「身体機能から読み解く合氣道」 藤木真人さん
こんにちは!
今回は柔道整復師として治療院を運営されている、藤木真人さんにお話を伺ってみました。藤木さんから合氣道への想いや魅力のほか、身体の調子を整えて健康に生活をしていくためのアドバイスをお伝えします。
入門のきっかけ
― 厳しくも楽しく和やかな稽古
高校時代は柔道をしていたのですが、肩の怪我で手術を受けてから思うように柔道ができなくなってしまいました。そこで進学した大学では、試合がなくいわゆる武道の「術理」を学べそうだなと思い、合氣道部に入部しました。
天通合氣道との出会いは、卒業後に実家のあった栃木に戻り、合氣道を再開したくて本部道場に見学に行ったことです。
皆さんがとても楽しそうに稽古をされていたことが心に残っていて。
その時に子供クラスの稽古も見学させてもらっていたのですが、稽古は厳しくも休憩時間には子供たちがみんなで遊んでいる雰囲気がとてもよく、子供クラスから一般クラスまで、楽しそうな道場だなと思ったことが、入門を決めたきっかけになっています。
柔道整復師という仕事を通して
ー 稽古での学び
日常生活で体を動かす時、どんな動作でも楽な動きとか楽な動かし方、というものがあります。体の各関節の角度とか力の入れ方の微妙な調整でそうなるのですが、技の稽古を通してその楽な動きを探ったり気づいたりできるところがとても面白いですね!
治療院の患者さんもそれぞれ痛みのある動き、痛みのない動きがあって、骨や筋肉の構造とかその機能を考えながらその方に合った対処法を探っていくわけですが、不必要な力をできるだけ使わないようにする合氣道の動きが、私にはとても参考になっています。
ー 感覚を活かす
患者さんが来院されるのは患部の治療を受けるためですが、体が良くなることでより良い生活を送れるようにしていく、ということを目標にしています。
そのため体の痛みに関わる話だけではなくて生活環境や習慣などについても聞き取りしつつ、目標達成にむけての対策を実践していきます。
たとえば、患部の治療の効率だけ考えるなら最適と言われる対策でも、日常生活に大きな制限を伴うようでは本末転倒ですし、患部の改善だけに執着していると本当の目標達成からはむしろ遠ざかってしまうことも多々あるんですね。
患者さんが来院された時の雰囲気や動き、表情、視線など、感覚をフルに使ってそのかたの状態を感じ取ることが必要で。
患者さんとの接し方や話の捉え方や感覚に常に敏感でいるためにも、稽古での相手との向き合い方や間合いの取り方、相手に触れたときの感覚などが大いに活かされています。
ー 合氣道の動きの可能性
例えば、日常生活の中で肩甲骨とか肩周りの関節を限界まで大きくグルグル動かす機会なんてあまりないですよね。
合氣道の動きでは、腕をいっぱいまで伸ばしたり、腕の内旋(内側にひねる動作)とか外旋(外側にひねる動作)の動きがあって、自然と関節を限界まで動かして、動かせる範囲を維持したり拡げたりすることができているんです。
その結果、生活習慣による体の偏りが修正されたり、関節まわりが凝って痛むのを予防できたりと、体の機能の維持にとても役立っていると考えています。
パフォーマンスを上げるためのアドバイス
ー 継続して行うということ
健康な体を維持するのは運動が必要不可欠ですが、それはわかっていても実際にはなかなか実行に移せなかったり、自分は運動不足だと感じているかたが多いのではないかと思います。
皆さんは運動というと、ジムなどに通ったり、なにか競技スポーツのチームに入って練習したり、みたいなイメージがありませんか?
日常生活の中でちょっとした時間に、はじめはほんの数回だけでも、気軽にできる動きを日々継続して行うことだけでも効果は出てきます。
例えば、肩こりの予防や対策であれば、視線を上げる・肩を回す・肩甲骨を動かす・首を回す等の簡単な動作をこまめに行う、など。
そうして、ちょっとした動きでも継続して行っていくことで、身体に出てくる痛みの予防や自分のパフォーマンスを上げて生活していけることに役立ってくるのではないかと思います。
今後の展望
ー 日常生活での実践
私にとって合氣道の修行は、稽古の中で気づいたことと日常生活で気づいたことをひとつひとつ繋げていって、人が健康でより良く生きていくための糧、ヒントにすること、と考えています。
稽古と普段の生活、仕事が地続きとなるように実践していきたいですね。
私自身も色々と試していますが、実際に意識して行っていくことで、関節の痛みや不調を感じることがほぼない状態で過ごすことができています。
いずれ、それが無意識のうちにできるようになっていければいいな、と思っています。
ー 合氣道のススメ
合氣道の動きは、全身の関節をバランスよく動かし、全身の筋肉をまんべんなく使いますので、ケガの予防、体の痛みの軽減などにとても役立ちます。
自分の身体が良い状態で保たれる、身体に痛みのない状態でいられることで、日々のパフォーマンスの向上につながりますし、やりたいことに存分に取り組める、よりよく日々を過ごしていけることに繋がってくるのではないかと思います。
一緒に天通合氣道を学んでみませんか?
取材日:令和5年6月11日
記 事:創立35周年プロジェクト班
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