

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痛みと動作エラーの関係性

非特異的腰痛の特徴は、疼痛を誘発するようなきっかけが明確でないことが多いです。

このような患者さんに痛くなった経緯を問診すると

『知らないうちにどんどん痛くなってきた。』
『痛くなったきっかけに思い当たる節がない。』

など痛みのきっかけが不明瞭なことが多々あります。

このような患者さんの多くは、普段の何気ない姿勢や前屈動作で腰背部に過度なストレスがかかっています。

そのため、動作エラーが症状と何かしらの関係性があるか分析していく必要があります。

-脊柱前屈

まず、前屈動作時にどのような動作エラーが生じ、どこに痛みが出ているか確認していきます。

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