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【事例紹介】コンバージョン改善を最も本気で考えている業界に学ぶ

この記事の作成担当:株式会社テンタス 代表取締役 小泉智洋

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Q.明日の日本のことを最も真剣に考えている省庁は?

A.気象庁

これはしょうもないおやじギャグですが、専業の事業者もしくは主たる事業分野に対しての企業の本気度はとても高いです。

店舗で販売をしている企業のECへの取り組み方は、ECを専業で行っている企業と比べると気合いの入れ方がやはり少し緩い気がします。
 (もちろん気合い入っている企業さんもたくさんいますよ!)

今回はコンバージョンというサイトに訪れていただいた方の成約率を最も本気に考えている企業のことを事例として上げさせていただこうと思っています。

ユーザーインサイトから導くコンバージョン率の改善

コンバージョン改善のプロジェクトや態度変容やカスタマージャーニーを軸にしたマーケティングベースや、コンバージョンを数値で測りトライ&エラーを行うA/Bテストなどで進めることが多いのですが、今回はユーザーインサイトを重視したアプローチをご紹介させていただきます。

明日の日本を最も真剣に考えているのが気象庁だとすると、コンバージョンを最も本気に考えている企業はどんなところでしょう?

EC専業の小売さんやデジタル専業の会社さんなどは非常にわかりやすい例ですし、彼らも様々な観点からコンバージョンの改善を行っています。

とあるお客さんからご依頼いただいた要件はコンバージョン率の向上を目的としたサイトのリニューアルでした。

そのお客さんは詳細な数字は記載できませんが、

・ユーザー一人当たりのLTV(ライフタイムバリュー=顧客一人の一生から獲得できる売上金額)が高い

・モバイル端末からの制約が非常に高い

・月間の広告費も数千万から数億のレベルでかけている

といった企業さんでした。

そんな会社さんのコンバージョン率は0.1%ほど改善するだけで、結果として非常に大きな利益をもたらしますので、そりゃもう真剣です。

どんな業種だと思います?

消費者金融さんからのご依頼でした。

消費者金融さん独特な悩み

消費者金融と聞くとどんなイメージでしょう?

もちろんポジティブなイメージもありますが、ネガティブなイメージが目立ちます。過去には様々なニュースが出てしまったり金利問題でメディアなどで非常に大きなバッシングがあったことも事実です。

業界的にはそれを払拭するために様々な努力をしてきたようです。

一番わかりやすいのは、銀行と手を組んで「銀行系消費者金融」というカテゴリが生まれたことでした。

消費者金融というネガティブさは業界や企業の信用度が低いことに起因しているため、銀行と言う信用感が高い企業と組みむことで、ブランド自体の信頼感を高めることが目的でした。

そしてそれはかなりうまくいっているようです。

この信頼感とはどんな人に対してアピールするためのものでしょうか?

LE0のユーザーの確保と信頼感

他の業界ではあまり聞いたことが無いのですが、LE0とはLeasing Experience 0、つまり借入未経験者のユーザーのことです。

ちなみにエルイーゼロと読みます。

金融業界ではこのどこからも借り入れを行ったことが無いLE0のユーザーの確保を非常に重要視していて、このLE0のユーザーの確保に最も重要なポイントが信頼感だったのです。

クライアントさんは銀行系ではなかったので、サイトに初めて訪れたLE0のユーザーに対してどう信頼感を持たせることが出来るか?ということがとても重要なポイントでした。

定量調査と定性調査

定量調査は既存ユーザーの情報解析とインサイト調査から、定性調査はグループインタビューから導き出しましたが、非常にセンシティブなデータなので内容は割愛させていただきます。

結果として各種調査から信頼感や安心感を生み出すポイントはそのユーザーのニーズの顕在化度によって大きく異なることが見えてきました。

実際の制作

ここまでくればあとは簡単です。

サイトをエリア分けしてニーズの顕在化度によって注目する情報をプロットし、UXを意識した導線を作成。

その導線毎に必要な情報をまとめてコンテンツとして配置。

まぁいつもやっていることですね。

もちろんコンバージョンなので申し込みフォームも改善しています。

これらの結果として新規申し込み率は大きく改善されることになりました。

まとめ

今回は簡単にまとめてしまいましたが、この結論に行きつくためには非常に時間もお金もかかります。このプロジェクトは半年以上かかりました。

だからこそ皆様がお持ちの何らかの課題に対して、それを最も真剣に考えている企業を徹底的にベンチマークすることで、そのノウハウをある程度ショートカットして学ぶことが出来るのです。

もちろん真似をするだけではいけませんが、視点や考え方を吸収するチャンスですので、皆様もサイトのデザインを見る際は是非「どんな意図でこうしているんだろう?」といった視点を持っていただければと思います。

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